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動物との信頼関係について考える(2)

イルカ(動物)と「信頼関係」構築方法について深堀りしていきます。
 
非言語情報による意思疎通(ノンバーバルコミュニケーション)

信頼関係を構築するうえで、意思疎通はとても大切です。イルカ(動物)との意思疎通で使われるのは、言語以外の情報(非言語情報)です。実は、人間同士のコミュニケーションにおいて非言語情報は日常的に使用されているようで、飛び交う情報の93%は非言語情報だそうです(メラビアンの法則)。もしかしたら、知らないだけで人間を含めどんな動物でも非言語情報によるコミュニケーションは得意なのかもしれません。様々なところに、イルカ(動物)の意思が隠れているので、探してみましょう。
 
イルカ(動物)の意思(非言語情報)が隠れている部分
・サインに対する反応
 (タイミング、速度、内容、余分な動作の付属等)
・イルカ(動物)の動作
 (姿勢、筋肉、各部位の動き、接触、速度、変化、音声)
・空間
 (距離、位置、移動、それぞれの相互関係等)
・物体に対す行動
 (餌、おもちゃ、施設設備、その他物体に対する行動)
 
同じように、人からイルカ(動物)に対して、非言語情報がダダ洩れしていますので、注意が必要です。一生懸命すぎると、自分自身が前かがみ気味になりませんか?タイミングをはかっていると筋肉に力が入りすぎたりしませんか?イルカに全部伝わってますよ。
 
イルカ(動物)の意思を理解するとは

「私はイルカの考えがわかります」
って断言されると「嘘だろー!」って思っちゃいます。根拠を説明されたところで「アナタの勝手な想像だよね」、やっぱり信じられません。
しかし、
「イルカ(動物)はこんな風に考えているみたいだから、この後こんな行動すると思うよ」、そんな予測が見事的中すると「おおー!」ってなります。
イルカ(動物)の意思を理解するということは、つまり「高精度な行動予測が出来る事」、と言い換えることが出来そうです。
 
行動予測ゲームで能力を鍛えましょう!

イルカ(動物)の行動がこの後どうなるか、1秒後、1分後、10分後、次のトレーニング、明日、1週間後、1か月後、時間の尺度を変えて予測してみましょう。そして、答え合わせもしてみましょう。繰り返すほどに予測精度が格段に向上していきます。
観察力はこのゲームを有利に進めるための重要アイテムです。しかし、何をどうすればいいかわかりにくいですよね。ただの傍観から脱出するポイントは「変化・違い・違和感」です。行動が変化したタイミングや、いつもと違った行動を探してみましょう。観察方法は、①こっそり隠れて観察する、②サインを出したりして積極的にイルカ(動物)に聞いてみる、状況に合わせて使い分けましょう。情報が集まってくると、何となく原因が見えてきたり、この後どうなるか的中率が上がってくると思います。
イルカ(動物)の意思を理解することに繋がるのであれば、共感力や擬人化の力も借りてもよいと思います。ただし、自己満足にならないように、科学的に説明できる事、もしくは高精度な行動予測が出来る事、どちらかを担保しておきましょう。
 
イルカ(動物)は意思表示のルールを学習する必要がある。

イルカ(動物)は、意思表示の為ならどんな行動をしてもよいわけではありません。「嫌だ!」とか「もっと遊んで!」という意思を噛みつくことで表現されたら、毎回血だらけになるので困ります。一方で、攻撃的ではない意志表示は大歓迎。意思表示には攻撃的ではない手段を選択してほしいので強化学習を利用しましょう。さて、どのような方法で強化すればよいでしょうか。

攻撃的ではない手段での意思表示には、人間側がイルカ(動物)の意思に寄り添う事が一番のような気がしています。
例えば
「嫌だ!」なら人間側が求めている事を中止、これは負の強化です。
「もっと!」ならイルカ(動物)が求める事を追加、これは正の強化です。

これは、単純に行動を強化するだけでなく、イルカ(動物)の意思が人間側に伝わってますよーというメッセージを発信することにもなるので、双方向の意思疎通向上にもつながります。一方で、餌を使ったほうが良くない?という考えもありますが、このような場面では場違かもしれません。なぜならば、イルカ(動物)が求めているのは餌ではなく、自分の意思を理解してもらう事だからです。餌を使うと、行動の意味が餌を求めたものに変化してしまいます。
 
人も意思表示のルールを学習する必要がある

人もイルカに対して、意思表示のためならどんな行動をしてもよいわけではありません。肉体的だけでなく精神的にもイルカ(動物)が嫌がるような意思表示の方法は避けたいものです。そもそも、人はイルカ(動物)に対して、無制限になんでも要求することが許されるのでしょうか。イルカ(動物)の意思を尊重せずにほしいものを無制限で要求し続ければ、信頼関係の構築からはどんどん乖離し、崩壊へまっしぐらに進んでいくことでしょう。人側の意思表示が適切であったかを、イルカ(動物)の反応から読み解き、適切な意思表示が出来るように学習していく必要があります。信頼関係は、意思のキャッチボールの積み重ねで構築されていくものだと思います。意思表示のルールも押し付けるのではなく、意思表示のキャッチボールで作り上げたほうが良さそうです。
 
ココまでをまとめます。

イルカ(動物)の意思は、非言語情報から読み取ろう。
人がイルカ(動物)の意思を理解する事と、行動予測が出来る事は連動しているよ。
意思表示にはルールがあるよ、人もイルカ(動物)も守ろうね。
ルールは非言語情報を使った話し合いで決めていこうね。
 
さらに続く・・・


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