マガジンのカバー画像

Books

92
世界中のカフェ、図書館、古本屋、書店で出会って読んだ本たち。 本を持って旅に出て、その土地に合った本を置いて、また新たな本と旅に出る。
運営しているクリエイター

2022年10月の記事一覧

情報がきわめて少ない世界がもつ豊かさ【本:旅をする木】

情報がきわめて少ない世界がもつ豊かさ【本:旅をする木】

東京庭園美術館で、旅の図書館がオススメの本が紹介されていて、そのうちの一冊が石川直樹氏の『極北へ』という本だった。その中で、石川氏がよく語っていた人の中に、星野道夫氏がいた。アラスカを愛し、アラスカに暮らした。そんな氏の『旅をする木』という本を見つけたのは、あるカフェだった。

星野氏は、写真家だけれど、読書家でもあったので、とにかく情景や人々の心境の変化や移り変わりの描写が素敵で、文章を読んでい

もっとみる
自分が住処に選んだ場所が、一種の自己表現になっていく時代【本:日本人はどう住まうべきか?】

自分が住処に選んだ場所が、一種の自己表現になっていく時代【本:日本人はどう住まうべきか?】

養老孟司(解剖学者、1937年、鎌倉生まれ)著書『バカの壁』など
隈研吾(建築家、1954年、横浜生まれ)著書『負ける建築』など

この本を、あるお茶屋さんのカウンター席で読んでいたら、そのお店のお母さんが「何の本を読んでいらっしゃるんですか?」話しかけてきてくれて、そこから「日本の建築の未来」や「人々の動向」「娘さんの大学受験」「どういう街が住みやすいか」などと言う話になった。私は移動中、本をひ

もっとみる