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翻訳にまつわるあれこれ

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翻訳について、翻訳者としてのあれこれなど
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#翻訳

損したくないと思うことをやめる

損したくないと思うことをやめる

機械翻訳の台頭で、翻訳者は仕事がなくなる?などといわれたりもする昨今。

用途によっては機械で事足りる場合ももちろんあると思うけれど、一定以上のクオリティが必要とされる場面においては、まだまだ人間の手が必要だと私は感じている。

けど現実問題、単価は下がっていて。

これについて、自分を安売りしちゃいけないとか、安く請けることは後進のためにもならないという声が翻訳者から挙がっている。

私もギャラ

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女流とかセクシュアリティとか

女流とかセクシュアリティとか

原文中に引用があった場合、すでに世に出ている(定着している)日本語訳があれば、それに倣うことにしている。

ここ数日も、図書館で同じ本の違う版を3冊借り、分厚い3冊からたったひとつの文を探していた。

その本は女性作家の日記で、当時彼女は30歳前後。恋愛のこと、承認欲求のことが多く記されている。私も昔はこんな感じだったかもな、などとも思うけれど、それだけに、同族嫌悪というか、忌避したい気持ちになる

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生涯勉強

生涯勉強

読了、というか、解き終えた。

痛感させられたのが、私は右脳で訳しているということ。

「句」とか「節」とか「文型」とか、学校でやってたよねーとは思いつつ、ほぼ覚えていない、というか、意識していない。日本人として日本語を使う時に、句も節も文型も意識していないのと同じ感じ。日本に生まれた日本人なら日本語使えるのと一緒で、正解はわかるけど、その理由は説明できないことが多々ある。

結果的に正解なら大抵

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分泌業

分泌業

誰かが、「文筆業は分泌業」といっていた。

これはすごい名言だと思う。文章を書くということは、自分からなにかを分泌するような行為だと思っている。

これも誰かの言葉だけど、「鶴の恩返し」の鶴が羽を抜いて機を織るような気持ちで翻訳をしている、というのがあって。

それはわたしもよく感じている。身を削って紡いでいくような感じ。好きでやってるから、つらい、苦しいというわけじゃないんだけど。白紙に文字を埋

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訳文中の単位の変換

訳文中の単位の変換

第1校戻す。

訳文のなかに、日本では使われない単位(マイル、ガロン、ドルなど)がある場合にどうするか?

フィクションなら、原文の空気感を出すために元の表記はあったほうがいいと思う。それがどんな量なのかを把握するために、適宜日本の単位(メートル、円など)もあるといいかも。(必要に応じて。雰囲気が損なわれるようならなくてもいい)

ノンフィクションの場合は、元の表記なくてもいいかも?とも思う。ファ

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脱稿&

脱稿&

脱稿!
こちらの続きの第3巻。

これから長い校正作業に入るので、本になるのはまだまだ先だけど、ひとまず祝杯。

そんな今日は、注文していたリビアングラスが届いたり(明日つけてみる)、ブレスレットのラブラドライトが落っこちて割れたりもして。ひとつの終わりと始まりの日感。

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