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山村暮鳥《ある時》

  山村暮鳥の《ある時》(詩集『雲』)という詩が好きだ。


山村暮鳥 | ある時



雲もまた自分のやうだ
自分のやうに
すつかり途方にくれてゐるのだ
あまりにあまりにひろすぎる
涯のない蒼空なので
おう老子よ
こんなときだ
にこにことして
ひよつこりでてきませんか



 この詩を翻訳してみたい。
 まず、noteのAIアシスト機能を使って翻訳させてみたら次のようになった。


note AI アシストによる翻訳


Even the clouds are completely at a loss, just like myself.

The endless vast blue sky is too much to handle.

Oh Laozi, can't you smile and relax even in such times?


 詩の内容自体は、うまく伝えられている英文だと思う。
 だが、「あまりにあまりに」という反復は消えているし、「ひよつこりでてきませんか」の部分は「relax」になっている。私にはなんとなく違和感がある。

 AI 翻訳を参考にしつつも、自分の頭で考えてみた。


私の英訳


The floating clouds are
at the mercy of a gust of wind
and  completely at a loss what to do. 

Looking up at the clouds 
flowing in the firmament
makes me feel as if they were
one and the same with me. 

The clouds are to this vast firmament 
what I am to this vast expanse of earth.  

Oh, Laozi ! 
Let him be. 
I would like to meet him 
all of a sudden
when I feel left all alone. 


 山村暮鳥のオリジナルの詩より長くなってしまった(^-^ゞ。
 ここで、さらに拙訳を漢文っぽく書き直してみる。


私の英訳の漢訳


浮雲は
将に風の意のままに
ならんとす
途方に暮れし己もまた
かくの如し

蒼穹を漂流する雲は
我をして
彼我を一心同体なるものと
思わしむる

雲と此の果てなき蒼穹と
我と此の果てなき大地とは
互いに異なる処なし

老子よ!
老子を有らしめよ
こい願わくは
孤立せし我をして
我と彼とを
邂逅せしめんことを



春なのに、あまり晴れやかな気持ちにはならない。あたたかくなったな、と思えば急に寒くなる。
サクラを見に行こうかな、と思えば雨が降り始める。
いまは、そういう時期なんだろうな。
なんとなくな日がつづく。。。


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山根あきら | 妄想哲学者
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