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詩 | 秋晴れの考察

日照りの強い日がつづく真夏には
一雨降ればいいなと思う
少しは涼しくなればよいと
願いながら

雨の降りつづく秋の日には
晴れた空のもと歩きたいと思う
せっかく暑さがやわらいだのだから
風を感じながら

若いときには熱すぎるくらい
気持ちが燃えることもあったが
今は熱を帯びることを欲しない
熱すぎる想いは
身を焦がすことを知っているから

歳を重ねると冷淡なくらい
気持ちは冷えたまま
多少気持ちが熱を帯びることを欲する
冷めすぎた想いは
身を凍りつかせることを
知りつつあるから

最近秋晴れがつづいている
ちょっと暑いと思ったり
ちょっと寒いと思ったりしながら
本当にちょうどよかった気温の日は
人生の中で何日あったのかと
思いながら

それでも今日もまた生きている
生まれるのに一番よかった日に
ぼくは生まれたのだろうか?
死ぬのに一番よかった日は
ぼくにはあったのだろうか?

秋晴れのもと
このまま時が止まってくれたなら
幸せかもしれないと思いながら
そんなことはあり得ないと知りながら
今日もとりあえずぼくは生きている


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