夏八木 秋成

30代、二児の父。飲食業サラリーマン。 吐き出したいことをつらつらと。 【note創…

夏八木 秋成

30代、二児の父。飲食業サラリーマン。 吐き出したいことをつらつらと。 【note創作大賞2023 ファンタジー小説部門】 ・中間選考通過 ・最終落選

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  • 【小説】想い溢れる、そのときに

    小説「想い溢れる、そのときに」各話まとめ 1-14話

  • 【小説】ダイアログ

    小説「ダイアログ」全7話

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【小説】想い溢れる、そのときに(1)

推奨BGM  1  夢と現実の区別がつかないのは、どういったときだろう。  行動した結果が自分の想像を超えたとき、今までの経験では見たことのないものに遭遇したとき、心の準備が足りない状態で衝撃的なことが起きたとき。  これらは日常の中で頻繁に起こるわけではないけれど、確実に私たちの判断力を鈍らせ、惑わせる。  そしてその瞬間が最もたくさん起こるのが、眠りから覚めたときだ。  先ほどまで見ていた夢の内容と、目を開けた瞬間に横たわっている自分自身の体の状態とが一致せず、脳

    • 【短編小説】カサブランカ

      「じゃあ、俺ん家来る?」 そう言ってもらいたかったのかな。 あたしはまだそんな幻想を抱いているほど、愚かで浅はかだったのだろうか。 ほんの少しの、何気ない仕草や言葉の機微に期待を掛けて、打ち砕かれて。 その繰り返しをいつまで続けたら、この晴れない闇の中から抜け出すことが出来るのだろう。 彼の純真無垢さが、あたしを傷付ける。 そう思ってきたけど、どうやら逆だったみたい。 そうやって彼に幻想を抱いて、勝手に傷付いていたあたしこそが、あたし自身を傷付けるナイフそのものだったんだ

      • 【つぶ日記】毎年恒例のSpotifyまとめ。新しい音楽も沢山聴いていたように思うけれど、結局TOP3の顔触れは高校時代から何も変わらず。御三方が未だ現役で活躍されていることは、本当に心強い。彼女達が新しく作品を発表している間は、日本もまだ大丈夫だと感じる。

        • 言葉を交わすことの意義〜Awich「THE UNION」を聴いて

          Awichさんの新作アルバム「THE UNION」がリリースされました。 女性ラッパー達とのコラボレーション作品や、沖縄コンピレーションEP等、今年も話題作を数々発表していた彼女。 アリーナライブを目前に控えたタイミングでのフルアルバムリリースは不意打ちで、私は歓喜すると共に「働き過ぎでは?」と少し心配になってしまいました。 序盤から「レペゼン沖縄」然とした楽曲が続き、彼女の現在の勢いそのままに、それでいて苦悩や葛藤も包み隠さず曝け出すスタイルに圧倒されました。 また「Ca

        • 固定された記事

        【小説】想い溢れる、そのときに(1)

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        • 【小説】想い溢れる、そのときに
          15本
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        • 【小説】黄金に凪ぐ
          9本

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          【つぶ日記】先月末より入院していた次女がやっと退院した。まだしばらく通院が続くけれど、とりあえず本日の定期健診の数値は良好だった。フードファイター本来の姿を取り戻し、今朝から旺盛な食欲に従順な姿勢を見せている。元気ならそれでよい。

          【つぶ日記】先月末より入院していた次女がやっと退院した。まだしばらく通院が続くけれど、とりあえず本日の定期健診の数値は良好だった。フードファイター本来の姿を取り戻し、今朝から旺盛な食欲に従順な姿勢を見せている。元気ならそれでよい。

          創作大賞最終結果

          創作大賞の最終結果が発表されました。 受賞された皆様、本当におめでとうございます。 受賞者には事前の連絡があるとのことだったので、今月に入ってから音沙汰無しの時点で、あぁダメだったのだなと思っていました。 それでも15日くらいまでは淡い期待を抱いていましたが、下旬に行われる予定の授賞式の日程調整を考えたら、そんな直前に連絡などするわけないですよね。わかっていました。 しかし、わかっているということと、この悔しさはリンクしません。別物です。 やっぱり残念。やっぱり悔しい。せ

          創作大賞最終結果

          【エッセイ】義務教育の開始は、子育て終了の合図ではない

          「失礼ですけど、シングルですか…?」 先日の運動会でお声がけ下さった方から言われた一言です。 被せ気味にいえいえ!妻、いますよ!!と否定したものの、状況を考えればそうなるのかもなと思いました。 つぶやきにも書きましたが、今年は小学校・保育園それぞれ運動会の日程が被りました。 私はPTAのお手伝い仕事がありましたので長女、妻は次女をそれぞれ観戦することにしました。 帰宅後に動画や写真を共有し、それぞれの子らから感想の弾丸を撃たれ続けました。 当日がこのような状況だったのも

          【エッセイ】義務教育の開始は、子育て終了の合図ではない

          【つぶ日記】夜勤明け。子らは運動会の振替休日なので、少し仮眠を頂いた後、公園まで出掛けた。暖かいとはいえ、やはり10月。そこかしこに秋がいた。ピスタチオカラーのどんぐりを見つけて3人で大はしゃぎ。写真を撮り改めて眺めてみると、手がガッサガサ。私、かわいそう。

          【つぶ日記】夜勤明け。子らは運動会の振替休日なので、少し仮眠を頂いた後、公園まで出掛けた。暖かいとはいえ、やはり10月。そこかしこに秋がいた。ピスタチオカラーのどんぐりを見つけて3人で大はしゃぎ。写真を撮り改めて眺めてみると、手がガッサガサ。私、かわいそう。

          「想い溢れる、そのときに」執筆感想

          「死んだ人を想う時、その人の上に花が降るそうです。」 これはエッセイストのジェーン・スーさんがお知り合いを亡くされた時のInstagramポストに、ファンの方が残していたコメントです。 スーさんとフリーアナウンサーの堀井美香さんとのバディで毎週配信されている「Over the Sun」内でも、こちらのコメントが紹介されていました。 拙作「想い溢れる、そのときに」は、このコメントから着想しました。 生きている人が死者を想う時、何かしらあちらに届いていると思えたら素敵じゃない

          「想い溢れる、そのときに」執筆感想

          【つぶ日記】土曜、晴天の中で長女次女の運動会が開催された。小学校と保育園で日程が被ってしまい、妻と手分けしてそれぞれを応援。保育園への送り途中、「今日パパいないの?」と次女は不満げ。「あとでママが観に来るよ、ごめんね」と言って小学校へと急いだ。こればかりはどうにもできない。

          【つぶ日記】土曜、晴天の中で長女次女の運動会が開催された。小学校と保育園で日程が被ってしまい、妻と手分けしてそれぞれを応援。保育園への送り途中、「今日パパいないの?」と次女は不満げ。「あとでママが観に来るよ、ごめんね」と言って小学校へと急いだ。こればかりはどうにもできない。

          【つぶ日記】夜勤明け。睡魔と闘いながら電車内で推敲作業を終え、やっと終了させた。反省点等、いずれこちらにしたためます。 とりあえずファンタジーって難しいね!結局現実のことばっか書いちゃうわたくし! 風呂に入って寝ます。

          【つぶ日記】夜勤明け。睡魔と闘いながら電車内で推敲作業を終え、やっと終了させた。反省点等、いずれこちらにしたためます。 とりあえずファンタジーって難しいね!結局現実のことばっか書いちゃうわたくし! 風呂に入って寝ます。

          【小説】想い溢れる、そのときに(終)

          前回のお話はこちら 第一話とあらすじ 14  およそ三か月ぶりにノックの音が聞こえると、窓際に座っていたダボはドアの方を見て微笑んだ。 「どうぞ。」  外の光と一緒に中に入ってきた真香は、手に小さなブーケを持っていた。真香の部屋の窓のステンドグラスと同じ、薄いピンク色の花と一緒に、いくつかの緑も束ねて優しく握っていた。 「どれくらい?」 「大体三か月、かな。久しぶりだね。」  アジョナに触れたあと、真香はずっとダボの家を訪れなかった。母親の気持ちの揺れ動きを目の

          【小説】想い溢れる、そのときに(終)

          【小説】想い溢れる、そのときに(13)

          前回のお話はこちら 第一話とあらすじ 推奨BGM 13  今夜はいつも以上に肌寒くて、太陽の温もりを捨てた風がくたびれたジャージの隙間を駆け抜けていった。コンビニの前を通り過ぎて、そのまま山の方へと進んでいく。観光用に作られた広めの道路には、車はおろか野生動物の気配すら無かった。私と風にざわめく木々の葉だけが、世界を動かしていた。 『あんたがまなちゃんとこ行こうとしたら、連れ戻せんくなっちゃうから』  母の言葉が頭の中でリフレインする。行かないよ。行く勇気なんて、

          【小説】想い溢れる、そのときに(13)

          【つぶ日記】世間様の連休は、私にとっての連勤。明日明後日の休日は、さっさと家のこととPTA関連の諸々を済ませて、全て書き上げたいと思う。 できるのか?やるんだよ? 目下の課題はこの後帰宅してソファで寝落ちをしないかどうか。真っ先にお風呂へ向かおう。 できるのか?やるんだよ?

          【つぶ日記】世間様の連休は、私にとっての連勤。明日明後日の休日は、さっさと家のこととPTA関連の諸々を済ませて、全て書き上げたいと思う。 できるのか?やるんだよ? 目下の課題はこの後帰宅してソファで寝落ちをしないかどうか。真っ先にお風呂へ向かおう。 できるのか?やるんだよ?

          最初で最後(にしたい)の雑記

          「小説を書いていて楽しいか」と問われたら、私は楽しいと即答できる自信がありません。 では何故書き続けるのか。そこにも明確な答えは無くて、頭に浮かぶ「こんなこといいな、できたらいいな」を文字に起こしているだけというのが実際のところです。 そこに何かしら伝えたいメッセージや主張などは、それほど無いのです(執筆の上でのポリシーとはまた別です)。 しかし様々な物語を通して、自分の中で未知との遭遇が起こることがあります。 私の場合は「想像以上に喪失を恐れている」ということがわかりま

          最初で最後(にしたい)の雑記

          【つぶ日記】noteでの小説更新、1話の適正字数が未だに掴めずにいる。過去作に比べてかなり少なく更新しているのだけれど、細切れ過ぎるのかしら?でもマーケティングの視点からだと、どの形態の作品も長過ぎは良くないのでしょう?令和。 分からないこと沢山。

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