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イギリスのお菓子vol.4ウィスキーいりフルーツタルト『ホープトン・ディライト』

庭のブラックベリーがリンゴとともに盛況です。どちらも毎日収穫して(リンゴは落ちてるものだけ拾う)さっさとなんとかしないと、消費が追いつきません。そのまま食べるかほとんどは砂糖といっしょにジャムにしますが、なにかほかに使い道はないかとレシピ本をめくると、ありました。

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「ホープトン・ディライト(Hopetoun Delight)」というフルーツタルトが。写真はラズベリーですが、ラズベリーもブラックベリーも同じでしょ、というこじつけで早速作ってみることにしました。

スコットランドと関係大アリな伝統菓子

この記事を書くまで作るのに必死で気にもとめなかったのですが、改めてレシピを見返してみると材料がオートミールにウィスキーと、なにやらスコットランドの特産品ばかり。そもそも名前からして、「ホープトン」とはエジンバラにあるリンリスゴー侯爵(Marquess of Linlithgow)のお屋敷名、「ホープトン・ハウス」からきていました。

今回のレシピは、「クラナカン(cranachan)」というスコットランドの伝統的なデザートに、ひねりを加えたものだということです。というのも、クラナカンとはホイップクリームにウイスキー、はちみつ、ラズベリー、オートミールを混ぜたものをグラスによそって供されるものですが、このレシピではグラスのかわりに、これまたスコットランドを代表するお菓子、ショートブレッドが器として使われていました。

このクラナカンは生クリームではなく、スコットランドの最も古いチーズ「クラウディ」を使ったバージョンもあり、またの名を「クリーム・クラウディ(cream crowdie)」といいます。(クラウディが入っていなくても、いわゆるクラナカンのことをクリーム・クラウディと呼ぶ人もいます。)

スコットランドはベリー類も豊富だそうで、ストロベリー、ラズベリー、グーズベリー、ブラックカラント、テイベリー、クラウドベリーとたくさんあり(よりによってブラックベリーがない...!)、だからこのレシピでもラズベリーが使われていたんですね。というより、クラナカンといえばラズベリーと決まっているようなので、ブラックベリーは邪道だったかも...⁈けれどまぁ、代替としてブラックベリーを使ってもイイよ、と書かれたレシピもあったのでホッ。

実際作ってみて

わかってはいましたが、今回なにが大変だったかって、タルトのカップを作ることでした。はじめはぎこちなかったですが、慣れるとなんだか陶芸教室で湯呑みでも作っている気分に。

焼き上がりの形はなかなかうまくいきましたが、焦がしてしまったのが失敗。詰めもの(フィリング)のクリームは、ホイップクリームに砂糖と一緒に炒ったオートミールとウィスキーを混ぜて作ります。気になったのが、炒ったオートミールを冷ますと溶けた砂糖が固まって、鍋からクリームにうつすとき、鍋底にくっついて大変なんでは、という懸念です。(というより、オートミールが全量入らなくてもったいないんじゃないかと。)

実際には、

懸念どーりになりました。けれど熱すぎたらクリームがだれてしまうし...どうしたらいいのか、あまりよくわかりません。冷めるまで絶えずかき回しておくべきたったのかもしれません。

ウィスキーは、日本でも売られているロイヤル・ブラックラ(Royal Brackla)で醸造された「The Old Malt Cask 50」の11年ものを使いました。

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お楽しみの試食タイム。クリームにオートミールを混ぜるとは、一体どんなもん?と作る前は不思議に思っていましたが、主張し過ぎないザクザク食感が丁度よく、またクリームが適度な硬さにまとまり扱いやすかったです。イギリスのレシピにしては珍しく、タルト生地にもフィリングにも、正常な量の砂糖しか使われていないのも高得点です。

タルトカップはもともとわたしの大好物であるショートブレッド生地なので、それにクリームとフルーツでは間違いなしのおいしさです。オートミールがつなぎとなるので、生クリームでも少々常温でほったらかしておいても、まったくダレません。そのままきれいな状態を保てるので、お客さんにお出しするときにも便利だと思いました。その際、カップは市販のでズルするのもアリだよなぁと思ったり。

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