見出し画像

あなたの英語はネイティブ何歳レベル?vol. 2<イギリス幼稚園児の英語学習の始め方>

日本では、いちばん初めに学校で習う英語の文章というと、最近の教科書事情は知りませんが、わたしの世代では有名な

This is a pen.

でした。では、イギリスの子供達が幼稚園で最初に読む言葉には、どういったものがあるでしょうか。

phonemes 音素

Phonemesとは、音でカテゴリー分けをして、その音に関わる単語を自然と覚えていく学習法ですが、わが子の通う幼稚園年中(Receptionという名称の学年)さんでは、この方式を採用しています。(注※ イギリス政府による教育方法かどうかは、このマガジン全体を通して、一切不明です。あくまでも、わが子が通う教育機関のみでのケースであるとお考えください。)

例えば unit 1 では
s a t i m

で、Sam sit や Tim sat といった、組み合わせを変えた同じ音素が、各ページに書かれています。

unit 2 では n o p
unit 3 では b c g h
unit 4 では d e f v

unit 4 の例文としては、Dan had a big, fat pen. Viv got the fat pen. などとストーリーが続きます。ちなみに、幼稚園年中さんの習う言葉といえど、あなどれません。fibという単語が出てきたのですが、わたしはこの単語を知りませんでした。

The fibで些細なウソ

動詞としては「取るに足らない嘘をつく」と使うようです。

これらのdefvなどのアルファベットはPhonic Codeといい、アルファベットを音声表記したものです。

残りのユニットを少し紹介すると、

unit 5: k l r u
unit 6: j w z
unit 7: x y ff ll ss zz

となり、ユニット7では連続した音、puff, small などの学習に入ります。(参照:The Fib by Tamar Reis-Frankfort and Wendy Tweedie)

独特なアルファベットの習い方:Phonics

先ほどPhonicという言葉をサラッと挟みましたが、イギリスの英語教育では

Phonics フォニックス

という学習方法が一般的です。日本の子供達がひらがなを「50音」で覚えるように、アメリカやイギリスなど英語圏の子供達は「フォニックス」でアルファベットの読み方を学びます。

これは、実際に発音する読み方で習うことが特徴で、例えば

a=ア(アップルのア)
b=ブ(ブックのブ)
c=ク(クッキーのク)

といった感じです。わが子は入園前に、英語力のチェックをされました。わたしが「アルファベットを読むことはできます。」と先生にいったあと、アルファベットの読み方検査が行われたのですが、わが子が「ピー」「エー」「エス」などと答え始めると、先生は首を振りながら悲観的な顔になり、「もういいです。わかりました。」と急に打ち切りました。

訳がわからずショックを受けたのですが、その時はフォニックスをわたしも知らず、その後も、というより未だにわたしは全てのフォニックスでの読み方があやふやで覚えきれていません...!(ちなみに、フォニックス形式ですと、ピーは、エーは、エスはになります。)

音声表(Sound Mat)でつづりの方式を暗記

フォニックスを軽く紹介しましたが、ここで「そうはいっても......アルファベットって、複数の読み方や後ろに続く字で読み方が不規則に変化しないか?」と思われた方、鋭いご指摘で。

例えばaならフォニックス式ののほかに、日本で習うエーエイに近い発音になる言葉があります。また、同じ字が二重につづられる単語(grass, jelly...)もありますし、いちどaからzまで教えたからといって、ネイティブといえど、そう簡単に字が読めるようになるわけではないのです。

これは英語ネイティブでないわたしからしたら、不思議で新鮮な感覚でした。ネイティブなんだから、子供だってスラスラ字や文章を読めて当然では、なんて思っていたのですが、考えてみたら日本の子供達だって、始めは50音を覚えることから入って「学習」しないと、読めるようにはなりませんよね。

むしろ日本語は50音と実際の発音が全く同じなので、欧米圏の子供達が英語の不規則性を学ぶことの方が難しいのかもしれません。さて、その不規則性ですが、実際どのようにそれを子供にわからせるかというと、Sound Matという音声表を使って暗記させます。

画像1

©️twinkl

説明が難しいので、上記の写真をご覧ください。この表は5段階に分けられていて、読み書きが始まる年中から年長までに全ての段階を終わらせ、不規則な読み方でも読めるよう、カリキュラムが組まれています。

どのように活用するかというと、これらの表を見ながら毎日発音させ、それに加えカード(タイトル画像参照)にしてゲームのように遊ばせながら、パターンを覚え込ませます。はじめてフォニックスを知った方は、いったいなんのことやらサッパリ想像がつかないかと思いますが、ネイティブの親でもそれは意外にも同じなんです。

わが子の幼稚園でも、このフォニックスのためだけの講習会が、保護者向けに毎年あるほどです。幼少期の学習は、「子供のその後に大きな影響を与える」とよく耳にしますが、イギリスではそれだけフォニックスが重視されている、ということではないでしょうか。

最後に、年中後期に出現したunit14の単語を紹介して、終わりにしたいと思います。

【ckの用法を習得することが課題】

Raj checks the rack of gifts.
Thick, red socks for Mum.
Raj picks the best duck and puts it in the bag.
そのほか登場した単語:shock, rack, brick, clock, back, trick, luck

(参照:Raj Gets a Shock by Tamar Reis-Frankfort and Wendy Tweedie)


いいなと思ったら応援しよう!

パーリーメイ | Purleymay
こちらでもフォローして頂ければ大変嬉しいです! 【Instagram】https://www.instagram.com/surreymay_calligraphy/ イギリス生活、旅、カリグラフィー