記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【2024年上半期】Amazonプライムで観て印象に残った映画①

気づけば2024年も折り返し地点となったことだし、Amazonプライムで映画を楽しむにわか映画好きが、今年観て印象に残った映画について、ここぞとばかりにぼやいてみる。あくまで一個人の感想なのでこういう考えの奴もいるんだなあと思っていただければ。

本当は1本1本感想を書き散らしたいところではあるが、とんでもないボリュームになることが想像に容易いため、散々迷ってこの5本を選んだ。他にもあれこれ言及したい作品が沢山あるのでどこかで書ければいいなあ…

ネタバレ回避のため、既に同作品をご覧になってから読んでいただけると嬉しいです。

その2はこちらからどうぞ。

パーム・スプリングス

UK時代に『ポンコツは人が死ぬ映画ばかり観てるから愛を知らない』と言われたことを思い出し、『てやんでい!ワシかてラブロマンスの1つや2つ嗜むわ!!』といきり立ちながら観た作品。(名誉のためにお伝えしますが、私はラブロマンス系は少ないながらも観てます…渡英前に予習のためブリジットジョーンズシリーズ全作、ラブアクチュアリー、ノッティングヒルの恋人、アバウトタイム等を観たりしていたので…でもホラーが一番好きです)

蓋を開けてみると、ラブロマンス要素は薄めではあったが、正直こういうタイプの作品の方がずっと好みではあるので結果オーライであった。
どんなに祝い事やパーティーが好きな人間でも、幸福の過剰供給を延々と繰り返されたらそりゃ飽きるだろうし、どうせリセットされるならこの機会を利用して滅多にできないことに手を出してみようと思い立ち、試しに自殺を試みる気持ちはよくわかる。死ぬ時にはどれほどの痛みがあり、命の灯火が消えゆく時はどんな感じなのか、希死念慮がなくとも誰しも一度は考えるものではないだろうか。
それと、シチュエーション的に当然ではあるとはいえ、いかにも幸せの絶頂であることをこれでもかとアピールしているのにも関わらず、実際には全て見せかけだけの張りぼてで、自分が掴んだそれがまごうことなき幸福であることを信じ微塵も疑っていなかったのは1人の当事者だけだったという事実がとてもリアルで印象的だった。
本作は基本的に明るいノリで進むのだが、こういう描写があるからこそ内容にメリハリがあり、この作品がただのラブコメで終わらない所以なのかなと思う。

より映画を楽しむために、基本あらすじは一切目を通さず観るようにしているので、観終わった後に冒頭の何気ないセリフをもう一度確認し『ああぁーそういうことかぁー』と全体を把握した上でゆっくり作品を咀嚼し味わったりもした。
こういうことはそう頻繁にはしないのだが、伏線回収後改めて伏線を確認し1人で納得することがひそかに好きだったりもする。

ちょっと変わったラブコメに興味があり、且つサイダーのような爽快感と刺激を味わいたい方にはぜひ。

BLUE GIANT

ずっと気になっていたので、プライムに来てすぐ観たのだが、これは音響の整った映画館で観るべきだった…まさか演奏シーンで号泣するとは…
劇中の音楽が素晴らしいのはもちろんだが、まず、主人公が好感の持てる天才キャラなのがとても新鮮だった。そして好感が持てる天才だからこそ、その無邪気さに傷つき、やり場のない感情に苦しむ周りの気持ちが痛いほどに伝わった。
私は松本大洋のピンポンが大好き(原作はもちろん、映画もアニメも全部履修しており、アニメは3周以上した)なのだが、この作品に幾分ピンポンに似通った要素が含まれているなと感じたため、そりゃこの作品にも夢中になるよなと妙に納得した。
ピンポンは才能がもたらす栄光、努力だけではどうにもならない残酷さを痛々しくも真っ直ぐ描き、登場人物が葛藤や苦悩を抱えながらもそれぞれが持つ夢や野望、義務を追い求める様子を見せてくれたが、BLUE GIANTもまたストーリーに体育会系特有の泥臭い努力と才能に翻弄される部分が含まれており、胸熱展開の土石流であった。

特にドラムに感情移入しまくったので、ドラムの成長を楽しみにしていると伝えてくれたおじ様の下りは、まるで自分が言われたかのように嬉しくなり感動したし、良かったねえぇと駆け寄りたくなった。あのシーンで初めて彼は人に認められ、真のメンバーとなったのではないかと思う。
原作は未読なのだが、きっとこんな感じでエネルギーが詰まった作品なんだろうな。

神は見返りを求める

2024年の1月に観たのだが、鑑賞後『なんだこれ…すげえ…これ絶対感想書こう』と強く思った作品。
出てくる登場人物達の演技が本当にリアルな上、生きていれば必ず出会うタイプの人間、目にするシチュエーションがわんさか出てくるため、観ているとこちらも感情がむき出しになる。それほどまでに観ている者の喜怒哀楽を暴走させるので、そんな映画を見つけ、また観ることができたことに強い喜びを感じた反面、ゾッとした。

人にあれこれ要求し、一方的に搾取し続け、相手に何も与えようとしないテイカーは非常に腹立たしく強い嫌悪感を覚えるが、見返りが欲しくてなにくれと親切にし、一方的に与え続けるギバーの顔したテイカーは世の中に溢れかえっている気がする。実際私も後者のテイカーだし。だからこそこの映画を観ている最中は、ムロツヨシと感情がシンクロしていたわけだが。
脇を固める胸糞悪い登場人物も最高に生々しく、『(自分ではない誰かが)君を悪く言っていたよ』と吹聴するいけ好かない金魚のフンには感動すら覚えた。
あくまでリアルさを追求し、ご都合主義に走らなかったために報われない終盤も素晴らしかった。

十二人の怒れる男

誕生日に配信終了スレスレのところを駆け込みで観たのだが、物事の正面しか見ずに意思決定をすることの愚かさと、徐々に明らかになる事件の状況をもとに、あらゆる角度で正しい判決を追い求める人々の12通りの考えがわかりやすくスピーディーに描かれていて目が離せなかった。
あくまで無慈悲に有罪を主張し喚き散らす彼のような存在に、自分がなってやしないかと今一度自分を見つめ直したくなるきっかけをくれる。
こういう古典的名作や、ニッチな怪作もたくさん転がっているから、プライム会員はやめられない。

アンテベラム

※まだご覧になっていない方は、どうかあらすじも予告動画も一切目を通さずに観ていただきたいので、予告編は載せられません。ごめんなさい。

これに関しては一切のネタバレをしたくないし、何を話してもネタバレになりそうなので、どういった切り口で書けばいいか非常に悩ましいところだが、ゲット・アウトが刺さった方にはぜひ観ていただきたい。プロデューサー同じだし。
もちろん私も事前情報皆無で観たので、観てすぐに驚愕し、中盤に視点が変わった瞬間は一瞬Amazonがバグったのかと本気で思い、混乱する中意味もなく巻き戻したりもした。あの困惑する切り替わりはヴィレッジのあのシーンを彷彿とさせた。

あー、何書いてもネタバレになるからこれしか書けないのが本当に悔しいし、自身の乏しい語彙力に泣けてきたので、最後に今年の1月から6月までに観た映画リストを投げてお茶を濁すことにする。

実際に上半期に観た映画(視聴した順)

(※★マークは映画視聴アプリでお気に入り登録した作品)
オリーブの林をぬけて
★レザボア・ドッグス
★パラサイト 半地下の家族

マグニフィセント・セブン
怪しい彼女(韓国版)
エクスペンダブルズ
X エックス
★ヴィーガンズ・ハム
★ベイビーわるきゅーれ

ビッグ・マネー
ブリキの太鼓
★神は見返りを求める
アミューズメント・パーク
エンジェル、見えない恋人
ブレア・ウィッチ・プロジェクト
ブラック・スワン
アラーニェの虫籠
アナザーラウンド
デンジャラス・ビューティー
★BLUE GIANT
ウィッチ
悪魔の沼
★処刑人
The Witch 魔女
黒い家(YouTube限定配信時に視聴)
★タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら
プライドと偏見
★ベッキー
真珠の耳飾りの少女
★ブラック・クランズマン
★海街diary
★ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
★女神の継承

MEN 同じ顔の男たち
シェラ・デ・コブレの幽霊
メン・イン・ブラック:インターナショナル
ハッピーフライト
★アンテベラム
MAMA
★星の旅人たち
★キャラクター
★五福星

天気の子
★メタモルフォーゼの縁側
犬ヶ島
★鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
★パーム・スプリングス

みぽりん
脳内ポイズンベリー
ブルーベルベット
アス
きさらぎ駅
★サイコ・ゴアマン
★黄龍の村

天使のくれた時間
★ザリガニの鳴くところ
★ノマドランド

FALL/フォール
ウォールフラワー
アムステルダム
地獄の花園
★十二人の怒れる男
永遠の門 ゴッホの見た未来
万引き家族

最後まで読んでいただきありがとうございます。
そのうちもう5本ほど書こうかな…

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?