デザイン経営④~イノベーションの冒険~
Pomoloです。新規事業やコンサルティングを行っています。
デザイン経営の実践として、前回に引き続き、「イノベーションのためのデザイン」についてお話しします。
これはいわゆる新規事業創発の方法論として本などで紹介されているものにも近いかもしれません。私も田所さんの「起業の科学」などは何度も読んでいます。
ここでお話しするのは、私の経験やいろんな方から聞いた話を統合したものです。
イノベーションのためのデザインのプロセスには次のようなものがあります。
プロセスとしては、
・戦略デザイン、スペキュラティブデザイン
・ユーザ調査、市場調査、テクノロジー調査
・アイディエーション
・コンセプト策定
・プロトタイピング
マインドセットやTipsとしては、
・不確実性とどう向き合うか
・発想と実装の橋渡し
・組織組成
といったところが語られるべきかと思います。
少し「経営」というには現場寄りの話になりますが、ここでは各論を話します。
「経営」目線でこういったプロセスを実行するにはどんな仕組みや組織、人材育成が必要か?といった視点で読んでいただければと思います。
プロセスの方は方法論にもなってくるので、それぞれ詳細は書籍やウェブ記事などに譲るとして、ポイントをいくつかあげます
(戦略デザイン、スペキュラティブデザインについては前回の記事に書いています)
まず、ユーザ調査、市場調査、テクノロジー調査と書いていますが、デザインは結構調査を重んじるというのが私の感覚です。
水野学さんなども「センスは知識からはじまる」などと言われていますが、デザイナーの方々もかなり情報収集や分析にはパワーをかける場合が多いです。研究者にも近いものがあります。
仕事でやる以上そんなものかもしれませんが、デザインのプロセスでアイディエーションなどの感覚的なワークをしている印象があるかもしれません。しかし、その裏には膨大な調査に基づく裏付けがあることにも注目しないといけません。
調査の観点は、ユーザー視点/ビジネス視点(収益性)/テクノロジー視点(実現性)などがあり、そのバランスを取ることが肝要ですが、バランスを重んじすぎて中途半端な検討にならないようにします。
お互いにトレードオフの関係のものがあるからです。
各観点ごとに一度は片寄って考えるのが必要だと思います。特にユーザー視点は一度収益性や実現性を度外視してどんなサービスやプロダクトが必要なのか突き詰めてみると、この先でぶれないと思います。
ユーザーのインサイトを考察して、何が提供価値になるのかをとことん考えます。
この辺はいろんな観点を行ったり来たりします。ブランディングのためのデザインで考えたパーパスにまでも立ち返って見直してもいいです。
あらゆるパラメータが決まらない状態を耐えて堪えて走り抜くことがデザインの妙だと思います。
そうやって調査~アイディエーション~コンセプト策定~プロトタイピングまでを反復的に行っていくなかで、新しいサービス・プロダクトのコアが結晶化してきます。
その瞬間は突然訪れます。
その結晶化の瞬間を迎えるには不確実な状況のなかで、自分たちの北極星は何か?を常に考え続ける必要があります。。
さて、ここまでがデザイン経営におけるイノベーションのプロセスです。
少し現場の営みに寄ってしまいましたし、私のオリジナルの部分もありますが、イメージを持ってもらえると嬉しいです。
次回以降で、今回も少し触れた不確実性との向かい合い方などについてお話しできればと思います。
もう少し経営の視点に立ち返って組織論なども話したいです。
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