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バイト歴史 時々クビ♫ 東京・NY

かなり昔の事なので、もう笑うしかない?社会性に欠落していた(その自覚がなかった〜)半人前の私の行き当りばったりのバイト物語。東京とNY、思い出と感謝と、反省と…あとなんだろ?モロモロです。

☆家庭教師

離婚しているバレエ教師の女性が、有名私立小3年の1人娘(美少女)の成績が下がって困っていると頼まれて週2日していた。都内の駅近くの一軒家、母であるバレエ教師の彼女も1人娘で両親(老父は地元の小学校校長)との同居。訪問するたびに入口の石門に埋まった表札の元旦那の部分がノミのようなもので力まかせに(相当な怨み?)ほじくった無残な跡にヒヤリ。大学生の私には刺激が強め?ちょっと緊張した。離婚の経緯など聞けるはずもなかったし高級プードルの走り回る家の中で「それだけは禁句」という事だけは理解していた。ある日、子供部屋の扉を閉めた途端、小3の彼女が歓喜して激しくジャンプ♫嬉しくて嬉しくてたまらない「やった〜やった〜❤️」パパからの手紙でコロラドから一時帰国すると言う。見た事ない弾ける笑顔と大興奮で勉強なんて全く手につかない。「パパに会える!パパに会えるのよ、やった〜!」友人のような私に家族には見せない本心が出る。「バレリーナになるって言うと、ママとお婆ちゃまがとっても喜ぶの。だから練習するんだ」未熟者だった私は、彼女の母とのお茶時間にポロリと口を滑らせてしまう。「えーっ?Σ(゚д゚lll)」母はショックを受け娘を強く問い詰めることに…。あちゃ〜いつも大人に気を使ういたいけな子供を裏切ってしまった後味の悪さ、息苦しかった。

☆ステンドグラスの下絵描き

大学生で忙しく、時間を拘束しない持ち込みバイトは当時の私には有り難かった。自宅で描いた花びらが舞う絵や、二つ返事でサラサラ描く受胎告知の絵とか出来るとまとめて鋳物(いもの)工場へ届けに。女子大生には独特過ぎる古びた工場街で、兄が車で送ってくれ(車内待ち)下絵を届けに行き、人はいないものの暗くガチャンガチャン機械音がする工場の中の一室で待たされること40分、ようやく担当者が来て話しているとドアをノック🚪兄が心配して見に来た。
「あ、兄です。心配してくれたみたいで、すみません」
「なんだ仕事に男を連れて来るとは、今の大学生ってやつは。帰れ」
吐き捨てるように言われ…
「あんな場所に行かなきゃいけないバイトなんてやめちまえ」車内の兄は怒るし、バイトそのまま終了。

《ここからNY、昔の私のあだ名は「宇宙人」今思えば、怖いもの知らずド天然だった頃》

☆NYの日本の本屋

アートスクールの並びにいつもいつもバイト募集の張り紙がしてある日本の本屋があった。日本から輸入した雑誌や新聞、本の他、英訳された日本文学書やら和訳された絵本など、日本の定価の2倍で売られている。
店にバイトしたいと言いに行くとアメリカ感ゼロ?ガラガラ声で荒い話し方の(英語は無茶苦茶な発音だけど強引な)雷おばさん風の女主人が出て来て「明日から大丈夫?あとはレジにいる(マジメ男子)あの子に聞いて」番台のような少し高くなってるキャッシャーを指差す。荒々しい女主人がいなくなり、覇気のない古株バイト女性がもう1人来てそのおとなしい2人が言うには
「ここ(店内)に時々若めの男の人がいることがある。ビックリするとは思うけど、絶対見えないとは思うけどあのオーナーの…若い旦那さんなんだ。その人が(目の前に)いても見てはダメ、声をかけてはダメ。いやその人は普通の人ではある。でもここで働くそれは絶対条件なんだ」
「ええっ(゚ω゚)??なんでなんで?挨拶もですか?えーっ話しかけられた場合は?えーっぶつかったら?」
なかなかその不思議すぎる話が私には理解出来ない。
「ともかく絶対なの。だからいつも募集してるんだよ。俺たちだって嫌だよ…いい?確かに言ったからね」
オーナーは浅香光代とサッチーを合わして、オシャレと高級感を引いた感じの人で誰も近寄らないタイプ、若い男?まさか、想像出来ない…
数週間して初めて朝井リョウ?若い頃の森本レオ?似の色白な優しい風情の男性を見つけた。「あの人?噂の?…旦那さん?まさか…えっ?はっ?」幻のように奥の本棚と本棚の間に見えた。女主人と近寄るわけでも話すわけでもなく、ただスーッと立っている。不安的中しばらくして私はやっぱりやらかした。他のバイトの人と挨拶してる時に、うっかりその人にも「おはようございます」と。その人はニッコリ静かに微笑んで「おはようございます」と返した。ただそれだけ。女主人はそこにいなかったはずが、翌日私は「もう来なくて良い」バイト代の小切手を渡されクビに。ヒヒーッ!

その数年後、新聞で彼女がロリコン写真集を闇販売し逮捕されたと知って驚いた。妙にモジモジした白人男性客が来た時は「私が担当するから来たらすぐどけ!(キャッシャーの場所から)」と言われていたあれだな?アメリカは昔から子供に対しての犯罪にはとても厳しい。その販売における脱税も露呈して書店は閉鎖されたと聞いたのは私がNYを後にしてからでしたが。

☆花屋でスカウト(断る)

お世話になっている知り合いの奥様の誕生日にSOHOというオシャレエリアの1番流行りの花屋でチューリップの蕾を20本の花束にしてもらう。だが、やけに手間取りやたら時間がかかり、よく見ると店員の手先がとても不器用。業を煮やしたセッカチな私が
「違うわ、まず揃えて根元をゴムで留めましょう…いやもう少ししっかり」
「ん〜こう?難しいなぁ」
「ほら、ロバートメープルソープ(上の白黒写真/NYの有名写真家・AIDS死)みたいな花の感じよ」
「えっ誰?え〜知らないなぁ(店員全員キョトン)」
「ねぇお願い、君がやってよ」
で、私がカウンター内に入り花束を見様見真似に普通にシンプルに作ると店内の大拍手👏👏👏👏
「わぁ〜すごいね」
「すごくなんてないわよ。日本の数千軒の花屋は、どこだってこれくらい出来るわよ!」
「えーーんっ?😁😏🤨😼ホントかーい?数千軒ん?えーっ❤️(ニヤニヤふざけてる)」
「こんなの普通!あなた達は花屋でしょ?練習しなさいよ。」
(怖いもの知らず生意気MAXだった〜)すると奥から店長がでてきて
「ねぇ君、ウチで働かないか?労働ビザなら出す。すぐ来て欲しいんだ」
まさかの熱烈オファーを本気で受ける。ド素人の私に?天下のNYが?はぁ?ふざけすぎ、レベル低すぎ?丁重に断る。
「気が変わったらいつでも来てね〜」
社長に見送られながら大きな花束を抱えて帰った。本当の話。

☆オフィスエントランスでの彫刻展の受付(見張り)

知り合いの彫刻家がとにかく強引で、広いエントランスの沢山の彫刻を展示するアートウィークの朝の担当者がいなくて困ってると言い「朝が苦手で本当にダメなんです」何度言っても「そんな理由で?いいから大丈夫だから💢とにかく行って」結局断れず、朝たくさんの人達がオフィスへと急ぐそのエントランスの片隅にただ座っている辛いバイト。寒さからの暖房で案の定ひどい睡魔に襲われて私ときたらうつらうつらz z z  段々大胆になってコックリコックリ z z z
すると目の前に烈火のごとく大声で怒る女性が(゚ω゚)ハッ…
「あなたは責任感がなさすぎます。きちんと仕事をまっとうすべきです!」
ビルを利用する通行人だけど私の様子が目に余るとひどく怒られた。アメリカ人の正義感の強い人は本当にいつも毅然としている。やば、やっぱり引き受けなきゃよかった〜と後悔しつつ日程を何とか終了。
私の次の期間のバイトの時に、なんとそこで彫刻が昼間に盗難にあったと彫刻家の妻から聞いてビックリ。
「あなたの時じゃなくて本当に良かったわよ〜うふふ」
あんな彫刻、昼間っから盗むか?さすがNY?と思いつつ、私のせいだったらどうしよう…胸がチクリ反省した。

長くなり過ぎたので、このあたりで。また続きは後日に。

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