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お母さん!離婚します!!

私の中学の時の机の引き出しには、真っ黒になるまで
「死ね」
と書いてあった。書いた記憶は無い。

いつの間にかその真っ黒な机の書きなぐった字が、私の字ではないけれども、殺(メイ)だと思い少し笑う。
もはやJOJOのスタンドだよねw
他人格に期待する私はやはり幼稚だった。

私に強力な力が、両親を確実に苦しませる仲間が出来たと錯覚した。


ある日、ちょっとした事でリビングで皆見ている前で、生理痛が酷く、「生理」を隠していた私が痛さで旺文社の問題集の途中、かがんで居るのを見た父親は、「居眠りしているのか?」と思わず我を忘れ怒りのSwitch入り私を思い切り殴った。それはいつもの事なので、平気で続きの問題を解こうと鉛筆を削った時に、母親は初めて殴っている現場を目の当たりにし、また私を殴ろうとしたのを

「お父さん!やめてください!」

間に入り代わりに殴られた。母が倒れる。
相当痛かったんだろう。あとは初めて手をあげられたんだろう。10歳離れた弟も居た(後に彼のエピソードも書きます)ので、あまりの怖さに泣き出した。


狼狽え涙を流しながら「離婚します!!子供達着いてきなさい!!」

一通りスーツケースに色々入れて、弟2人はしがみつくように母に着いて行った。

キッチンに移動して見易い場所に腰掛け直し、生理痛の痛み止めを飲みながら、その様子を他人事のように眺めていた私は、父が土下座して、

「お母さん!申し訳ない!頼む、二度としないから、行かないでくれ!」

弟2人が泣き出す。

母が
「優?あなたも来なさい、何をして居るの」


馬鹿馬鹿しい。1回殴られたくらいで何を言っているの?どうせ1週間もすれば戻ってくるしか無いくせに。茶番劇が可笑しくて、私は

「お父さんと居る、私は。お父さんといれば、出世してお金に困らないでしょ?大学だって行けるし、あなたに母子家庭なんて出来ると思えない。失せてください。お好きにどうぞ。」

父親が驚いて私を見た。


母親は本当に出て行った。直ぐに離婚届が送られてきて、本当に離婚する気無いくせに、女ってこうやって気を引くんだ、ウケる‪w‪w‪


父が泣き出した。父が泣いたのを初めて見て、
「お父さん、歯車は回ってますか?私とずっと一緒に居ましょう、そして、私はお前を死ぬまで苦しめて苦しめてそうだな…」

初めて父親に逆らう。

「お前なんて死ねばいい!みんなに捨てられて、孤独で乞食のように彷徨えよ!生きてる価値がないのはお前もだ!お前だけ地獄へ堕ちろ」


父が土下座したまま私を見上げる。
ギリギリと歯ぎしりをする。
殴られるサインだ。その歯ぎしりは。


私は
「やれよ!!殴れよほら!殺せよ!!いつものように嬲って引き摺り姦せよ!」

父が私をまた見上げて慄いた。
土下座したまま、私を見ている目。
少し震えている。その目は忘れたことが無い。


私は可笑しくて可笑しくて笑い声を上げながらまた殴られた。このまま殺してほしいと本当に思った。私の心はもう後戻り出来ない程壊れていた。

笑って笑って
横たわりながら
涙が頬をつたった。
「こんな家族なんて無くなればいい…。いつまで、いつまでここにいればいい?どうせ母は戻ってくる。頼むから、頼むから私を思うなら解放して欲しい……」

痛みを感じた。
私自身が受けた痛み。


卓(たく)……。もう会えないね

エオリアンハープの楽譜から引用

横たわって動けなかった。
ぼーっと外の庭を見てこんなに綺麗な花が咲いているのにどうして私ばかりこんな目に逢う?

現在の実家の庭
薔薇


そして案の定母が1週間後帰ってきて、通常の生活に戻った。

母が、女を出さなければこんな事にならなかったのに……。
父は勿論の事、今度は母の「女」の部分を見て吐き気がして、私はまたスっと戻り、復讐の為に起き上がった。

そこには憎しみと哀しみしか無かった。それを糧に生きてまた復讐計画を立て、綿密に、間違いなく社会的抹殺を……。
震える手で、教育委員会の名簿を握りしめた。


最後までお付き合い下さり大変ありがとうございます。


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