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毎日こうなる理由が分かった話―「繊細さん」の本―

この記事を見返して思う。

この本を読んでよかったなと。


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この本。

少し前にTVで紹介されていたのは知っていたし、最近、HSPという言葉が浸透してきて、関連の本も書店によく並んでいる。

HSP=Highly Sensitive Person、とても敏感なひとのこと。5人に1人の割合でこの気質を持っているという。

私自身、ここ数年、書店にいくたびにこの手の関連本に、吸い寄せられるように向かっていき立ち読みしていた。でも、現在は鬱病の診断を受けその症状が出ているので、本来の自分の性格がどうだったのかということが分かりにくいし、何せ”本を買うこと”は鬱病無職の無期限金欠人間にとって、贅沢の極み。特に、自己啓発的な本は絶対買わない!と我慢していた。


だが。

書店にて、この本、なんとなく気になる、、、と思っていた数日後。


出逢ったのが、オリエンタルラジオ中田敦彦さんのこの動画。

おススメで表示された。


あっちゃん、、、、、、


カジサックの影響でYouTubeをはじめ、真剣に向き合いしっかりと実績を残しているひとだ。カジサックや、相方の藤森さんとのコラボ動画以外は、観たことがなかった。

何かの縁だと思って、観てみたら最後だった。

前編、後編、続けざまに食い入るように観た。



、、、、、、、、あっちゃん!!!!すごい!!!!!!


プレゼン能力が本当にすごくて圧倒された。

「へー!」「えー⁉」と、部屋でひとり声をあげながら、

”これは絶対に私にいいことがある本のような気がする、500円玉貯金ならあるなぁ”

、、、、、、と、心はもう近所のイオンの書店に向かっていた。


あっちゃん、負けたよ。

次の日にはもう、500円玉2枚(+α)をもって歩いてイオンまで行っていた。



この本、今までみたHSPの本とは、明らかに違う。


著者である武田友紀さんは、自身もHSPの気質であり、現在はHSPの専門カウンセラーとして様々な方のお話を聞いている方。

HSPのひとのことをあえて「繊細さん」と親しみを込めて呼び、自身の経験や相談者さんの事例を紹介したり、繊細さを大切にしながら生きていくための秘訣を本当に具体的に書いてくださっていて、本当にためになるし、読みやすい。書き方がやわらかく、愛がある。


気づいたことは、


100%、私は「繊細さん」だろうなということ。

ああ、病気の前からこうだったな、と、いろいろ思いだした。



さらに、、、、、、、、



おそらく、母もまた、「繊細さん」だろうなということ。



そうか。



鬱病とか以前に、2人とも「繊細さん」だったのか。



繊細さん(HSP)は、病気でも何でもない、生まれ持った気質。そして、これを、克服するとかではなく、その繊細な感覚をいいものとして大切にし、その力を生かしてしあわせに生きていくためにこうしよう!

と、いう本だった。


何度か読み込んでいるうちに、

散歩中の空の雲がいつもとちがっておもしろいなぁ、あ、ここに野イチゴが!、、、なんて私が歩けるのは、感覚が繊細だからかなぁ?

とか、ポジティブなものとしてとらえて愛せたりするようにもなってきた。

(単に感覚が5歳児並みなだけかもしれない)



ただ。


繊細さんをはかるチェックリストの中で、たくさんの項目があるが、同じ繊細さんでも”繊細なポイント”はひとによって違うことが多いなと。

23項目のうち、12個以上に該当すればおそらくHSPだろう、とされる項目の中で、15個ほど当てはまった私だが、特に強いのは、

★他人の気分に左右される

という項目。

これは明らかに病前からあった傾向だ。

私に対してじゃなくても、誰かがイライラしている、怒鳴っているような状況が本当に苦しかった。

これは、鬱病治療中の現在も継続中で、だからこそ、母のヒステリックタイムには心が仮死状態になる。

そして、

★仕事をするとき、競争させられたり観察されていると緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる

、、、、、、それーーーーーーーーーー!

ひとりだとできるのに、みんながみてるとそれだけであわあわして何もできなくなる、、、、、、

仕事していたときもそうだったけれど、今は食事準備のとき。ひとりきりならちゃんとできるのに、母が一緒に台所にいると味噌汁ひとつ作れない。助手にもなれなくなる。本当は、できるはずなんだ、、、、、、




、、、、、、で。


HSP気質でない ”非・繊細さん” と繊細さんの感じ方、考え方には想像以上の違いがあるという。感覚そのものが違うのだ。繊細さんがそれを理解せずにいると、非・繊細さんに対して「配慮がたりない」「なんでこんなことするんだろう」と、腹を立ててしまうことになる、、、、、、


、、、、、、なんでこんなことするんだろう、、、、、、?


、、、、、、、、、、、なんで?




「なんで」、、、、、、、、、????




あーーーーーーーーーーーーー!!!!

これ、うちの母だ!!!!!!



"KING OF非・繊細さん"の父に対しても、娘に対しても、雑さが気になってしまい「なんで○○なの⁉」と毎日毎日、、、、、、

繊細だからこそ、ひとの何倍も作業の雑さ、家の傷、汚れ、きっちりしないことがよく見えすぎて気になって、許せずに母はいつも怒っているのだ。特に今でいうと、妹の部屋の汚さが気になって仕方なく、朝から妹に怒鳴り散らしたり、それが気になることによって本当にストレスを受け、具合を悪くしている、、、、、、

(もちろん他にもたくさん繊細さん要素がある)


私と母は似たもの親子ではあるけれど、繊細なポイントが違う。

「HSPだからこうなんでしょ」と、簡単に決めつけたりはできないのだ。


YouTubeであっちゃんが

「非・繊細さんは”こういうひと(繊細さん)がいるんだ”ということを知ろう」

と言っていたけれど、大抵この手の本を手に取るのは、本人が”繊細さんでかもしれない”と思っているひと。そうでないひとは、あっちゃんの動画を観たりしない限りは、5人にひとりのこの気質、普通の日々の中で生きづらさを感じながら過ごしているひとがいることに気づかないままだ。

あっちゃん自体は非・繊細さんらしいので、このYouTubeをやってなければ読んでいなかったかもしれない。でも、読んでみて驚きがたくさんあったというのが、動画を観ていても伝わってくる。その”非・繊細目線”から紹介、プレゼンされることによって、”こんなにも感覚が違うのか!”と観ている側も思えた。

自信が繊細だと思わなくても、この本を読む機会があったなら、ひとに対しての考え方、接し方が変わるのではないかな、、、、、、

もちろん、この本は”繊細さん”自体の生き方についてのコツが書かれている本で、

*非・繊細さんにはこの感覚がないということを理解すること(何故わからないのかと思っても仕方がない)

*憶測だけで動いたり悩んだりせず言葉で確認すること

*”ひとに頼む”という発想をまずもつこと

、、、、、、などたくさんのヒントが書かれているが、

HSPでない、5人中4人のひとたちは何の躊躇もなくできることが、繊細な感覚を持ってしまっているがためにできないひともいる、ということも、あっちゃんみたいに理解してくれるひとが増えたらいいなぁと思う。


内容を全部書くわけにはいかないし、まとめる力がないのでどれほどいい本なのかを伝えきれない、、、、、、

(あっちゃんの動画は本当にわかりやすい。すごいひとなんだなぁ)


自分はHSPかも、、、と思っているひと。

私は実際HSPの診断はされていないけれど、これを読んだら少し生きやすくなるし、繊細な自分もいいじゃん、と思える部分も増えるので、読むならこの本がおススメです。


あ、”繊細さん”にとって、SNSはとってもいいツールだそうですよ。

私も経験済みなのだけれど、すきなものを発信して集まってくる仲間って、大抵自分と似ていたりして。そこでわかりあえたりして。アーティストつながりでTwitterをやっていたときも、同じような心の悩みを持った人が不思議と集まってきて。”鬱病のアカウント”なんかじゃなく、すきなものを周りを気にせず「すきだー!」と言える空間、仲間を作れることって、最高です。

繊細さんは、「まだそんなのがすきなの?」と言われると、一気に自信をなくして心を閉ざすから、、、、、、短大時代、だいすきなL'Arc-en-Cielのことを友人にこういわれた日から、隠れファンとして生きることにしてしまった私は、やっぱりもともと”繊細さん”だったんだな、、、、、、


この本の著者の武田さんは、”繊細さん”のもつ心の深さや優しさを愛していて、その”繊細さん”ならではの長所を生かし、ありのままの自分で元気に生きていけることを願って下さる、あたたかい方。

だからこそ、読んでいて心地がいいし、”今すぐはできなさそうだな”ということもあるけれど、「ひとつひとつやってみよう」「長所もあるんじゃん!」と、前向きになれる。


気になる方は、読んで損はないです。

是非。

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「繊細さん」の本  武田友紀 著  飛鳥新社


自分を知って向き合って、みんなが生きやすい世界を作っていける世の中になりますように。

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