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おすすめの詩

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今週の詩、おすすめの詩のまとめです。
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#今週の詩

今週の詩|世界でいちばん短い詩「冬眠」(草野心平)

今週の詩|世界でいちばん短い詩「冬眠」(草野心平)

こんにちは。詩のソムリエです。

今週の七十二候は「熊穴にこもる(くま あなにこもる)」。
北風びゅうびゅう吹いてきて、人間も冬眠したいような季節ですね。

今日は、「冬眠」というタイトルの、「世界でいちばん短い詩」を紹介します。

読めない詩?草野心平(1903-1988)による、こんな詩です。

「冬眠」草野心平
                ●

・・・

はい、「●」だけの詩です。
「え

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今週の詩(処暑)│此處で人間は大きくなるのだ(山村暮鳥)

今週の詩(処暑)│此處で人間は大きくなるのだ(山村暮鳥)

こんにちは。詩のソムリエです。

今週のはじまりは、禾乃登(こくもの すなわちみのる)。
このあいだ、近くをぐるっとドライブをしたときに、稲穂の波を目にしました。黄金色の稲がびっしりと埋め尽くす田んぼの姿は、ほんとうに美しい…
惚れ惚れとしてしまいます。
海や山とは異なる美しさです。

今週の詩は、実りの秋の訪れにちなんでこちら。明治・大正期の詩人 山村暮鳥(やまむら・ぼちょう 1884-1924

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今週の詩(処暑)|「秋のひかり」(八木重吉)

今週の詩(処暑)|「秋のひかり」(八木重吉)

おはようございます。詩のソムリエです。

あっという間に、8月の終わり。どんな夏をすごされましたか?
すっかり涼しくなった風や虫の音に、秋の訪れを感じますね。巨峰や梨が今年は当たり年のようで、体の中もだんだん秋にシフトしていっています。

今週の詩は、八木重吉(やぎ・じゅうきち 1898-1927)の「秋のひかり」という短い詩です。

「秋のひかり」

ひかりがこぼれてくる
秋のひかりは地におちて

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今週の詩(大暑)|The Rainbow

今週の詩(大暑)|The Rainbow

おはようございます。詩のソムリエです。
毎日暑いですね!

暦のうえでは大暑(たいしょ)、大雨(たいう)時々に降る。
まさに昨日、福岡ではにわか雨がざっと降りました。
今週は「虹」の詩を紹介します。

子どものような瞳で。ワーズワースの名詩The Rainbowきのうのこと。
わたしが部屋でPCに向かっていると、パートナーから「めぐみさん、虹を見ませんか」と声がかかりました。

書斎を出て、窓から

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今週の詩(小暑)/「雨の来る前」

今週の詩(小暑)/「雨の来る前」

おはようございます。詩のソムリエです。

今の暦は「小暑(しょうしょ)」。梅雨明け、暑さがどんどん強くなっていくという意味。この日から暑中見舞いを出しはじめるそう。(「暑中」というのは、小暑と大暑のあいだだから「暑中」らしい👀)

そこで、詩のソムリエから暑中お見舞いをみなさんへ。伊藤整(いとう・せい)の「雨の来る前」です。

「雨の来る前」

ざあっとやって来いよ 夏の雨
地上のすべてのものは

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