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私の働き方と生き方は誰がどうやって決めたんだろう

先日、会社のディスカッションでインターン生から
「40歳、50歳ってなると女性は転職諦めたり新しいことを始めるの難しかったりするじゃないですか」
という意見が出て、かなり衝撃だった。

30代後半の私でも、「今の時代やりたいことはいくつからでも始められる!」というセオリーはなんとなくあって、下の世代はもっとそうなんだとばかり思っていたら、今この時点から社会に出ようとする学生さんにそういうものが染み込んでるっていうのはなかなか考えさせられることが多いなと感じる。

では、なぜそう思うのか?
きっとその子の周りの40~50代がそういうことをよく口にしているからかもしれないし、もしくは見聞きしてきたものがそうだからかもしれない。

今の女性は生き方の選択肢が多いために、仕事やプライベート含め理想とするロールモデルも多様化している。
社会に出て、たくさんの先輩女性と知り合うことで、その幅は広がっていくはずだが、学生にはまだその機会が少ないため、女性の生き方=母やその周辺となるのは仕方ないのかもしれない。

同じような話で、母親が太っていると、将来自分も太ってしまうと想像できる(してしまう)のに対し、スリムな母親の子は中年になったからといって体型が崩れるとは考えないのだそうだ。

初めてそれを聞いた時、なんかわかるというか、妙に納得した。
私の母は出産前7号を着るような細身の女性だったが、私を生み、妹を生み、少し離れた弟を生むたび太っていった。
そして口癖のように私たちを生んだから太ったと言っていた。

それを聞かされていた私は、長女出産後はむしろ体型維持に尽力した。産前より細くなったくらいだ。
しかし、次女出産では完全に緊張の糸が切れ、産後太り街道まっしぐらだが、その時の言い訳は「お母さんもそうだったから」「2人目は仕方ないよね」。母と全く同じである。

しかし、私と母の決定的な違いは、私は兼業主婦で母は専業主婦だったこtだ。
また、子供に留守番をしてもらってでも自分の趣味(K-POPのオタクなので国内外のコンサートを駆け回る日々)を全うしている私に対し、母はとにかく家族のために尽くしてくれた人であった。家事や料理もパーフェクトで、今でも頼らせてもらうことも多い。

フルタイムで働く環境では、時間的にも物理的にも、私が母と同じように家事をこなすのは難しい。働くことで子供に我慢させていることもあるかもしれない。でも当然である。私は兼業主婦なんだから。

しかし、私の中にはいつも母の姿があって、母と同じように朝食には一汁三菜を用意し、なるべく手作りのものを食卓に並べ、とにかくきちんとした生活を保ちたいという思いが強い。
日常生活の中でも、頭の片隅から、家族の健康や幸せを願う母親が理想だと常にアナウンスしてくる。
そして私もそれが大切だと感じていて、限られたスキルと時間の中でも、そういう母でいようと思うし、できるところはそうするべく奮闘するのである。

体型と(?)家事については母をロールモデルにしているのは間違いないようだ。

しかし一方で、働くことと趣味のコンサート参戦を手放すつもりは毛頭なかった。
10年前、外野から「小さい子を保育園に預けるのはかわいそう」という決まり文句は散々聞いたし、私もそう思っていた。実際、当時は仕事以外はほぼ家庭と子育てに注ぐことで罪悪感を消そうしていたと思うが、どうしても働くことで得られるものが大きすぎて仕事を手放すことはできなかった。
口にはしない母でも私が家にいる方が安心したのかもしれない。

また、子供がある程度成長した今は今で、命をかけてコンサートに参戦している。海外で浴びる熱気とオーディエンスの一体感、ホリックはやめられないし、私の生きがいである。私がそんな風にコンサートに勤しむ姿を母は時折苦笑いで見ているようだ。(あまりにも行き過ぎる時があるため)

だから、母を尊敬し母を模倣したいと思う一方で、私は私なりの生き方を全力で手に入れようとしているのだと思う。

そうだ!私は母を師範としつつ、現代で見聞きしたものを自分で判断し、自分の道を選んでいるんだ!

…と、拳を握りしめた瞬間、ある人物が頭に思い浮かんだ。

父である。

公務員として40年間働いた父。
母が昔、「お父さんはアンタ達が生まれても生き方を変えなかったのよ!好きなように飲みに行って、好きなことをして!」とぼやいたことがあった。

家を常に守ってくれていた母を前にしたら、ぐうの音もでない言葉である。

私たち子供からすると、父はよく遊んでくれたし、基本は家にいて色んな思い出を作ってくれた。父といるのは楽しかった。一方で仕事は家族のために頑張っていたし、とにかく家族をとても大切にしてくれた。が、確かにおっしゃる通りやりたい趣味はやっていたように思う。
今も嘱託で勤務しながら、バイクにテニスに色んな趣味に没頭中だ。

だから、話を戻すと、私は社会に出て結婚し、母になる過程で、自分探しをきちんとやってるように見えて、実は両親2人を理想としロールモデルにしているだけなのかもしれない。

私の中で断言できない限りは、白黒はっきりすることはできないが、いずれにしても母の母たる生き方、父の生き方を幸せだと思っていることは間違いないのだと思う。

筆者:ミイ




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