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【読書】ハイパワーマーケティング

あなたの会社はマーケティングをうまく活用できているでしょうか。

最小限の労力で最大限の効果を得ることがマーケティングの本質だと思います。
一生懸命仕事に取り組むことが美徳とされ、思考を深めず、非効率的な方法を取り続けているとチームは疲弊していきます。
そういった非効率的なベクトルが会社としての方針であれば、そのまま進むしかないですが、間違った方向に梯子がかかっていると、どんなに努力しても望んだ目標を達成することは難しいです。

今回、コンサルタントやマーケターのバイブルとなったベストセラー書籍である『ハイパワーマーケティング』を読んでみました。皆さまのライフスタイルや企業様の海外進出への一助となれば幸いです。

1. ビジネスを大きくするたった3つの方法

今やビジネスは多様性の時代だ。それはビジネスの種類、顧客のニーズ、販売戦略などの多くの面で言えることだろう。しかし、どれだけ時代が変わっても、「ビジネスを大きくする方法はたった3つしかない」と著者は説いています。

・クライアントの数を増やす
・クライアント1人当たりの平均販売額を増やす
・クライアントが購入する頻度を増やす

数多あるマーケティングの手法は、この3つの原則を出発点にしているものだ。これら3つの方法のどこに注力して、そのためにどんな手法を使うべきなのか、それがマーケティングを考える上で原則なのだ。

例えば、1人あたりの販売額を増やすなら、自動車の販売がわかりやすい。購入者は自動車以外にも様々なオプションやサービスを一緒に買ってくれる。また、購入頻度を増やすために航空会社などはマイレージ制度を設けて運用しています。


2. 「顧客」と「クライアント」の定義を知る

著者は、「顧客」と「クライアント」という言葉に大きな違いがあると指摘されている。
顧客とは「商品やサービスを購入してくれる人」であり、クライアントは「他人の保護下にある人」だという。そして、ビジネスの対象を「クライアント」と考えるようにしてほしいと述べる。
一回で最大限の利益を得るためだけに商品やサービスを売る対象として見るな、ということだ。

たとえば、電動ドリルの購入を考えている人がいるとする。
しかし、この人が欲しているのは実は電動ドリルではなく、何かを差し込むための「穴」だろう。もしかしたら、本人が気づいていないだけで、「穴」よりも「接着剤」の方が問題解決に適しているかもしれない。

クライアントの問題を解決することを優先してビジネスに取り組めば、購入者にとって「ただの販売員」ではなく「信頼できるアドバイザー」になることができる。それは、継続的なビジネスを作る上で欠かせない立ち位置。
1回の取引に目が眩んで高額の電動ドリルを買うよう勧めるのか、「アドバイザー」として問題解決を優先するのか。これがビジネスの成否を分ける。


3. 卓越論

日本企業の社員は世界と比較して仕事に熱中していないことがデータで明らかになっている。そんな中で、日本企業はグローバルで戦っていけるのだろうか?ビジネスが複雑になり、悩みと課題はつきない。

ここで、著者の「卓越論(Strategy of Preeminence)」は課題解決の糸口になるかもしれない。この卓越論とは、同氏が30年間、世界中のさまざまな分野のアントレプレナーやエキスパートに説いてきた戦略だ。

「卓越論とは、一言でいえば『自分には他人の人生を変えるほどの力があり、なんだってできる』と心から信じること。それができれば、あなたはあなたの会社や、あなた自身をお客さまにとって、一番信頼できるアドバイザーになれる。つきつめれば、『あなたからしか買いたくない』と相手に思ってもらえる存在になれます。それを実践するには、あなたが関心のあることでなく、『相手がどういうことに関心があるか』『どうすれば最大利益を得られるのか』ということを考えて行動しなければなりません」
卓越論では、「まず相手の人生を追及し、それを評価し、認めることが必要」という。相手の考え方をすぐに悪いものと決めつけたり、裁いたりせず、誰もが異なる考えやモノの見方を持っていること、多様な価値観を持っていることを知り、相手を認めることが大切なのだ。


4. 競争から抜け出すための「先制マーケティング」

ビジネスにおいて「USP(ユニーク・セリング・プロポジション)」、つまり、独自の強みを構築して、競合との差異を図ることはよく知られた手法だ。
しかし、強みを創造することはそれほど簡単ではない。そこで「先制マーケティング」という手法を知っておきたい。

アメリカのシュリッツ・ビールはこの手法で成功した好例だ。
それまでビールの広告は「純度が高い」というメッセージが常套句になっていた。そこでシュリッツは、使用する水、蒸留や殺菌方法など、製造過程や基準を前面に打ち出した。 それらの過程や基準は、どのメーカーの醸造所でも一般的に行なっていることだった。
しかし、一般的には知られていない「業界の常識」をあえて打ち出したことで、購入者の目には他にはない「USP」に映ったのだ。


5. まとめ

これらは、あくまで本書で紹介されるマーケティング手法の一端に過ぎないが、著者によって見事に体系化された数々の手法やマインドは、企業だけではなく個人の価値創造にも大きな効果を発揮するでしょう。
マーケティングの天才とは、『最小限の努力で最大限の結果を得る』こと。
無駄なことは徹底的に排除し、クライアントへの『おもてなし』を追求しよう!

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