下田尾佐保

哲学エッセイ

下田尾佐保

哲学エッセイ

記事一覧

会話の記録9

下田尾佐保
1か月前
6

時代

 卒業アルバムの後ろにはニュースページがあって、学生だったその時代の世の中の出来事が見返せるようになっている。写真やニュースをみながら、その時代を懐古するときの…

下田尾佐保
2か月前
3

一つなのに

 一人で生きていくことはできないと思う。これまでも、一人になってしまったことは一度もなかった。  生きていくためには、ただ息をするだけではいけなくて、人生を歩ん…

下田尾佐保
3か月前
9

あなた

わたしはあなたではないし わたしにとってわたし以外はあなただし それぞれのあなたにとってわたしはあなたで みんなわたしでありながらあなたであって 決しておんなじにな…

下田尾佐保
4か月前
5

会話の記録8

下田尾佐保
9か月前
3

会話の記録7

下田尾佐保
10か月前
1

会話の記録6

下田尾佐保
10か月前
11

後悔

 選ぶことには覚悟がいるし、諦めることには気力を使う。選んだことが正しかったのか、その答え合わせはいつなされるのだろうか。  お兄ちゃんから「捨てようと思ってい…

下田尾佐保
11か月前
7

会話の記録5

4

なんでもいい

 風や波はどこから生まれるのかとか、どうして空の色はみる時間によってこんなにも変わるのかとか、そういうことが問いとして浮かぶことがある。  友だちと話していると…

4

哲学プラクティス連絡会公式機関誌『みんなで考えよう』第4号
思索の扉 タイトル『「意味」という概念から解放されるには』(2021年9月4日刊行)
https://drive.google.com/file/d/1hDfaCI8BptQp686XGlz4jd9aGFCkC5oU/view

2

会話の記録4

この日のさらにつづき

3

会話の記録3

 感覚の話をするのが、とても好き。わたしの輪郭が溶かされて、目に見えないものとして存在できる気がするから。 この日のつづき

6

会話の記録2

 世間からみれば益体のないことばかり、本当にそんなことばかり話す友だちがいる。会話のはじまりもなければ、終わりもない。思いついたことを思いついたときに、思いつい…

6

人はいつから独り言を言わなくなる

 『はじめてのおつかい』を観ていると、出演している子どものほとんどが独り言を言っていた。子どもの素直でたまに詩的な独り言は、可愛くて可笑しくていじらしい。そんな…

9

哲学ってなんだ

 いつの間にか哲学をすることをはじめていて、それからしばらくつづけている。哲学という言葉があることを知ったから「哲学をしている」と言っているけど、「哲学をする」…

25
時代

時代

 卒業アルバムの後ろにはニュースページがあって、学生だったその時代の世の中の出来事が見返せるようになっている。写真やニュースをみながら、その時代を懐古するときの心は少し不思議だ。"あのころ"のすべてがひとつのまとまりとして、まるで映画のように褪せた色合いを持っているように感じる。

 "時代"という言葉を私たちはとてもよく使う。「あの時代はよかったよね」とか、「そんな時代もあったね、懐かしいね」と

もっとみる
一つなのに

一つなのに

 一人で生きていくことはできないと思う。これまでも、一人になってしまったことは一度もなかった。
 生きていくためには、ただ息をするだけではいけなくて、人生を歩んでいくためには、ただ時間に流されるだけではいけない。命を維持するためにすべきことがあって、流れる時間に合わせてしておいた方がいいことがある。それは、体にいいご飯を食べることやよく寝ること、勉強をしたり何かに挑戦をしたりすること。そういうこと

もっとみる
あなた

あなた

わたしはあなたではないし
わたしにとってわたし以外はあなただし
それぞれのあなたにとってわたしはあなたで
みんなわたしでありながらあなたであって
決しておんなじになることはないのに
交わっている
交わっていると思っている
おなじ世界にいるようで
だれもわたしのみている世界をしらない

後悔

後悔

 選ぶことには覚悟がいるし、諦めることには気力を使う。選んだことが正しかったのか、その答え合わせはいつなされるのだろうか。

 お兄ちゃんから「捨てようと思っているテレビがあるけどいる?」と連絡があった。「もう持ってるから大丈夫」と返事をしたら、「サイズ大きいけどいらない?」と念押しをされて、迷ってしまった。電気屋さんから「ウォーターサーバーの機械をサービスで設置してもいいですよね?」と電話が来た

もっとみる
なんでもいい

なんでもいい

 風や波はどこから生まれるのかとか、どうして空の色はみる時間によってこんなにも変わるのかとか、そういうことが問いとして浮かぶことがある。
 友だちと話しているときに、「どうして痣ってあとからできるんだろう」とつぶやいたら、少し笑って「君のそういう、科学にも立ち向かおうとする感じがいいよね。別に科学的な答えが欲しいわけじゃないんでしょ?」と返されたのがうれしかった。私のつぶやきの本意を汲み取ってくれ

もっとみる

哲学プラクティス連絡会公式機関誌『みんなで考えよう』第4号
思索の扉 タイトル『「意味」という概念から解放されるには』(2021年9月4日刊行)
https://drive.google.com/file/d/1hDfaCI8BptQp686XGlz4jd9aGFCkC5oU/view

会話の記録3

会話の記録3

 感覚の話をするのが、とても好き。わたしの輪郭が溶かされて、目に見えないものとして存在できる気がするから。

この日のつづき

会話の記録2

会話の記録2

 世間からみれば益体のないことばかり、本当にそんなことばかり話す友だちがいる。会話のはじまりもなければ、終わりもない。思いついたことを思いついたときに、思いついたままに言葉にする。力を抜いて考えたことの記録でもあるから、文字に起こして残しておきたい。

人はいつから独り言を言わなくなる

人はいつから独り言を言わなくなる

 『はじめてのおつかい』を観ていると、出演している子どものほとんどが独り言を言っていた。子どもの素直でたまに詩的な独り言は、可愛くて可笑しくていじらしい。そんなところに癒されながらこの番組を楽しんでいたが、最近は視聴後に不思議な感覚が残るようになった。子どもの独り言は可愛く捉えられるのに、大人になるとそうとも限らなくなるのはどうしてだろう。確かに通りすがりの大人が急に独り言を言っていたら、少しびっ

もっとみる
哲学ってなんだ

哲学ってなんだ

 いつの間にか哲学をすることをはじめていて、それからしばらくつづけている。哲学という言葉があることを知ったから「哲学をしている」と言っているけど、「哲学をする」が何なのかをちゃんと説明できたことはない。
 哲学をしているし、「哲学をしている」と言っているから、周りの人からはよく「哲学が好きなんでしょ?」と聞かれる。だけど哲学が好きなのかどうかも、本当は自分でもあまり分からない。哲学をしていると楽し

もっとみる