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初海外旅行で一人で台湾に行ったら色々濃すぎた話。第3話

9、朝食とローカルフード

朝の8時頃。

昨日のパンイチペニーワイズとの死闘のせいで眠りは浅かったものの、1日目に比べたらよく眠ることが出来た。ベットから体を起こし、ロッカーから歯ブラシを取り出してシャワールームへ向かう。ついでに顔を洗ったり髭を剃ったりしてからロッカーに荷物を預け、台北の街へ歩き出す。

腹が減っていた。まだ何も食べていない。適当に散策してたら、何やらいい匂いがする。匂いの元を辿ると、地元の人々が朝早くから店の質素なテーブルを囲んで春雨のような麺をすすっていた。私も壁に立て掛けてあったメニュー表を指差しながらThis one please!と言ったが通じない。台湾語で色々話してくるが何一つ聞き取れない。おじさんが手招きして私を呼び寄せ、厨房横に置いてある3つの麺を指差し、どれが良いかと聞いてくる。一番細い麺を選び、席に着く。しばらくすると、おばさんが料理を運んできた。一つ50元(200円)。10元と書かれた小銭5枚をおばさんに渡し、食べてみる。あっさりしていて美味かった。麺は日本で食べる春雨よりさらに細く、ほのかに甘かった。魚の練り物?のような団子も美味しく、スープは薄味で物足りなかったのでテーブルの上にあったニンニクと、豆板醤を入れたらめちゃくちゃ辛くなって後悔した。

食べ終わった後は近くの寺院へ。ここも地元の人々で賑わっている。日本と同じように線香を立てるのだが、この線香がやけに長い。仏像も中々立派なものだった。長年、この地域の人々の信仰を受けて寄り添ってきたのだろう。私も旅の安全を祈願し、寺院を後にした。

10、「九份」へ!

朝食を食べ終わった後はホテルに一旦帰り、必要なものを持って準備した。今日は台湾に来たら絶対に行ってみたかった「九份」に向かう。MRTで忠孝復興駅まで向かい、また悠遊カードに100元ほどチャージしてから地上出口へ。台湾はかなり交通費が安い。日本の電車の切符が最低でも150円ほどだとしたら、台湾のMRTは100円以下で乗ることができる。さらに、悠遊カードはコンビニに行けばチャージしてもらえるのでかなり便利。コンビニのICカードチャージは日本でも導入されてほしい。

忠孝復興駅に着くと歩いてすぐに九份行きのバス停を見つけることができた。なんせ凄い行列だから一瞬で見つけることができる。列に並んでたら日本人の集団が多く並んでいた。日本人にとって台湾=九份のようなイメージがあるのは、ジブリの千と千尋の神隠しの影響だろう。九份がその聖地として言われているが、パヤオ本人はそれを否定しているらしい。

バスに乗り込み、悠遊カードをタッチするとトランプが配られた。最初、トランプゲームをして勝ち残った者だけが九份まで乗れるというデスゲームが始まるかと思ったが特に何も無かった。多分バスの人数確認のために配ったのだろう。奥の席に座る。窓の外を見ると、水で濡れていたので九份はきっと雨だと確信した。折りたたみ傘を持ってきて正解だった。後から知ったのだが、九份はほとんどの確率で雨らしい。行く人は必ず雨具を持って行くことをおすすめする。九份まではバス以外にMRTで最寄りの駅まで行けるらしいが、どのみちバスの乗り換えが必要らしいので最初からバスで行った方が楽だろうと思ってバスにした。時間も1時間半ぐらいであまり変わらない。

11、九份に到着!

16時頃、バス停に到着。

九份に向かう途中から雨が降り出したり、バスの運転が荒くて不安になったが無事に到着した。周りは湿気と霧に包まれ、多くの観光客で混雑していた。道に沿って坂を登って行くと、すぐにグルメやお土産が並ぶ基山街に行くことができる。途中で腹が減ったので、屋台で中に餡子が入った草餅を食べたり、店で小籠包を食べた。小籠包は8個で確か90元(360円)で結構腹に溜まるので必ず食べよう。かなりもちもちしていて美味しかった!

奥へ進むと分かれ道があり、右利きなので右の道に行くことに(適当)。まだ外は霧で曇ってはいるがかなり明るい。夕暮れまで時間を潰せる場所がないか探そうと散策していたら、雰囲気の良いカフェを見つけた。中を覗き込むと店員のお姉さんと目が合う。お姉さんが可愛いかったので此処で日が暮れるまで待つとしよう。可愛いは正義。

とも「Excuse me.Hot coffee please!」

お姉さん「Americano? Espresso?」

とも「Americano please!」

確か120元(480円)。近くの席で座って待っているとコーヒーの良い匂いがしてくる。お姉さんがトレーにコーヒーの入ったマグカップを載せて持って来ると、指を2階に指すので移動する。誰も居なかった。貸切である。テラスがあったので眺めの良い席に座ってお姉さんからコーヒーを受け取った。辺り一面が霧に覆われていて何も見えなかったが、晴れたらきっと見晴らしがいいだろう。車や人の声が雨粒一つ一つの中に吸い込まれて消えていく。静かな空間だった。こんな場所でのんびりコーヒーでも入れながら暮らしたい。

2時間ほど経っただろうか。辺りは暗くなり始め、私の隣にはカップルが座ってコーヒーを飲んでいた。そろそろ行くかと思って立ち上がろうとしたら、足元を何かが通り過ぎる。猫だった。黒と白の顔立ちがはっきりした猫だった。人馴れしてるのか頭を撫でるとニャアニャア気持ち良さげに鳴いていた。全然気付かなかったが、他にも猫が3匹ほどいた。お姉さんがたまにやってきて餌をやっている。外に出ると犬が入り口で雨宿りしていた。首輪をしていたので飼い犬だろうか。九份は犬や猫が多い。どうやら犬もむやみに雨に濡れたくはないらしい。何処に行っても猫や犬は可愛いものだ。私も濡れぬよう傘を差して観光スポットへ向かう。

しばらく歩くと観光スポットに到着した。観光客が思い思いにスマホを向けて写真を撮る。インスタ映えスポットってやつだ。負けずとスマホで写真を撮る。暗い雨や霧の中で爛々と光る赤い提灯はなんとも幻想的な光景だった。此処に来るまで色々あり過ぎたが本当に来て良かった!

19時頃にはもう店を閉めているところが多かった。お土産を買うなら早めがおすすめ。私は遅くまでやっているだろうと思って買おうと思った皮のパックを結局買えなかった。また来た時に買おう。

夜になると流石に山の中なので冷え込む。暖かい食べ物を求めて散策していたら、行列が出来ていたので並んで芋と小豆と白玉が入った暖かいぜんざいのようなものを買った。値段は忘れた。食べてみたが、結構腹に溜まる。さっきも言ったが台湾の料理はあまり量が無くても腹に溜まるものが多い気がする。

帰りは行きと同じくバスに乗って帰り、ホテルの最寄りではなく、中山駅で降りた。私がこの駅に降りたのには目的があった。せっかく台湾に居るのだから台湾の友達を作ろうと思ったのだ。ネットで検索したら台日交流barなんてものがあるらしい。私は酒は弱いが無類の酒好きである。台湾の酒が飲めて友達も出来るなんて一石二鳥だなと浅い考えを持って台日交流barへ向かった。

12、台日交流Cafe & Bar Kisekiで乾杯!

Googleマップを頼りに道を進む。結構歩いたので最寄りの駅を間違えたのかも知れない。9時頃、台日交流Cafe & Bar Kisekiに到着。中に入ると、カウンターには2人の日本人店員と奥にはダーツで遊んでいる人たちがいた。カウンターに座り、台湾ビールのクラシックやパイナップルビールを頼む。

店員さん「日本人の方ですか?」

とも「そうです!」

同じくらいの歳かなっと思って聞いたら私の一個下だった。ワーホリで台湾に来てここで働いているらしい。2人の店員さんにこの店の事や台湾のおすすめのお土産や場所、食事を教えてもらいビールを流し込む。味は日本のビールとさほど変わらないが、若干飲みやすい気がする。パイナップルビールは甘くて美味しい。

談笑していると眼鏡をかけた男性と女性が入って来た。私はかなり人見知りなので、あまり自分から話しかけたり出来ない人間である。今回も男性が話しかけて来てくれた。陽気な台湾の男性でかなり日本語が上手だった。日本に何度も来たことがあるらしい。私は気になっていたことを聞くことにした。

とも「台湾の男性から見て、日本の女性はどう見えますか?」

男性「凄い人気がありますよ!日本の女性は優しいですからね!」

同じくらいのタイミングで入って来た女性が少しムッとしてたのが、何だか可愛く見えたので話しかける。彼女は台湾人の学生で理系の大学に行っているらしい。店員さんと同い年だった。日本語は全然話せないよと言っていたが普通に会話できる。独学で勉強したと言っていたので驚いた。他にもドイツ人の学生や日本人の学生相手に家庭教師をやっているらしく、知的な雰囲気がある女性だった。

彼女や男性と楽しく話続けたらもう24時頃だった。日本の話や台湾の話。特に印象に残ったのは日本の九州が2人とも行ったことがあると言っていたので、台湾の人々の間で人気があるのかも知れないこと。日本では最近猫派が多いが台湾では犬派が多いらしいことや、話すことでその国の違いが出てくるのが面白かった。名残惜しかったが明日は店員さんから聞いたおすすめスポットに朝から行くために帰ることにした。ビール2杯で300元(1200円)。支払いを済ませ、彼女とインスタのアカウントを交換して男性と店員さんたちに別れを告げる。ほろ酔い気分でホテルへの帰路を歩いて帰った。台湾の生暖かい夜風が妙に心地よかったのを覚えている。

3日目終了

次回「台湾のウユニ塩湖!」



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