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障害年金受給開始から1年、今の生活と思うこと

そういえば、

今年、障害年金生活をしてみてどうだったのか、1年というキリのいい時期にまとめなければ!
、、、、、、と、思いついて書いてみる。




 昨年末、鬱病9年目の終わりに、社会保険労務士さんに手伝ってもらいながら障害年金申請、2級の受給資格を得た。今年1月分から受給開始、実際手元に入ってき始めたのは4月から。

 そんな私が、1年間障害年金を受給しながら生活してみて実際どうだったのか、働けず無給で過ごす生活と何が変わったのか、その他、感じたことを書こうと思う。

詳しい記録はこちらにまとめてあるので、よろしければ。



【障害年金を受給して変わったこと】


★”我慢しなきゃ”のストレスが少し軽くなった


そりゃそうだろ、と言われるかもしれないが、これは、かなり大きい。
障害年金を受給し始めたことで買えるようになったもの、
つまり今まで自分で買えなかったものはこんな感じだ。

・必要な衣類(下着、普段着など)
 おしゃれ着なんて買っていなかったし、まだそんなものは買えない。毛玉だらけではない、普段着られる最低限の服や靴下、ぼろぼろになっていた下着をまとめ買いできたことが本当にすっきりした。気分が違う。

・飲み物、食べ物
 喉が渇いたときに飲み物を買う、おなかが空いたときに小腹を満たすものを買う、という当たり前のようなことにも、これまでは我慢しないとという思いが強かった。今もマイボトルを持ち歩くようにしているけれど(薬が飲めるように常に水分が要る)、どうしてもというときに、安いものを選ぶけど、”心身の安定のために買ってもいいんだ”と思えるようになった。最近、腸活のためのもの(TBCの食物繊維ドリンクとか)を買うようになった。

・音楽、お笑いなどの趣味に対する出費
 支給前まではすきなアーティストのリリースについていけなかったが、支給が決まってからすぐに買ったのが、中島美嘉さんのセルフプロデュースアルバム『Ⅰ』。今まで大事にしてきたことがようやくできるようになって、手に取ったときは緊張したくらいだった。
 また、お笑い芸人さんをリスペクトするようになって、すきになったコンビ ニューヨーク の単独ライブの配信チケットを買って、観たいと思っていたところにやさしい方からnoteのサポートを頂いた。前まではそれでも踏み出せなかったけれど、障害年金がもらえる、ということがわかっていたので、その方のやさしさをまっすぐ受け止めて、配信チケットを買ってお笑いライブを観る、という経験を初めてできた。(ありがとうございました)


★親に負担をかけているという後ろめたさが少し軽くなった


 生活費を入れられるようになったので、親に負担をかけている、という気持ちが軽くなった。これが、すごく大きい変化だと感じる。
 もともと、障害年金という選択肢を考えている、と私が母に打ち明けたきっかけが、父の定年(今年の春)だった。再雇用で働くことにした父だったが、給料が今までの半分以下になる(仕事量は同じ)ため、私と似た理由で働けず専業主婦をしている母は、今後のことに頭を抱えていた。だから、母と私で、社会保険労務士さんも頼ってがんばって、障害年金を取得した。2級に認定されたことも大きくて、3級だったら家にお金を入れられていたかはわからない。
 母からの「助かってる」という言葉、「(社労士)さんのおかげだね」という言葉に、私は本当に救われている。社会に出ていないと、自分の存在がひとのためになっているという実感を得られることが本当に少ない。鬱病で迷惑をかけているけれど、そんな自分の存在でも、少しは我が家のためになっているのかもしれない、、、と思えることは、本当に精神的な支えになる。

★すきなことや将来に向けてに対する学びに可能性を感じられるようになった


 できるかも、と思えることが増えた。
 時間だけがあっても、例えば趣味の勉強や資格をとることは、お金がかかること。でも、何が未来につながるかわからない。これまでためらってきたいわゆる”自分への投資”が、苦しい気持ちを抱えなくてもできるような環境にある。
 以前から勉強してはやめ、を繰り返し中の色彩検定や、サポステで勉強しているWordやExcel、そして興味のあるウェブデザイン系、画像編集系なども、ソフトを買えば学ぶことができる。
 今はちょっと鬱調子が悪くておやすみしているけれど、心の調子次第でいつで踏みだせる環境があることは、大きな安心だ。

【学んでいること、感じたこと】


★お金の使い方、やりくりを勉強中

 障害年金&年金生活者支援給付金の支給は、2カ月に1回。その中で、どうやってお金を使うか、本当に欲しいものは何か、今まで我慢していたものは何だったのかを考えるようになった。まだまだ、やりくりの勉強中。

 ”次の支給日になったらこれを買おう”という目標が立てられるようになった。
 ”これを買いに行く”という前提で買い物に行けるようになった。
 そして、買えた!という喜びを味わったり、新しいっていいなあ、ということを噛みしめたり、逆に買ってみたら意外と使わないな、ということも、、、、、、
 これは、普段生活していると当たり前のことのように思うけれど、今まで私はどんどんこれができなくなっていって心がぎゅーーーーっとなっていたので、改めて”自分で買う”ということについて学びが多い日々を過ごしている。
 10年前までの、フルタイムで働いて収入を得つつも使う暇がなかった時代は、全くお金に無頓着だった私だけれど、鬱病で働けなくなってからはそうじゃなくなった。パートに出てみても続かず、長いこと収入がないときを過ごし逆にお金に執着が強くなっていったし、減っていく預金残高を見たくなくてATM恐怖症のようになっていたが、障害年金を得たことでその執着も少なくなった。若干のATM恐怖症はまだあるが、全く怖さがなくなるのもよくないので、だいぶいい塩梅だと思う。

★鬱病が治る気配はまだない


 年金支給により未来が描きやすくなり、家族への負担をかけている苦しみからも少し解放され、よくなっていくだろうと思っていたけれど、まぁそう簡単にはいかないんだなと思う。一気には無理だと思うし、むしろ、今、実はかなり将来に対しての希望自体は薄れている。
 還暦を過ぎた両親をこのまま実家で介護して看取って、ゆくゆくは自分も孤独なまま死んでいくのかなとか考えて、むしろ諦めている状態になった。今まで、あれしたいこれしたいという妄想ができていたのができなくなった。様々なことを”やりたい”という希望と、うまくいかない焦りや不安をもち続けて10年。欲があるから治らないのだろうか、とかいろいろ考えて、疲れてしまったのだと思う。
 ただ、”仕事のことを考えず未来への欲を捨てて何も考えない”、というキャンペーンをしている今の私だが、それができているのも障害年金があるから。さすがに、収入を得られないままこれ以上の年月を生きていくことは、実家暮らしでも厳しい。
 ”焦ることをやめてみる”ができるようになったことも、年金支給のおかげだと思う。これが実るかどうかはわからないけれど。


【今、言いたいこと】


★障害年金についての認知度をもっと上げたい


 以前も記事に書いたことだけれど、『障害年金』という存在やその内容を、国民のうちどれくらいのひとがわかっているのか?考えると、私の身の回りの体感では、1割に満たない気がする。
 ”障害”という言葉がつくことによって、”障害手帳”をもって生活するひと、ハンディキャップがあると周りから見てもわかるようなひと(表現が難しいけれど)だけが受け取るものである、という認識が強い気がするのだ。私自身もそうだったし、親世代、ひいてはその上の世代なんてもっとだろう。

 すでに障害手帳を取得して生活している方々には大変失礼なことを言うかもしれないことを、ご了承願いたい。
 私は鬱病になりたての頃、鬱病は”障害”というより”病気”であって、治るものだという認識があった。だから、鬱病3、4年目でパートが続かず、その後の就活もうまくいかず働けないでいた頃、前に通っていた病院の先生に「障害年金というものがあります」と言われた。そのとき、私は初めて聞く言葉だし、説明されたけれど不意なことでびっくりして、正直に言うと、ショックだった。”障害”という言葉がついていることで、周りからも「あなたは障害者じゃないでしょ」と否定的な意見をもらって、結局そのときに受給申請に動くことはなかった。
 今思えば、そのとき申請していたら、初診の日から遡った分の額が支給されていたので、したほうがよかったのかもしれないが、他にも様々な理由があり、そのときの状況ではできなかったと思う。

障害年金受給者 ≠ 障害者手帳所持者

であることが、もっと広く認知されたなら。

しかも、幅広い世代に、偏見なく(ここ大事)。

 一時的に生活に支障をきたすような障害、ケガ、病気でも、申請可能なことがある。もし、受給している間に就職でき、年金受給の必要がなくなったら、卒業できる。いざというときに、役に立つ制度なのだ。
 多分、まだまだ認知度が足りない。知っていたら、もっと心身が楽になれるひとが多いと思う。


★気軽に申請できる、と言うには大変すぎる作業


 上記のことを踏まえて、何かあったら気軽に申請を、、、、、、
と言いたいところなのだけれど、具合の悪いとき、精神疾患の場合は特に、申請に必要な手続きの多さ、申請に必要な記載事項を記すにあたっての精神的負担が、あまりに多すぎると思う。
 ここを、もう少し楽にできないものだろうか。

 まず、社会保険労務士さんに相談することは必須。これをしなかったら、あまりに心身の負担がひどくて、私の場合申請にたどり着くまでに至らなかったと思う。できたとしても、等級が低くなったり、申請が通らないことだってあり得た。

 まず、ネット(HP)を見てもさっぱりわからない。鬱病のひどいときなんて、難しい手続きの文章を読んで理解することからもうできない状態。また、直接年金事務所に相談に行っても、おそらく説明されたことを理解できずパニックになっていただろう。(そういう状況だから生活に困っているのに、、、)
 申請に必要な、病気が発症したと思われるときの初診日とか、そのときの医師の診断書をもらうとか、今の病院の先生に書いてもらう診断書とか、自分で書くべき、いつどういう状況で病気が進んでいったのかという書類、、、、、、などなど。
 過去を振り返る作業が多い。そのため、職場のストレス環境が引き金になって謎の体調不良と休職が続き、どんどん悪化していって結局鬱病に、、、という、私のような精神的な病気の場合、そのときの状況を思い出す作業というのが、とにかく苦しい。私にとっては鬱症状を増すための作業のようなもの。社会保険労務士さんという相談先を知らなければ、この”過去を思い出す作業”が絶対にできなかったので、諦めていた。

 社会保険労務士さんは、細かく私の状況を理解し、「次はこれをやってください」と、ひとつずつわかりやすい指示をくれ、何ができるか、何ができないか把握し、私の話や提出した情報をもとにだいたいの書類(過去を振り返って書く書類など)を代理で作ってくれた。また、診断書をとりに行ったり、年金事務所に行っての手続きなどを代行してくれた。
 本当にお願いしてよかった。絶対に私だけでは無理だった。申請に向けて作業する期間は、予想通り鬱がひどくはなったけれど、一時的なそれを乗り越えたら、あとは申請結果を待つだけなので、がんばってよかった。

 気軽に申請を呼びかけることができないことが、気がかりすぎる。もっと、必要としているのにこの制度を知らないひと、私のようにネットを見て難しすぎて諦めているひと、たくさんいると思う。
 社会保険労務士さんを頼ることも、私は最初お金が発生するのでためらっていたが、うまくいけば報酬を支払った後は自分のお金がちゃんと入ってくるので、将来的には頼った方がいい。
 ただ、これは、私がたまたまうまくいったから言えることであって、社会保険労務士さんもいろいろなひとがいる。結局は人対人。そして、そのひとの病気、障害の程度も、もちろん様々。時間と労力とお金がかかることなので、それをかけて申請が通りませんでした、という可能性もあるのだ。

 、、、、、、どうしたらいいんだろう。


★年金を納めるのは老後のためだけではないことをもっと宣伝すべき


 これを本当に言いたい。国民年金を納めるのは老後のためだけじゃない、いざというときのためになるんだよってことを理解してもらうための宣伝が足りないと思う。

 障害年金を受給できるのは、国民年金や厚生年金をこれまできちんと納めてきたひとだ。もともと経済的事情があって支払えない場合もあるけれど、そうじゃないのに払わないひともいるだろう。
 理由がないのに払わないひとには、もしケガや病気で生活に支障がでているときに、障害年金というものに助けてもらえるよ、ということを知ってほしいのだ。これは、宣伝したほうがいい。私には、このnoteで自分の考えをつらつら書くことしかできなさそうだから戦力になれない。
 ニュースで取り上げられるのは、高齢者の年金がどうのこうのという話ばかり。”老後より今が大変だから”と、免除してもらったりするひともいる。何が大事かは、そのひとの考え方だ。今が健康なのに、”病気になるかもしれない、、、”と思って生活するのは悲しい。
 年金の支払いと障害年金受給の関係はこちらに書いてあったので、見てみてほしい。

障害年金は、年金加入者として年金を支払っている人が対象です。年金を全く支払っていない場合は、障害年金の受給はできません。ただし、一部期間の未払いや滞納歴であれば、場合によっては受給できる可能性があります。
鍵となるのは、障害年金の受給対象となる病気や怪我の、初診日の年金支払い状況です。原則として、初診日において保険料を加入期間の3分の2以上納めていれば、一部未払いがあっても障害年金の対象者となります。
保険料を加入期間の3分の2以上納めていない場合でも、直近1年間に滞納期間がなければ障害年金の審査に通ることもあります。年金の免除期間も支払っている状態として扱われるので、一部未払いや滞納歴があっても諦めずに、初診日の年金支払い状況を確認してみましょう。

https://shukatsu-support.jp/column/disability-pension/#:~:text=%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E5%B9%B4%E9%87%91%E3%81%AF%E3%80%81%E5%B9%B4%E9%87%91%E5%8A%A0%E5%85%A5,%E3%81%AE%E5%B9%B4%E9%87%91%E6%94%AF%E6%89%95%E3%81%84%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82


年金を納めていたらこういういいことがあるよ!」
「いざというときに役に立つよ!」
という、ポジティブなアピールで年金の納付を呼びかけたらいいのにな、、、、、、
ということを思っている。自分が何かできたらいいけど、他力本願で情けない。





 障害年金について記事にすると、結構たくさんのひとが読んでくださる。困っている方が、それだけ多いということだと思う。
 私がここで、精神疾患による障害年金申請の経験者として発信できることは引き続き発信していけたらいいと思うし、誰かのお役に立てていたらうれしいなと思う。

 ”誰かの役に立つ”ということは、社会に出られていない環境の中ではなかなか感じることができないので、本当に嬉しいなのだ。できることは、本当は何でもしたい。でも、心身がうまくいかないので、障害年金を受給させてもらって、今生きている。

 この1年間、実際に障害年金2級の支給を受けて生活してみて変わったこと、感じたことを、結局何が言いたいのかまとまってもいない文章で、長々と書いてしまった。

 
 最後までお読みくださった方、本当にありがとうございます。



 何かしら、苦しみを抱えながら生きる皆様のこれからの生活が、どうか、少しでもやわらかく、心のぎゅーーーーっとしたものがゆるまるようなものに、なりますように。

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