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『夢をかなえるゾウ 0』を読んでよかった鬱病pizza

『夢をかなえるゾウ』という本を、ご存じだろうか。

『夢をかなえるゾウ』水野敬也 著

2007年、水野敬也さんが書いて話題になった、”自己啓発小説”といわれる本。


これは、はじめに私の母が購入した。

”ガネーシャ”というゾウの顔をした関西弁の神様が、とある会社員のもとへ突然現れ、主人公にひとつひとつ”教え”を授けていく。

この本を読んで、それをいろいろ生活に取り入れ始めた母は、
読書に関心のなかった私が鬱病になってから、たびたび
「夢をかなえるゾウでも読みなさい」
「○○するといいってガネーシャがね」
と、私にしつこく言うのでしぶしぶ、読んでいった。
教えの数々も、ちゃんとメモして今、横を見ると壁に貼ってある。



、、、、、、ところが。


鬱病歴10年、
夢や希望をどうもったらいいか、それが叶うのか、
でもやりたいことは山ほどある、
人生は一度きり、
でも病気が邪魔して今すぐは動けない、、、、、、


そんな私は、この本の教えのほうを書いて貼ったほうがいいかもしれない。

そう思った。


『夢をかなえるゾウ 0』水野敬也 著



この本の存在に気づいたきっかけが、
今推しているお笑いコンビ”ニューヨーク”のTwitterでの配信番組、
『ニューヨークジャック』
で、ツッコミの屋敷さんと親交があるという水野敬也さんをゲストに、トークをしていたのを観たことだ。

”あ、夢をかなえるゾウのひとだ”
ということはすぐわかったが、
水野さんはニューヨークの大ファンでもあるらしかった。
ニューヨークとの関係性もあるだけに、話す内容や、実際の人生、人柄が本当におもしろかった。

その番組内では、
水野さんの著書『LOVE理論』という本に基づいた、若手芸人による検証VTRのコーナーがあったのだが、
「2007年の本なんですよね」
「今の時代とちょっと違うなと」
と、話していた。

「愛されることから自ら愛する技術へ、今、時代は流れている。
2007年ころには人の価値をランク付けするような、資本主義のピラミッドというものがあった。
愛する技術については『愛するということ』という著書に書いてある」
(意訳)と。

「『夢をかなえるゾウ』も、1,2,3,4まで書いている、また新しいものも書いているけれど、1は資本主義の話。時代は変わっている。
そのときそのときで必要としているノウハウが違う。」
(意訳)

、、、、、、、と、いうことを、水野さんが話していた。


そうなんだ、『夢をかなえるゾウ』ってそんなに続編が出ているのか!


、、、、、、、その話は、私の頭の中にずっと頭にあった。

そもそも、『夢をかなえるゾウ』(1)は印象には残ったが、
母に言われるまま読んだこともあってか、内容なのか、
ガネーシャの教えをやってみてはいるものの、
それがいいことだとは思いながらも、
”ちょっとこれは、難しいな”と思うこともしばしば。



他の本も読んでみたいな、と思っていた、ある日。



書店を通りかかって見つけてしまった。


『夢をかなえるゾウ 0』水野敬也 著

”ゼロ”
が、ついに出たんだ。

新刊。

”「夢」がない”

と、帯に書かれていることからも、なんだか、現代の話であることに間違いがないように感じられた。


私には本を自腹で買うお金がないのだが、
母に声をかけてみたところ、母も興味をもってくれ、購入してくれた。

母が読み終えるのを待って、読んでみた。

分厚い。

でも、ようやく、読了。




これは、母の前評判でも

「私たちみたいなひとのための話だったよ」

と聞いていたけれど、


主人公の性格的なことが、本当に、自分を観ているようだった。

職場でパワハラに悩まされている主人公の日々に一緒に心を痛めた。
目上のひとにはっきりものが言えなかったり、辞める勇気もない、そんな選択肢もないような状況が、
程度は違うかもしれないけれど、
鬱病退職前の自分も似た経験をしたのだ。


1作目しか読んでいなかったけれど、
あの本の100倍、共感できる。


令和っ子の多くが経験する、大学に行って、就活して、という流れの中での就職、という経験だけはない昭和生まれ平成世代の私だし、
何より私は”夢がない”わけではないぞ、やりたいことだらけだぞ、
と思っていたのだが、


最後、

読み終えたときに、


「これは私のための物語だ」
と、あったかく、やわらかな光が見えるような、
心の満たされる感覚になった。


何より、


あまりまだ誰にもはっきり話していない、
ぼんやりと考えてあたためている、
私のやりたいことの方向性。

これが、

きっと、間違っていない、正しいんだ。

きっと大丈夫。


ゼロになった、今の私が始めること、
きっと何も間違いじゃない。


今、本当に今現在の思っていたことを、
完全に肯定してくれている教えがあった。


この本に出会えてよかったと思う。



35歳。
社会に出られていない現状、
にもかかわらずあふれてくるやりたいこと。
それが何も釣り合わず、
曇ったり、真っ暗になったりする私の将来の天気に、
少し光が差した。



また、
このシリーズを知っている方にとってのおすすめポイントは、
ガネーシャ自身の生い立ちについての話も今回露わになるところ。


あーーーーー、読んでよかった!!!!!!!



鬱病になってから、
苦手な読書が少しだけできるようになった。

そして、自分が興味をひく本には、必ず意味がある。


買ってくれた母、
水野敬也さん、
ニューヨーク、
本当にありがとう。


ちょっとずつ、やりたいことが叶う方向に、進んでいけたらいいな。




自分のこれからを、これからはもっと信じてあげられますように。


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