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トロイ Indoor Museumとインフレの怖さ マルマラ海沿い街道の旅★2019(16)

トロイの遺跡でOutdoor MuseumもIndoor Museumも入場料が同じ42 TLだったので、少々混乱し、入口で「俺はもう払ったぜ」と言い張りましたが、別料金とわかります。両方一緒に買えば多少の値引きがあったようです。
どちらがコスパがいいか、といえば普通は《シュリーマン気分》が味わえるOutdoorの方でしょうが、8月初めのこの日は異常な暑さのため、Indoorの冷房は地獄に仏でありました。

トロイといえば、ブラッド・ピット主演で大ヒットした映画を紹介しておきます。予告編バージョン(↓)では、《木馬》は一瞬だけ出てきます。

チャナッカレの港に設置されていたのと同じ《木馬》が映画の中で大活躍するシーンはこちら(↓):

Indoor Museumの中は、ここの遺跡や近隣のミケーネ文明の遺跡から出土した石棺、甕、彫像などが展示してあります。

Museumの前に並べられた石棺。王様クラスでしょうか。
ここで発掘された尖底土器。土器の底が尖っている円錐形で、尖った部分を土に埋めると安定する。日本の縄文土器にもこの特徴を持つものがあります。
大理石の彫像の数々
門番のような役目の彫像?
Indoor Museumの屋上からはトロイの街が見える。
この町を散歩し、昼食を取ることにした。

博物館の屋上から見ると、トロイの街は戸数にして100戸ぐらいでしょうか。
徒歩で行けそうなので、街を歩き、昼食を取ることにしました。
ほとんどの観光客は、大きなホテルもあるチャナッカレからバスでトロイに来るようなので、土産物屋が道沿いに何軒かあるだけですが、小ぶりのペンションやキャンプ場はあるようです。外国人向けか、英語表記ですね(↓)。

トロイの宿泊施設は、個人客や家族連れ相手のペンションとキャンプ場か?

トロイの街では、非常に素朴な田舎のレストランで、《農家メシ》のような定食を食べました。それは次回、報告します。

ところで、1月4日の日経新聞に、下記の記事が出ていました。
昨年同月比 36% ── すさまじいインフレです。

【トルコのインフレ加速 12月は36%、19年ぶり高水準】
トルコ統計局が3日発表した2021年12月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比36%だった。単月では19年ぶりの高さで、前月の21%から跳ね上がった。通貨リラ安による輸出増がけん引して国内総生産(GDP)は膨らむが、賃金上昇が物価高に追いつかず、市民生活は圧迫されている。
・・・・・
22年1月には電気料金が50~125%上がり、ガスや酒類などの値上げも発表された。
市民が実感するインフレ率はさらに高く、メトロポール社の21年12月の世論調査では回答者の6割強が「100%以上だ」と回答した。大学教授らでつくるENAグループは独自に調査した12月のCPI上昇率が前年同月比83%だったと指摘した。
市民はインフレの加速を見越し、トイレットペーパーや乳製品のまとめ買いにはしっている。最大都市イスタンブールでは12月、燃料費の高騰を理由として、海峡を渡る公共交通機関のフェリーの一部路線が運休した。

2022年1月4日 日本経済新聞

私は2019年8月にOutdoor Museum(=発掘現場の遺跡)の入場料として42 TLを払ったわけですが、調べてみると、この料金を、
《2018年10月1日から35 TLに値上げする》
という公式アナウンスをネットで見つけました。
つまり、1年も経たないうちに再値上げしていたわけです。
では、さらに2年半経った今はどうか、と調べると、既に60 TLになっていました。それでもおそらく、ドル換算なら値上げになっていないのでしょう。その間に通貨リラの価値がどんどん下がっています。

ビールを飲みながら雑談している時に友人が言っていました。
「日本では、政府がインフレ目標を掲げて物価を上げたがっているそうじゃないか! しかも、上がらずに困っているそうじゃないか! まったく理解できない。この国ではインフレで困っているというのに!」
……そりゃ、理解できないだろうね。
公立大学に勤めていた別のトルコ知人は、
「給料が上がらないのに物価が上がる!」
と嘆き、退職して民間企業に移籍しました。

でも日本も今、《通貨安》と《物価高》の波が押し寄せてきました。

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