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光函

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●2004年 ゴザンスより発刊。現在絶版。
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記事一覧

光函

光池午前5時、老犬ジャンがめずらしく散歩をせがんだ。いつもは日が昇るまでぐうっと寝ている…

西原 正
5年前
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光函

月光 遠くで悲鳴が響く水田と 同じような灰色の家たち 二階から響く知らない人の声 からだの…

西原 正
5年前
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光函

夕暮れFantom 空に傷がない 濁った色がないよ 瑠璃色の夕暮れ まっしろな琺瑯のランプシェー…

西原 正
5年前
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光函

花束いちめんのハルシオンの花を刈取り小さな花束をつくった。それを静かに夜の中において私は…

西原 正
5年前
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光函

黄緑のシャツ 少年だった。  十字路の角から自転車に乗って飛び出てきた。全体に「洗い晒し…

西原 正
5年前
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光の織物 色も匂いも重さも ない。 だけれどそこに 織物があった 揺れる緑の葉 ふるえる深…

西原 正
5年前
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光函

手紙激しい雨をくぐり 硝子の水滴に弾かれ 生成りの布を擦りぬけてきて いつのまにか机の上につもっていく 静かな光 机の上に左手 考えもなくうらがえる掌 受け取るかたちをつくって うごきだした右手 あなたへの手紙 書くことができそうです 輝く水太陽が静かに浮かんだころ ふたりの声はやわらかな葉をつくった 脚を伸ばして 腕を巻いて 目を水でいっぱいにして 色を香にかえる光に 包まれた棕櫚の うえで澄んでいく 水 静かに聞えてくるふたつの脈 捜しあぐねていたのだろうか 声

光函

猫と南風 むかし猫の手品を見た 南風に波打つ河原の緑を 輝く黒猫が裁ち切って歩いていた 切…

西原 正
5年前
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夕立三日1 何日も続いた雨がぴたりと止んだ午後、朝からくすんだ眼をして、ベッドの上で丸く…

西原 正
5年前
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マリオネットの朝 二階の窓から青いツナギが浮いたまま 明けてくる空を待っている。 一階の窓…

西原 正
5年前
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光函

目次●意図 ●マリオネットの朝 ●Carco ●夕立三日 ■胡麻屋の辻   ・ひだまり    …

西原 正
5年前
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