前向きに開き直ってみよう


そもそもデミセクシャル自体が2017年に定義されたようで、私も知らなかったように認知度もすごく低い。ネットで検索してもそんなに多くの記事はヒットしない。

私は長年、自分の性質を「蛙化現象」だとずっと思っていた。

蛙化現象とは、初めは自分もその人に好意を寄せているのに、相手からの好意を感じると何故か生理的に無理になってしまうというような現象。その根本的な原因は自分に自身がないからだと言われていて、私は自分に自信のない人間だったし、この現象に当てはまっていると思っていた。

しかし、年齢を重ねるにつれて経験も増えて更にワーキングホリデーを通して周りと比べることがなくなってきてから少しずつ自分に自信がついてきた。私は他の誰にもなれないし、なる必要もない。特別なスキルがなくても美人でなくても自分で自分のことを好きだなと思えるようになった。そうなった今でも、恋愛関係を始めることはなんだか怖い。きっと秘境でバンジージャンプに挑戦するよりも勇気がいる。

そしてデミセクシャルのことを調べている時に、デミセクシャルと自認するアメリカの女性が残した言葉を見つけて、心底共感した。その一部が、「誰かが私に恋愛感情を持っていると知ると、深い不安に襲われ、他人と関係を持つことを躊躇させた。」というものだった。まさにその通りだと思った。関係を進めてしまうことへの不安が払拭できない。相手が私を性的に見ているというその感覚が怖い。私はその感覚を持ち合わせていないから。

でも考えてみると、私は相手のその感覚を理解しようとしたこともなかった。自分のこの感覚が何なのかすら分かっていなかったから、向き合ってもいなかったし、相手の気持ちを考える余裕なんてもちろんなかった。けれど今は、自分で自分のことが分かる。何となくだけどゆっくりだけど言葉で説明できる。

私のセクシュアリティは少数派だ。少数派のことも理解して欲しいと思うばかりだったけれど、少数派の私が多数派のことを理解することだって必要だ。分かり合えなかったとしても、分かり合おうとしてみることで気付くこともあるかもしれない。受け入れることから始まる。

難しいと嘆くのではなくて、前向きに開き直ろう。そうすれば何か新しいものが見えてくるかもしれない。







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