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読書記録15 うつ病九段

『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』著者:先崎学さん

先月にドラマを観てから、本も読んでみたい!と思って遂に読むことができた作品です。

自身のうつ病体験記をあるがままに表現していて、純粋にすごいなと思いました。

私の読み方としては、読みながら自分と比べるという感じでした。私ははっきりとうつ病だと言われたわけではありません。抗うつ薬を処方されたこともありません。うつ病ではなく、うつ状態が続いている人なんだと思います。それでも、わかるな〜というところは多くありました。

始めから終わりまで先崎さんの言葉なので、すらすらと読みやすかったです。ただ、つらい症状が出ている前半部分は読みながらたいへんエネルギーを使ったのを感じました。それでも読むのをやめたくないと思う自分もいました。結果、2日に分けて読みました。それでもだいぶ早く読んでいますね。

精神科医である先崎さんのお兄さんが、必ず良くなりますと伝え続けていたというのが良かったです。自分が言われているでもないのに、なんだか自分にも言ってくれているように感じました。これから毎日自分に言い聞かせていきたいです。

うつ病になって将棋から離れたプロ棋士が、将棋で自分を取り戻すというのは本当にすごいと思います。逃げたくなってしまう人もいるだろうに、勇気のある人ですね。

それに、こうして記録に残して世に出してくれてありがたいです。正直、この作品はうつ状態が重い時に読むのは辛いと思います。しかし、うつへの理解がない人や、あまり知識がない人にはすぐにでも読んでもらいたい作品だと感じました。詳しく知ることができます。その入門編としても、ドラマ版はとても良かったです。

内容とは関係ありませんが、文字の話です。余白の幅と、字と字の間が心地よく、他の本に比べて読みやすく感じました。長い文章を読むのが大変な人にもやさしいつくりになっていると感じました。本をつくるにあたって、文章の見た目というのもとても重要な役割を果たすことを再認識しました。

読めて良かった作品です。今よりもうつ病を理解しようと思う人が増える世の中になりますように。

ありがとうございました。ぽくこ

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