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【白猫】 詩#28

 四つ葉のクローバーを見つけたと
 嬉しそうにはしゃぐ子供の声がする
 それをむしり取ってまた別の子供に見せる
 小さな幸せの輪が広がっていく

 どうすればあんなふうに
 幸せを招くことができるのか
 膝に乗る白猫に訊いてみたけれど
 ごろごろと喉を鳴らして眠るだけ
 
 しばらくすると
 膝で眠る白猫を優しく撫でにくる子供
 白猫はというと
 気にも留めずに眠っている

 さっきまで嬉しそうに持っていた
 四つ葉のクローバーが無いことを
 子供はというと
 気にも留めずに立ち去った

 手にした幸せは忘れていくものなのかと
 私は気に留めて白猫を見てみれば
 前足の上に置いてある四つ葉のクローバー
 白猫はというと
 気にも留めずに眠っている

・・・

 最後までお読みいただきありがとうございます。


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