見出し画像

あなたの英語はネイティブ何歳レベル?vol.8 <イギリス幼少時の遊び方>

わが子が通うイギリスの現地校では、日本と同じように幼稚園時から遊びを取り入れながら学ぶ、ということをvol.1で紹介しました。そのほかの一例を挙げると、警察官など実際の職業について教える方法も、なかなかに手がこんでいてユニークです。

ある日子供を幼稚園に送っていくと、教室内が普段とはちょっと違う「緊迫した」雰囲気に。部屋の一角が

police line do not cross

と書かれた水色のストライプのテープで囲まれています。いつもはきちんと片付いたオモチャが散らばっており、どうやらそこは物が荒らされた「犯行現場」なようです。すでに登校していた子供たちは手にバインダーに挟まれた紙と鉛筆を持ってなにやら思案しています。

わが子も「見て!!」と大興奮。この日はその後ホンモノの警官 police officer も来て

investigate 捜査する、調査する

などの単語を学習。単語を丸暗記させるのではなく、遊びながら自然に身につくよう先生の工夫が随所に見られます。学校ではありませんが、わが子が所属しているボーイスカウト(関連記事)でも警察官を招いて話を聞く機会がありました。警察官や消防士といった職業は、日本の学校や地域の祭りでも似たような感じで接する機会があるので、どこの国でも人気があるのではないでしょうか。

イギリス(英語圏)の子供たちが好きな遊び

そしてここからは、授業とは完全に切り離された、イギリスの子供たちの間でされている純粋な「遊び」をいくつか紹介します。

まずは王道の

hide and seek かくれんぼ

鬼役の子が10の数を数えてから「ready or not, here I come」と言ってからほかの子たちを探しに行きます。見つけたら「found you!」と。

it 鬼ごっこ

子供が「itをした」だの友達と「let’s play it!」などと言っているのを聞いてサッパリ見当がつかなかったのですが、海外が長い私の友人に聞いたら「鬼でしょ」と教えてくれました。そういえば、不気味なピエロと子供たちが格闘するホラー映画のタイトルも「It」で邦訳がそのまま「それ」だったのでよくわかりませんでしたが、これも欧米人からしたら当たり前に「鬼」とわかっていたんですね(日本語で意味を検索しても普通の意味かITとか出てきてしまいます・・)。

rock scissors paper shoot ジャンケン

この言葉を言いながらグー、チョキ、パーを出します。「ジャンケンしよう」と言うときも「let’s do rock scissors paper shoot」と言わなければならないので、長い・・。

Eeny, meeny, miny, moe どれにしようかな(歌)

こちらは遊びというよりは物や人を選ぶ時に歌われるで、日本語では「どーれーにしーようかな、神様の言うとおり!」と同じだと思います。英語の歌詞は

「Eeny, meeny, miny, moe, Catch a tiger by the toe. If he hollers, let him go, Eeny, meeny, miny, moe.」

イーニー ミーニー マイニー モー
虎のつま先つかんで捕まえろ
虎が吠えたら放してやろう
イーニー ミーニー マイニー モー

となります。

ウチの子はどれも小学2年生になっても本気で楽しんでいます。ジャンケンにしても何かを決めるためにするのではなく、ただこれをひたすら繰り返してジャンケンをすること自体が遊びになっていたりします。

かくれんぼは外でやればいいのに、庭だと遮るものが少ないからか大して隠れる場所もないのに家の中でやりたがる。狭い変な所に隠れたがるので、家中ドタバタと騒がしいことこの上ないです。

最近好きなのは

made a look! 騙しっこ

検索しても全然ヒットしないので勝手に名付けましたが、学校までの行き帰りなどで突然「あ、あそこに猫が!」だの「ママの背中に虫がいる!」などと言い出し、「え?どこ?」と振り向くと

「made a look~」と嬉しそうに大笑いします。「ウッソ〜(嘘だよん♪)」といったニュアンスだと思いますが、慣れた今は数秒ごとにこれをされて、大人な私としてはもはや反応するのが面倒くさいです・・。

言葉遊びにピッタリな上級者向けの遊び

最後に非英語話者には大人でも難しい

Knock-knock Jokes ノックノック・ジョーク

を紹介します。これはダジャレを言い合う言葉遊びで、二手に分かれて下記のように行います。

Aさん:Knock, knock (トントン)
Bさん:Who’s there?
A: Annie
B: Annie who?
A: Annie thing you can do I can better!

アーハーハー!!
と、ネイティブであれば毎回大爆笑?なんでしょうが、正直ノン・ネイティブの私にはほかのどんな例を出してもらっても「ポカーン・・」状態でサッパリその面白さがわかりません。

基本的にはひとりがノックをして、もうひとりが「誰ですか?」と応え、次に誰か(架空でOK)の名前を挙げ、「それって誰?」と言われたら最後にオチのジョークを入れる、という流れです。

上記の例題は「アニー(Annie)」のスペル(つづり)がanythingのanyと似ていて、それに掛けているのだ、ということがわかったので、比較的難易度が低かったかな、と思い紹介しました。原則は人の名前をネタにするようですが、実際にはcatやI amなど、daといった音など、なんでもアリなようです。

ノックノック・ジョークの生まれはどこの国?

この遊びはイギリスだけでなく、アメリカなどの英語圏や一部の欧州などでも言語を変えて親しまれているようです。なかでもトム・ハンクス主演の『ユー・ガット・メール』といった有名なアメリカ映画にたびたび登場していることもあり、このジョークは「アメリカの遊び」、「アメリカが発祥」といったイメージが強いようです。

けれどイギリスでは、かの有名なシェイクスピアの戯曲『マクベス(Macbeth)』の作中で初めて登場した、という説が広く知られています。
(参照記事: Barrie, Joshua. “The unlikely origin of the knock knock joke – and how it was first told” Mirror Online 2017.)

いずれにせよ、読み書きが始まる小学生に上がると特によく遊ばれる遊びで、言葉の発達にもいいということは共通ではないでしょうか。ネイティブの親御さんでもネタには困るとみえ、巷には「もっとも面白い子供向けのノックノック・ジョーク87選」といったカンペが出回っています。大人同士でもぜひ、隣にいる誰かさんとでもやってみてください。

こちらでもフォローして頂ければ大変嬉しいです! 【Instagram】https://www.instagram.com/surreymay_calligraphy/ イギリス生活、旅、カリグラフィー