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「働く意味を探して」夢を見せた後輩へ。新卒1期生、山下涼雅インタビュー

株式会社アールナインnote編集部です。今日は、私たちがその背中を追う山下さんのことを紹介したく、筆を執っています。

ちょっとお疲れ気味の日も、すれ違えば「お、最近どうよ」と声をかけてくれる。気さくで親しみやすい、頼れる先輩・山下さん。2009年、社会人経験のある中途採用社員だけで創業し、いわゆる大人の組織だった私たちの会社に2018年、たったひとりで飛び込んだ新卒1期生です。

今ではゼネラルマネージャー(部長職に相当)になり、後には20人以上の新卒の後輩が。でも、どんなに忙しくても時間を惜しまずメンバーとフラットに向き合い、お客様のためにも妥協しない。その真摯さとアールナインへの強い思いはどこから来るのか。

「最初はベンチャー企業なんて視野になくて、銀行員になるはずだったけど」。保守的な優等生だったと語る自分自身への葛藤、違う未来を求めて踏み出した一歩、選ばなかった方の人生への想像、夢を見せた後輩への思い。

今日は「自分のためには頑張れない」と語る山下さんに、これまでの足跡を振り返りながら、今、ここにいる理由を語ってもらいます。


■洗濯物は、立ったまま数秒でたたむ男・山下涼雅

インタビューに応じる山下さん。前半は、お腹が空いていたそうで、バナナを食べながら受け答えしていました。

――山下さんは2018年4月入社、現在、営業部全体を統括するゼネラルマネージャーです。いつも「山下さん」と呼ばれていますね。

そうなのよ。(新入社員から代表取締役まで全員あだ名で呼び合う文化の会社なのに)なぜか、俺ひとりだけあだ名がないんだよね。やまちゃんとか呼んでくださる方がいるけど、定着しなかった(笑)

――お生まれはどちらですか?

今日、そこからなのね?(笑)
東京の西の方です。小学校時代はミニバスケットボール、中高はテニス、大学時代は服屋のアルバイトに明け暮れてた。

――服が好きだったんですか?

いや、小学校の親友に誘われて始めたんだけど、これが、めちゃくちゃ厳しいバイトで。その子が辞めないから俺も4年間辞められなくて。今も洗濯物は立ったまま、さっとたたむ癖が付いている(笑)

――思い出に残っていることはありますか?

最後の方に担当した、誰にどんな仕事を割り振るかを考える仕事は、おもしろかったね。仲の良い人と一緒のチームだと、みんなめちゃめちゃ動きが俊敏なのよ。逆に苦手な人がいると効率が落ちる。人間って、環境次第でこんなに変わるのかって人の得意・不得意や相性を見極めて、最適な組み合わせを考えるのは大切な仕事なんだな、と感じたよ。

■手の届く未来、レールの上を走る自分への葛藤

職場の仲間から「その壁で『何か』してください」という雑な指示を受け、何かしようとする山下さん

――そのアルバイトの経験から人材業界に興味を?

それが、最初は大学の先生が金融業界に縁があった関係で、信用金庫か地方銀行に行くつもりだった。もう、内定も複数もらっていた。

――なぜ地銀や信金に興味が?

当時は手の届く、目の前にいる人に「ありがとう」って言われる仕事がしたかったんだと思う。俺、今こういう役職だから組織とか世の中のためとか言うけど、もともと個人的なモチベーションはかなり近眼会ったこともない人のために頑張れない(笑)
それなら地域のおじいちゃん、おばあちゃんの相談に乗る仕事は性に合いそうだなと。お金って身近なものだから、誰しも悩みが付きものじゃん?

――その未来は、なぜなくなったんですか?

自分で言うけど、結構、優等生だったのね(笑)
でも、自分で何かを決めた経験がなかった。進路は人の勧め。部活もバイトも人の誘い。気付けばいつも、安定しそうな方ばかり選んで、決まったレールの上を走っている…なんか人生これでいいのかってモヤモヤした気持ちが募ってきて。違う可能性がほしくなった。

■「せめて流される川は選びたい」失敗も人のせいは嫌

――あれ、もしかして、かなり保守的な方ですか?

え、そうだよ?(笑)
小さい頃から、新しいことをしたいなんて自分から言ったことはほとんどない。物事はしなくていい理由を考える方が得意で、周りに流されていたね。

――周りに流されるのは、だめですか?

それ自体が悪とは思わない。流される中で、良い人にも出会えたから。でも、せめて流される川は自分で選びたい。じゃないと、失敗も人のせいにする気がして。それは嫌じゃない?

■数合わせで応募、飛び込んだ新しい場所

子育て中の従業員の家族に感謝を伝えるため、経営陣がサンタに扮して子供たちにプレゼントを贈る企画に参加した山下さん

――それで、金融機関はやめて就職活動を継続?

そうそう。当時100社応募しようと決めていて、数合わせのために応募した最後の一社がアールナインだったのね(笑)
でも、最終的に人材業界3社で悩んだ時、一番、既成概念に縛られなさそうな場所がここだった。ゼロから仕組みを創れる人になりたくて選んだ。

――思い切りましたね。

ねえ…信用金庫の内定を辞退したら、普段は何も言わない家族に、さすがに「え、あの、どういうこと?」って説明を求められた(笑)

――これまでと違う軸で選んだ社会人生活はいかがでしたか?

最初はソワソワした気持ちと向き合っていた気がする。この会社で一人目の新卒社員だったから。何ができても、できなくても「ああ、新卒ってこういうものなのか」というイメージを先輩方に与えちゃう気がして。
でも、決められたことより、自分で新しく何かを創ることは楽しくて、ベンチャーの文化に合っていたのは発見だったよ。そうそう、1年目は従業員20人ほどで男性が3人だったけど、今増えたね(笑)※現在約120人男女比3:7

■おもしろい概念、発想そのものへの対価

社員旅行の夕食で絡まれる山下さん(右)

――入社4年目の10月に初めて管理職に、22年7月からは現職で組織の構成なども考える立場になりました。役割が変わると、ご自身も変わりますか?

見なきゃいけない世界が必然的に変わった。目の前のことだけじゃなく、なぜ組織に人は必要か、売り上げって何か、とか。でも、こういうちょっと抽象的な問題を考えるのも実は好きなんだって気付いた。いつも自分の1つ上の役職の人は何を考えているのか、意識して動くようにしているよ。

――事業の内容ついては、いかがですか。私たちの仕事は企業の採用を、第三者として支援する採用代行(RPO)と呼ばれるものです。

おもしろい概念だよね。採用で社内で完結すべきって一般に思われているけど、迷った時は、知見のある社外の第三者に相談したっていい。この考えがもっと広まれば、求める人をうまく採用できる企業が増えて、働く側も自分に合った職場で働ける。人も組織も活き生きすると、本気で思うよ。形のない、自分の発想自体に対価が支払われる商材だから、腕が試されるけどね。

■「自分のために頑張れない」夢を見せた後輩へ

社内のビジネスコンテストで優勝し、チームのメンバーと記念撮影する山下さん(左から2人目)

――山下さんの入社時に約20人だった従業員は今、120人に増えました。直接話す機会が少ないメンバーにも、伝えたいことはありますか?

そうだねえ…せっかくだから、働く意味を見つけてくれたら嬉しい。うちは企業の採用を支援する会社。「働くって何?」という問いに常に向き合う環境だと思うのね。お客様にこうしましょうと助言する時、自分たちはできているか、必ず自問自答するじゃない?その過程で、自分は何のために働くのか、頑張るのか、自分自身で腹落ちするものが見つかればいい。

――山下さんは、見つかりましたか?

あ、それで言うと、周囲の人だった。
ここに来なければ、地元でずっと銀行員だったかもって想像することもある。でも、たぶん無理だった。自分のために頑張れるタイプじゃないから。資格の勉強、昇進、昇給…金融機関の方々は絶えず自己研鑽する。すごいことだけど、俺は「この人たちのために頑張りたい」と思える人がいるアールナインで良かった。ここの人が好きだから。自分の意思で選んだ場所で、自分が頑張ることの意味はやっぱり身近な人にあったと気付けて良かったよ。自分が夢を見せて、語って、入社してくれた後輩への責任を感じます。

終わり

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