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予期せぬ妊娠で産むのを迷っている方がいたら、伝えたいこと

私は30代後半で予期せぬ妊娠が発覚し、ひとり親として娘を育てている。未婚のまま子どもを産んだという点では、今よく言われる「選択的シングルマザー」なのかもしれない。

妊娠がわかった時、考えなくてはいけないことがあまりにも多すぎて、不安に押しつぶされそうな日々を送っていた。

もしかしたら似た状況の人がいるかもしれない、そして、そんな人に「今、意外と私幸せです」というのが届いたら、少しは楽になるかもしれない、と思って、このnoteを書きます。

5ヶ月半で妊娠発覚した私の話

生理不順で産婦人科にかかろうと思って、その前に「まさかね~」と思って妊娠検査薬を使って、くっきり陽性反応が出た時の衝撃はいまでも覚えている。

発覚したタイミングで、5ヶ月半。3ヶ月前に別れた彼氏の子どもだった。

翌日なんとか仕事をこなし、夜8時まで診察している婦人科を受診。診てくれた女医さんからは、呆れ気味に淡々と「気づかなかったの?!もう胎動感じてもおかしくない頃だけど…」と言われた。

確かに、最近、顔ではなくお腹にばかり脂肪がつくな…と感じていた。でもそれは年齢のせいだと思っていた。

お腹についた肉を解消しようと、フィールサイクルの体験に行った。体力は割とある方だと思っていたけど、前半20分くらいでバテバテだった。それは運動不足のせいだと思っていた。

そういえば、数ヶ月前、ご飯が食べられず、体がうまく動かなくて、フリーで受けていた仕事を急激に減らしていた時期があった。でも、それは不規則な生活で自律神経が乱れているのかと思っていた。

今から思えば、それはすべて妊娠の兆候。
本当に全く気づかなかった自分に、我ながら呆れる。

とともに、妊娠初期の不安定な時期、アラフォーのこれまた不安定であろう子宮の中で、激しい運動したりお酒を飲んだりと更に不安定度が増す環境下でよく頑張ってくれたなあと、、、生まれる前から子に助けてもらっていることを今とても感謝している。

妊娠が発覚して、別れ話をした後初めて元カレに連絡をして、すぐに会うことになった。結婚しようと言われたり、DNA鑑定しろと言われたり、いろいろ訳がわからない対応をされたのだけど、いろいろあって、認知も求めず、養育費も請求せず、一人で育てることに決めた。

産む決意をしても、不安が常につきまとう

じっくり考えて決めたように書いたが、本当のところは産むか産まないか、迷っている暇はなかった。初期中絶(妊娠12週=3ヶ月未満での中絶)は不可能だった。中期中絶は妊娠21週6日まで可能だが、その日付さえ過ぎている可能性が高かった。

私はいつか子どもが欲しいと思っていたし、この年齢で中絶したら次に自分の子どもにに会えることはないかもしれない。論理的には、産む決断をするべきだ、と思っていた。そして、何より産みたい、という願望は紛れもないものだった。

でも、その他の感情がまったく追いつかなかった。
一人で育てることの経済的な不安。物理的に手が足りなくなるであろう将来も容易に想像できた。仕事に関する選択肢も狭まるだろう。趣味の時間なんて向こう10年は取れないに違いない。産まれてくる子がどんな子かは、わからない。24時間付きっきりでケアが必要なタイプかもしれない。
そんな中、今までフラフラのほほんと自由を謳歌してきた私が責任を持って子育てできるのか。

どんなにネガティブ要素が出てきても、産むという決意は揺らがなかったのは確か。でも、不安は常につきまとった。

子育ては不確定要素が多すぎる

今思うと、それは「子育てには不確定要素が多い」ということが原因だと思う。
子どもの個性は産まれて来てからでないとわからない。保育園に入れるのかは抽選だ。その割には入れるかどうかによって親の人生は大きく変わる。
かかる時間も用意すべき金額も不確定要素が多すぎた。備えておくにしても、ダウンサイドが無限大なので、キリがない。

不安の渦に飲み込まれそうになる日々が続いた。
実際、泣きすぎて寝れない夜もたくさんあった。

でも、ある時気づいた。
「産まれてくる命を全力で大切にする覚悟はできている。だったら、あとは、問題が起こった都度、全力で対処していくしかない。不確定なことを悩んでいてもしょうがない。今できることを全力でやろう」

考え抜いたから、未来の自分を信用できるようになった

時間の余白を埋めて不安な気持ちをかき消す意味もあったが、とにかく、お金だけは稼いでおこうと、仕事を詰め込みまくった。
朝、資料を作った後、常駐先で仕事をし、昼休みに別件の打ち合わせをこなし、夜にまとめてメールを返す…。
それだけ仕事として疲れたはずでも、妊娠中のホルモンのせいなのか、夜寝付けない日も多かったが「今できることだけをやる。何か問題が起こっても、未来の自分がちゃんと解決できる」と思ってからは、不安の渦と少し距離を置くことができるようになった。

私は自分に自信を持てないタイプだったと思う。
今も、めちゃくちゃ自信があるわけではないが、でも、将来何か問題が起こっても、未来の自分がちゃんと立ち向かってくれるはず、という安心感はある。スキルとかスペックとかは何も変わっていないのに、心構えがこうも違うのは、自分でも不思議に感じることがある。

産むか産まないか迷っている方、産むと決意したけど不安でいっぱいな方へ

私が未来の自分を信用できるようになったのは、子どもを産むべきかどうか、私なりに真剣に考え抜くことができたからじゃないかな、と手前味噌ですが考えています。

だから、今迷ったり、不安でいっぱいだったりする方は、その真剣に向き合っている時間が、命に対する敬意だし、子どもに対する愛情を証明していると思います。

なので、悩んでいる時間のご自身を責めないでください。
パートナーに相談できない状況は本当に理不尽だし(私も苦しみました)、子どもに父親と一緒の生活環境を用意できない自分を攻撃したくなるんですが、その葛藤がそのまま子どもへの愛情になっているなと、今私は実感しています。

今予期せぬ妊娠が発覚して不安な方。

私はTwitterで似た境遇の方とお話してとても救われました。私でよければお話聞きますので、DMください。お話を聞くくらいしかできませんが、それで少しでも気分が和らぐなら。

産むか産まないか迷っている方。産んでも育てることができない、そうであれば、子どもを望むカップルへの養子縁組を相談することもできます。

パートナーに頼れず出産時のサポートがなく不安な方。寄り添ってくれる施設もあります。

妊娠を維持することが難しい方、お別れを選んだとしても真剣に悩んだ時間は決してあなたを裏切ることはないはずです。

私は市区町村のサポートや、妊婦健診で話を聞いてくれる助産師さんにもたくさん助けられました。
未婚シングルマザーの友人、結婚して子育てをしている友人たちにもたくさん話を聞いてもらいました。

行政は意外としっかりサポートしてくれますし(担当の方との相性はいろいろあるので「合わないな」と思ったら、別の担当者になるよう時間を変えて問い合わせしてみてもいいと思います)、困った友達を助けることが好きな人って意外と多いです。辛い時は思いっきり甘えて、自分に余裕ができた時に恩返しができたらそれでいいと思います。

だから、どうか、一人で抱え込まないで。自分を責めないでください。

そして最後にお伝えしたいのは、私は今、割と幸せなんです。もしかしたら、今まで生きてきた中で一番、メンタルが落ち着いているかもしれないくらい。
偶然が重なり今の環境がとても恵まれている運よ良さに感謝しなくてはならないのは大前提だけど、今の安定した自分があるのは不安の渦と戦った日々があるからだと思うんです。

だから、悩んでいるあなたも、時間はかかるかもだけど全力で考え抜いてください。自分のため、子どものためにどうしたらいいか。そして納得したら、ぜひ未来の自分を信頼してあげてください。きっと、どんな困難が起こっても、今真剣に悩んだあなたなら向き合っていけると思います。

なんだか上から目線になってしまってすみません。少しでも気持ちが落ち着いてくださったら、嬉しいです。

文:みわ

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