週刊少年松山洋_タイトル_修正

第52号『4つやってるからと言って5つめをやらない理由にはならないよね?』

私はゲームクリエイターです。

サイバーコネクトツーに所属するおよそ200人のスタッフと共に日々様々なゲーム開発を行っています。

ただ、私の役目は“ゲームソフトを作ること”だけではありません。

会社の代表としての経営や会社運営も私の仕事。

サイバーコネクトツーにはゲームソフトを作る“開発部”とは別に、作っている開発者を支えるための部署として“業務部”という部署が存在します。

総務課(経理、総務)・企画課(広報・秘書)・宣伝課(宣伝・グッズ・WEB)・人事課(人材採用・社員教育)・開発支援課(開発サポート・機材管理・サーバー・インフラ)などの課がそれにあたります。

この業務部だけでざっと30名以上のスタッフがいます。

そんな業務部の強さがある意味サイバーコネクトツーの強さの秘密だったりもします。なので業務部のメンバーとも日々私は色んなことを話し合って検討し議論して決定して実行しています。

それ以外にWEB番組やラジオ・テレビに出演したり、雑誌や新聞のインタビューを受けたり、ある意味会社の宣伝広告塔としての活動も行います。

また本を執筆したり、コラムを書いたりブログを書いたり、オファーがあった時にはマンガを描いたりイラスト描いたり色紙を描いたりもしています。

2018年に入ってからはサイバーコネクトツーの新しい戦略として【ネクストプラン】を発表させていただきました。

その中でゲームソフトの開発だけではなく、これからはマンガやアニメも制作していくことを宣言させていただきました。

様々なメディアで同時多発展開する【IP戦略】というモノです。

ぶっちゃけた話、現在のサイバーコネクトツーではマンガもアニメも企画して水面下で進行しています。

時が来ればまた改めて皆さんの前で発表していただく予定です。

さて。

今回のお話はこの“現状”と“前提”を踏まえたうえで読んでいただきたいエピソードです。

先日、タクマと(いつものように)飲んでいました。

タクマとはコイツ(小林琢磨)のことで『マンガトリガー』というアプリを運営する株式会社ナンバーナインの代表取締役です。

一緒にマンガ新聞のレビューをやったり定例会に参加したりしてるので顔を合わせる機会も多く、最近はそんなん関係なしにしょっちゅう会って飲んだりサウナに行ったり漫才やったりもしています。

そんなタクマが突然(いつものように)思いつきで私に“こう”告げました。

“そうだ!まっちゃん!漫画作ろうよ!一緒に!つか、まっちゃんこれだけ漫画好きなんだからさ、自分で漫画原作描きなよ!で、それを漫画化してさ、『マンガトリガー』で連載しようよ!ね、そうしよう!”

“あー、コイツ、また思いつきでしゃべってんなー”と思いつつも、頭の中では“とはいえ、ちゃんと話さないと絶対コイツはあきらめないというか話を引っ込めないだろうからな……”と判断して、タクマに返事をしました。

“ああ、うん、タクマあのね、ここだけの話なんだけど。実はね、ウチってほらゲーム会社なんだけど今いろいろやっててさ。ゲームソフトの開発だけじゃなくてマンガやアニメも企画してて……というかウチのウェブサイトにある【ネクストプラン】って見てないかな?そこでも宣言してるんだけど。今ね、実は水面下ですでに漫画の企画は動いてるのよ。原作も描いてるの。しかも動いてる漫画企画は同時に4つ!だからね、さすがにこれ以上は無理だよ……”

こう伝えるとやや沈黙したあとにタクマが口を開いて……

“まっちゃん!”

“ん?”

“4つやってるからと言って5つめをやらない理由はないよね!”

って言いやがったのです。

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