干場数理塾

塾をはじめて数年。大学では劣等生でしたが、やっぱり数学物理は単純に楽しいなあ。 塾以外…

干場数理塾

塾をはじめて数年。大学では劣等生でしたが、やっぱり数学物理は単純に楽しいなあ。 塾以外にも、音楽とか、喫茶店とかやっています。

マガジン

  • 干場数理塾 hoshiba math school

    塾講師の雑感です。数学、物理、語学、音楽。

  • 数学独自研究

    つい、睡眠を犠牲にこんなことを。

  • 数理雑感

    雑感です

  • 幾何代数(幾何学的代数)自己研究

    シンプルかつ美しい、かつ応用範囲の広い数学である幾何代数(幾何学的代数)。全ての物理数学を統合できる強力な道具にも関わらず100年以上忘れられていた。複素数や四元数を包含し、単純な数式操作で幾何学的操作が可能。 本講座では、物理数学だけではなく、CG、地理情報、ロボット工学、ドローンの姿勢制御、信号解析等の応用分野に実装するために必要な基礎的概念と数学的操作を修得する。 純粋数学的な厳密性や、実際のプログラミング等への応用は範囲外であり、基礎的、通則的、汎用的かつ実用的な道具としての幾何学的代数の普及を目的とする。

  • 干場数理塾 運営・講座内容

    運営関連、講座内容など、真面目な内容です

最近の記事

[Notionからの貼り付け実験]統計検定2級 2018年6月 問8

 今回は、Notionからの貼り付け実験を兼ねています。  Notionでメモとして書いている統計検定2級2018年6月問8の解答を貼ってみました。  簡単には行きませんでした。  Notionの数式はその場で確認できるので大変便利ですが、インラインが「$~$」と書かれており、noteの「$${}$$」とは異なるので、一旦google Documentでプレーンテキストで貼り付け、置換を繰り返すという手作業でなんとかなりました。いい方法があればご教示ください。 (1) 48

    • 【統計学】観測値・平均・偏差、実は直角三角関係【その2 】

      今回のあらすじ全ての確率が等しい訳ではない場合での観測値・平均・偏差の直角三角関係を示したい。 名前がないと不便なので、全ての確率が等しい場面を「均質確率空間」、それ以外を「不均質確率空間」と名づける。前回は、均質確率空間での直角三角関係を示したことになる。 不均質確率空間でも分散早業公式は成り立つが、そのままでは直角三角関係を示せない。 仕方ないので確率の平方根「根確率」や「加重観測値」を導入してやっとこさ直角三角関係を絵にすることができた。 仕方なく導入した根確率

      • 【統計学】データと平均と偏差の(直角)三角関係【その1 単純平均(等確率)編】

         三角関係といってもややこしいアレではありません。文字通りの三角関係、それも直角三角関係です。  当塾の統計学の視覚化は、ここから始まりました。 分散早業公式(仮称) 正式名称が見当たらなかったので仮称ですが、高校生も習う例の分散をやや速く計算できる「分散早業公式」があります。  「分散は二乗の平均マイナス平均の二乗」というアレです。 $$ s^2 = \dfrac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}{x}_i^2-m^2 $$  統計学には使用する文字には方言があ

        • なぜ学校で英語を学ぶ(学ばされる)のか

           当塾は「数理塾」を名乗りつつ、実は英語も教えています。  数学など他の科目は相当優秀なのに英語だけは全く興味が湧かないという生徒さんが通いはじめました。当然成績も芳しくありません。  「大学へ行くことの是非」といった根源的な問題はとりあえず傍に置いて、 現実、大学受験で数学を諦めると理系学部の選択肢はほぼなくなり(数学は理系学問の基本言語なので出来ない人に来られても困る)、英語を諦めたら受験できる大学はかなり少なくなります(推薦や小論文のみといった特殊な受験形態を除きます

        [Notionからの貼り付け実験]統計検定2級 2018年6月 問8

        マガジン

        • 干場数理塾 hoshiba math school
          43本
        • 数学独自研究
          8本
        • 数理雑感
          20本
        • 幾何代数(幾何学的代数)自己研究
          4本
        • 干場数理塾 運営・講座内容
          13本
        • 空間で学ぶ初心者の為の統計学
          8本

        記事

          最後の授業

           塾講師というのは、毎年別れがある仕事です。  今日、高三の生徒さんの最後の授業でした。  彼は、確固たる信念を持って子供の時から憧れていた職業へ就くべく一歩を踏み出します。  そのささやかでもお手伝いができたのかな、と思える投稿が、生徒さんのお母様からなされているのを人伝に聞き、授業の際にシェアを許可していただきました。  塾講師冥利に尽きます。  とにかく、彼の未来が幸せで有らんことを。

          【幾何代数・線形代数】あらゆる行列は幾何代数で代替可能なのか?

           幾何代数では、その強力な幾何学的操作能力により行列が不要になるという。  確かに、鏡映、回転など、簡単な代数操作で表現できるのは確かです。  しかし、行列は、一次変換という、とにかく行列内に新しい基底を書けば半ば強制的にその基底に変換されるという強力な自由度を持っています。  それなのに、本当に全ての行列は幾何代数で代替できるのだろうか?  という疑問をずっと抱えたままだったので、一旦解決しておこうと毎晩就寝前に布団にノートを持ち込んで計算してたつもりが電気点けっぱなし

          【幾何代数・線形代数】あらゆる行列は幾何代数で代替可能なのか?

          塾の名称変更について

           元々「ゼロの学校」という名前で2016年に始めた当塾。  かの堀江貴文さん等が2018に「ゼロ高等学院」を設立、その圧倒的な知名度により当塾の検索が劣後。  加えて、近隣に類似名称(ちゃんとした進学塾さんです)があったのを知らなかったこと、2020年に事務所移転、法人設立もあり、塾の名称を暫定的に、分かりづらいのを承知で法人名から取った「プラノス・アカデミコス」に変更しました。  生徒さんはほぼ口コミなので特に支障はありませんでしたが、元の「ゼロの学校」は、数学最大の発見

          塾の名称変更について

          【数学用語】交差項(クロスターム)に対してそうでない項をどう呼ぶか

          実はマイナーだった?「交差項」 いつから$${(x+y)^2=x^2+y^2+2xy}$$の中の$${2xy}$$の部分を交差項、クロスタームと呼んでいたかは自分自身定かではないが、気付いたら自然にそう呼び、塾でも普通に使っていました。  生徒さんに聞くと、学校の先生からはこの単語を聞いたことがないとのこと。そうなのか。  その項が交差項かどうか、計算結果に交差項が存在するかどうかは、数学的には大きな意味を持ちます。計算を複雑にする要因でもあります。  しかし、「交差項」「

          【数学用語】交差項(クロスターム)に対してそうでない項をどう呼ぶか

          【統計学】ピアソンのカイ二乗検定の統計量、分母が分散ではなく期待値なのが納得いかないので証明してみた

          ピアソンのカイ二乗検定$$ \chi^2=\sum \dfrac{(O-E)^2}{E} $$  ピアソンの$${\chi^2}$$検定で出てくる統計量です。適合性、独立性などありますが、多分全部これです。$${O}$$は観測値、$${E}$$は期待値をざっくり表しています。  この統計量を二項分布近似で書くと、試行回数$${n}$$、起こりうる事象の数を$${k}$$、その連番を$${i}$$、事象毎の確率変数と確率をそれぞれ$${X_i ,p_i}$$として、 $$

          【統計学】ピアソンのカイ二乗検定の統計量、分母が分散ではなく期待値なのが納得いかないので証明してみた

          発見?:二次方程式の判別式の本質は(ほぼ)相加相乗平均

           今回の話は、  $${x,y}$$が領域$${x^2+y^2\le 1}$$を動く時の$${(x+y,xy)}$$の領域を示せ。  というシンプルだが慣れていないと難しいであろう問題を教えていて気付いたものです。今更新しい発見があるとは。 相加相乗平均の証明  まず、相加相乗平均の証明は次の3行で終わり、ということを確認します。実数$${\alpha,\beta}$$について$${\sqrt{\alpha},\sqrt{\beta}}$$は正で、その差も実数なので二乗

          発見?:二次方程式の判別式の本質は(ほぼ)相加相乗平均

          3乗式の「立方完成」とその本質、そして「多項式の標準化」という視点

           タイトル画像は、$${y=x^3+3x}$$のグラフです。  いやはや、これまで3次式は$${y=x^3}$$が究極の姿で、それ以外はSの字を90度左に回転したものしか見たことがなかった(気がするだけ)と思い込んでいたけど、原点を角度を持って横切るのもあったんですねえ。  長年数学扱っていて盲点があるとは、思い込みは数学の敵。というより、いかに思い込みを排除し柔軟な発想をするか、数学はそれに尽きます。 多項式の標準化統計学の標準化  さて、統計学には「標準化」という手

          3乗式の「立方完成」とその本質、そして「多項式の標準化」という視点

          「二次方程式の解と係数の関係の新メンバー」の勧めと「±スイッチ変形」

          二次方程式の解と係数の関係」の新メンバー みんな大好き「二次方程式の解と係数の関係」の新メンバーを紹介します。まずは既存メンバー。 $$ \alpha+\beta=-\dfrac{b}{a}\\ \alpha\beta=\dfrac{c}{a} $$  それでは、新メンバーの紹介です。 $$ |\alpha-\beta|=\dfrac{\sqrt{D}}{a} $$  ここで、$${ 判別式 D=b^2-4ac}$$です。 改めて、「解と係数の関係」と「解の公式」と

          「二次方程式の解と係数の関係の新メンバー」の勧めと「±スイッチ変形」

          直角三角形の「隣辺」を普及させよう

           幾何代数による高校数学と統計学と物理学の再構築にハマっているが成果がなかなか得られず記事の更新が疎かになっている今日この頃、よく見る数学の視覚化動画 を見ていて(これはこれで素晴らしいのでお勧めです)、直角三角形の3辺、hypotenuse、adjacent side、opposite sideが出てきて、そう言えば日本語で「斜辺」はよく聞くし「対辺」も言わん事ないが、adjacent「隣辺」って殆ど聞かないなあ、自分だけかなあと思い調べてみました。  因みに、何の隣なの

          直角三角形の「隣辺」を普及させよう

          【数学用語】「望遠鏡和」を広めるお手伝い

           統計学の調べ物をしていて、「望遠鏡和」という単語に出会った。  検索すると、こちらのブログに辿り着いた。  高校数学でもよくある、総和Σの中の式を変形して、間の項をバッサバッサと切り捨て、両端に生き残った項が答えとなる、幾分かの気持ちよさの伴う例のやつ。  よく使うのに、確かにこの手法の名前は特にない。「中抜け」という人もいるらしいが、個人的には「ワケワケサクサク」とかテキトー極まりない呼び方をしていた。  詳しくはリンクのブログの素晴らしい解説を読んでいただくことと

          【数学用語】「望遠鏡和」を広めるお手伝い

          セル看護提供方式®による転倒・転落防止効果の検証

          セル看護提供方式®とはセル看護提供方式®の定義は、以下の内容です。  今回、セル看護提供方式®の転倒・転落防止効果を検証するため、介入前期間と介入後期間でで得られたデータの検定を行いました。 結果データ共通項目 時間帯:日勤帯(8:30〜17:00) 対象:65歳以上の入院患者 期間:介入前:2019年度、介入後:2020年度 月別データ データの要約 介入前 転倒転落数170 なし4714 計4884 転倒転落率 3.48% 介入後 転倒転落数45 なし405

          セル看護提供方式®による転倒・転落防止効果の検証

          【統計学】標本の大きさ(サンプルサイズ)の決め方のまとめ

           授業での質問:「母集団に対していくつ標本を取れば十分なのかがよくわかりません。どうやって決めるんですか」。  実務上大事な論点です。  改めて調べてみると、結論としては主に2通りの決め方があるようです。 許容誤差から逆算 検出力から逆算 用語確認「標本数」と「標本の大きさ」  「大きさって何、採取した物の大小?」と思っても仕方がないと思います。  一般的な感覚とズレる統計用語の代表かなと思い、あらゆる記事・文献で言及されていますが、自分なりの解釈を加えて説明してみ

          【統計学】標本の大きさ(サンプルサイズ)の決め方のまとめ