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第7回 恋をすると人間になってしまう(大澤→丸山)

丸山さんこんばんは。なんだか素敵な取り組み(企み?)を始められたようですね。しかも南武線の谷保!以前お話しした、娘とご飯に行ったレストランがある地域ですね。

谷保、東京にあるのになんだかのどかで、人のローカルな往来と息遣いがあっていいところでした。

この往復書簡をお読みいただいている皆さんもぜひ、Kunitachi Art Center 2023にぜひ行ってみてください!詳細はこちら↓

DIYの妄想

札幌はまだ三寒四温といったところで、今日のように暖かい日もあれば、先週の金曜日のように肌寒い日もあったり。私もちょっと週末体調を崩してしまいました。

鮮やかなピンク色が好き
桜の花びらがたまる道

でも出歩けば桜が散り始め、若葉が出て春の気配に幸せな気持ちになります。ぼんぼりのようでかわいい。

最近は「もしもう一度一人暮らしをするならどんな家にするか?」という妄想をして息抜きや現実逃避をしています。

古い中古のマンションを札幌に買って、水回りをリフォームして、そこから少しずつ私もDIYしてみたいなあ。Twitterに細々とその妄想を書き連ねています。

ちょっと昭和感を残しながら、民芸をミックスしていくインテリアにしたい。40歳ころまでにお金を貯めて、計画を実行していきたいなあ。

「関わり方」と「関わる深さ」

今年の夏くらいに「働き方」「仕事を作る」ことをテーマに人前でお話しする機会がありそうなのと、ちょっと仕事で思い悩んでしまって体調を崩したこともあって、いろいろ考えさせられた週末でした。

私は博物館に対して、自分のような関わり方しかできないことを後ろめたく思っている節があります。ある種の軽薄さを売りにしているので、自分のやり方では何の解決にもならない、誰も救えない、業界のためにならない…と自分で自分に後ろ指を指す状態が長く続いていました。

ミュージアムショップやグッズは資本主義の犬だから。
そんな葉先の些末な研究をしても意味がない。
所詮、本質的な博物館の事業じゃないから。

学生時代からこんなふうに長く批判され続けて、いつの間にか心の中に澱がたまってきているなと。

でもなんか、最近こんなふうにちょっと開き直り始めて。人それぞれにかかわるスタイルと立場があって、どこまで関わって引き受けて受け止めるかの深度も異なる。そりゃそうだよなと。

いやだって無理だもん。私に全部はすぐに救えない。それぞれに役割があって、向き不向きもある。解決できることとできないこともあるし、スーパーマンじゃないんだわ、と。

全部を解決しなくてもいい。私にできるのはここまで。でもできる範囲のことはベストを尽くす。そう考えたら少し楽になりました。

いつまで子供の頃の優等生ちゃんと責任感を、小さな体に背負い込もうとしているんだと。逆におこがましいな!と思って。

なのでもう最近は、ダメになってしまう前にちゃんと自分を守って、できる範囲のことを誠実にちゃんと頑張ろうという気持ちでいます。今日はそんなことを考えて、少し復活した日なのでした。

スタイルと立場が自分を作り、好きなことにずっと関わっていられる人生を作るんだなと実感できました。このあたり、多彩な活動をしていらっしゃる丸山さんのお話も聞いてみたいな。

今日のタイトルはこちらから。娘に教えてもらった曲です。

「恋をすると人間になってしまう」という歌詞が秀逸ですね。

恋をすると獣になってしまう、理性を忘れて夢中になってしまうような表現はよく聞くのですが、むしろ自分の人間としての汚さやどうしようもなさが浮き彫りになってしまう。恋というのは、自分が人間であることを再認識する活動ですね。

最近はZETA DIVISIONのDep選手に恋をしています。LOVE!

大澤夏美より


丸山晶崇(株式会社と)
東京都生まれ。デザインディレクター/グラフィックデザイナー。2017年に株式会社と を設立。地域の文化と本のあるお店『museum shop T』や、千葉市美術館ミュージアムショップ『BATICA』など、ショップの企画・運営もしている。アート関係の仕事や地域の仕事を進めると共に、公開制作・展示・アーティストとの共同企画など幅広い活動を続ける。「デザイナーとは職業ではなく生き方である」をモットーに、デザインを軸にしたその周りの仕事を進めている。長岡造形大学非常勤講師。

大澤夏美(ミュージアムグッズ愛好家)
1987年生まれ。札幌市立大学でメディアデザインを学ぶ。在学中に博物館学に興味を持ち、卒業制作もミュージアムグッズがテーマ。北海道大学大学院文学研究科(当時)に進学し、博物館経営論の観点からミュージアムグッズを研究し修士課程を修了。会社員を経てミュージアムグッズ愛好家としての活動を始める。現在も「博物館体験」「博物館活動」の観点から、ミュージアムグッズの役割を広めている。

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