「勝ち馬に乗らない、意味や価値を創造できる人」採用支援会社の26卒採用、人事が語る工夫、思い、求める人物像
企業の採用、人材育成を支援するアールナインです。
2026年度卒業予定の学生さんの採用活動が、この春から始まっています。
去年より少し早く、今秋(学生さんが大学3年生の秋)に内々定を予定しています。アールナインでは人事以外の従業員も面接や面談するほか(去年は約60名参加)、今年は最初の面談を長期インターンシップ中の内々定者(25年春入社予定の学生さん)に任せるなど新しい挑戦も。
この記事では新卒採用担当2年目で、自身もビリーさんと、今春から加わったずーなさん(※全員あだ名で呼び合う文化)が登場。
「勝ち馬に乗るのではなく、意味や価値を創造できる人を求めています」
「学生さんの思い描く澄んだ未来がどうすれば叶うか考えています」
こう話すふたりが、26卒採用の工夫や思い、求める人物像を言葉にします。
■初回面談員は、長期インターンシップ中の内々定者
――今年は去年より内々定の時期が早いのですね。
ビリー 全体的に早期化しています。 それに学生さんにとっては限られた大学生活。貴重な時間でファーストキャリアを選ばないといけません。余裕を持って就職活動を始め、アールナインが合うと思うなら早めに決めてもらう方が、その後の学生生活に専念できます。逆に合わないなら、何がその子に合うのか私たちも一緒に考えたい。その場合、他の可能性を探す時間が残っていることが大事だと思います。
――応募を待つのではなく、直接スカウトするダイレクトリクルーティングという方法で学生さんを集めています。最初の接点である初回の面談は、昨年はオンライン形式で社外のリクルーターさんが担当していましたが、今年は対面でインターンシップ中の内々定者が面談していますね。
ビリー そうですね。内々定者の長期インターンシップを受け入れ(※以下インターン生)、自社採用にも関わってもらっています。リクルーターさんは経験豊富な人材のプロとして学生さんの相談に乗れるので、今年も一次面接以降はお願いしていますが、今年は新しい試みとして初回面談をインターン生に委ねることにしました。就活の記憶が新しく、年の近い当事者として話せると思いました。60分、近くのカフェで面談をしてもらっています。
――学生さんとインターン生でどんなことを話すのでしょうか。
ビリー インターン生自身の就活体験を伝えてくれていることが多いようです。学生さんの過去や就職活動状況のヒアリング、会社説明も頼んでいますが、そもそも目の前の人がどんな軸でアールナインを選んだのか、就活生も気になりますよね。面談後には、その学生さんについての所感も簡単に書いてもらいますが、「何か評価しなきゃいけない」と気張らなくていいので一緒に働きたいと思えたかどうかを重視してほしいと伝えています。
――インターン生自身や会社にとってのメリットもあるのですか。
ビリー 採用はバックオフィス業務ではなく組織作りの最前線。「会社を作る」とはどういうことか入社前から考えてほしい思いがあります。総じてインターン生は 面談の目的を理解し、一生懸命頑張ってくれていますし、まだ社員ではない第三者としての意見も学生さんの参考になれば嬉しい。プロのリクルーターさん、インターン生、社員、それぞれにしかない強みが化学反応を起せば新しい価値が生まれると期待しています。
ずーな 面談を任せられるのは、若手から裁量の大きい会社だからでもあります。「裁量がある」とはどういうことなのか、目の前で面談するインターン生の姿を通して、学生さんにも伝われば嬉しいです。
■責任感と納得感、本気で向き合いたいから対面重視
――そもそも最近の新卒採用はオンライン選考が主流で、初回面談から対面の会社はあまりないと思います。アールナインはなぜ対面なのですか。
ビリー 本気で向き合いたいからです。新卒就活は人生で一度。互いに真剣に望まず、良い就活も良い採用もない。オンラインは予約もキャンセルも簡単。あえて足を運び、自分の目で確かめてほしい。結果的に合わなくても自分が決めたことだと思える責任感と納得感が互いに必要と思います。
ずーな 対面の意味は学生さんにも丁寧に説明していますよ。「ご足労をおかけしますが」と前置きした上で、場所や空気を共有することで感じることがあると思うと。会社ではなくカフェで面談するのは緊張せず、ありのままの姿でお話いただきたいからです。おもてなしの気持ちもあります。
――学生さん優位の売り手市場の中、知らない会社から面談に誘われ、すんなりと来ていただけるものなのですか。
ビリー 面談に誘うメールの文面が心に響くことが前提ですね。毎年一人ひとりのプロフィールをよく読み、相手を想像しながら個別に文章を作っています。全員に同じものを送っている、私を見てくれていないと感じさせる文章ではなかなか振り向いてもらうのは難しいと思います。
――実際、インターン生はどんなことを考えて面談しているようですか。
ずーな これは興味深いのですが、人によって意義や楽しみが違うようです。ある子は自分が選んだ会社の好きな部分をまだ知らない人に伝えること自体を楽しんでいるように見えます。別の子は学生さんの就活の悩みの相談に乗りたい、役に立ちたいという思いが動機になっているようです。
ビリー 動機は違っても自分が話した学生さんが次の選考進んだら、とても嬉しいようです。ある口コミサイトに「内々定者が面談をしてくれた」と前向きなコメントをしてくれた学生さんもいました。ありがたいです。
■自ら意味や価値を作り、更新し続けられる人
――ここからは求める人物像についても伺います。今年の採用活動のテーマは「私が挑む、誰かが変わる 紡げ、拓け、可能性」と掲げていますが、どんな人が興味を持ってくれたら嬉しいですか。
ビリー いわゆる勝ち馬に乗ろうとする人は、うちでは幸せになれません。創業15年目ですが、今から作る部分も多い。既存の成功に乗じるのではなく、事業を広げる上で意味や価値を創造し、自分の存在意義を常に問い直す視点がほしいです。現状維持は衰退。更新し続けられる人が良いですね。
ずーな 自分に目標を定めて動ける主体性、きらりと光る強みや尖った部分がある一方、協調性も重視しています。私自身はコミュニケーション能力とは、相手の立場や状況を考えて発言することではないかと考えます。 それができないと周囲と連携が難しい 。だからそうした姿勢も見ています。
――それはどうやって見るのですか。
ずーな 例えば先輩に何かをお願いしたい時、どう頼むか。後輩に直してほしいことがある時、どう伝えるか。こういうことを聞きます。よく「大会で1番になりました」とか「サークルの人数を 何倍にしました」とか結果をお話しいただくことがありますが、結果より過程に注目しています。
ビリー 正直、学生時代の頑張りの中身はあまり関係ありません。なぜそれを選んだのか、なぜその行動を取ったのか。独りよがりではなく、皆で作り上げる価値観があったかどうか。対話の中で行動の契機を深掘りします。だから暗記してきた内容を話していただく面接っぽい面接はしません。
■採用の意味を探求し続けることが、より良い組織を作る
――採用に対する考えも教えて下さい。ビリーさんは4月から営業、ずーなさんはもともとデジタルマーケティングの仕事や中途採用と兼任しています。新卒採用にはどんな思いを持っていますか。
ビリー 私は営業と人事を行き来し、一層、採用について考える時間が増えました。営業では色々なお客様と話します。人こそ資本。だから人事は大切な仕事と考える会社もある一方、理解しても実践の難しさに直面している会社もあります。 人事が輝けるアールナインの環境は珍しい。だからこそ多くのお客様にもそんな気持ちを共有したい。営業は数字目標がありますが、人事には正解がない。採用とは、その成功とは、働くとは何か。根本的な意味を探求し続けることがより良い組織を作ると、広く伝えたいです。
ずーな 私は自分自身が中途入社者です。新卒との違いにはっとすることもあります。社会人経験があるからこそ色々な条件を比較し、より良い道を選ぼうとする転職者と違い 、学生さんは良い意味でしたいことがアバウト。語る未来が澄んでいます。どうすればそれを壊さず叶えられるか、うちで幸せになれる方かどうか、人事として考える時間は貴重ですね。アールナインは人は親切で優しいけど 、自分で考えて動かないといけない点では厳しい環境かもしれません。一生懸命で素敵な学生さんが多いからこそ壁に当たっても潰れてほしくない。そんな思いで一人一人と心から向き合っています。
2024年6月 つづく
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