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【3分で学べる偉人の名言】「荀子」から学ぶ戦争を回避する生き方


たたかう者はその身を忘るるものなり。
その親を忘るるものなり、
その君を忘るるものなり。

荀子

本日も「戦争」にまつわる名言をご紹介したい。

本日は紀元前3世紀頃の中国で活躍した思想家、「荀子」の言葉を選んでみた。

日本では儒学・朱子学・陽明学などが学ばれ、それらを学んだ吉田松陰などによって明治維新という大きな動きを作り出すことになったが、「荀子」に関して学んだ人は少ないようである。

荀子は「儒学者」であるとWikipediaには記載されているが、同じ儒学者でも「性善説」を唱えた「孟子」を批判して「性悪説」を唱えたことも、世間の人々にあまり受け入れられなかった要因なのかも知れない。

「人間は生まれながらにして利己的な存在である」と仮定し、だからこそ「一生学び続けることで自分を修正し続ける」ことを推奨したその考えは、スマホの普及で“アップデート”という行為が日常的に行われるようになった現在の私たちには結構受け入れられる考え方のような気がしている。

生涯に渡って学習し続ける姿勢を推奨し、学ぶ際はひとりよがりにならないよう、信頼できる師匠から教わることを勧めており、「青は藍より出でて藍より青し」という有名な言葉を残した。

また、性悪説的な考え方として「人間はきちんとした法律や礼節を重んじ、社会規範を学ばなければ奪い合いや殺し合いをし始めて貧窮する」という考えを持っており、荀子の弟子である韓非はその後「法家」として大成していくなど、「荀子」事態はメジャーでは無かったのかも知れないが、後に続くものにかなりのインパクトを残した人物であることがわかる。

本日はそんな荀子の言葉に注目してみたのだが、この言葉は「たたかう者」(戦争する者)は、荀子の考える「産まれた時と同じ」利己的な存在になってしまっていることを指摘しているのだと思う。

産まれた後に親や先生などから様々なことを教えてもらい、少しずつ“マシ”な人格にアップデートされていたにもかかわらず、それらの教えを全てリセットした状態になってしまい、育ててくれた親だけでなく自分自身も見失って利己的な戦いに明け暮れるという指摘は、現代の戦争においても当てはまっている。

今回の戦争に関しても2年後に大統領選を控えたプーチン大統領の「保身の為の利己的な戦争」と捉える動きもあり、そう考えると荀子の言葉の説得力が高まってきている気がしてくる。

「平和を実現することより、戦争を始めることの方が容易である」という言葉があるように、自分や人格を高め続けていくよりも、利己的な考えに固執する方が楽なのだと思う。

苦しくても平和を実現する道を歩むことによって、人類が積み上げてきた「歴史」という「資産」の価値を高めていくことになるのではないだろうか。

歴史をゴミにするか資産にするかは、未来に生きる私たちの考え方・過ごし方次第である。

歴史から人類の過ちを学びながら、コツコツと人格の積立投資を行い、気がついたときには大きな資産となるような生き方がしたいものである。

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