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詩 | 虚無感 Nothingness

こころという「うつわ」は
どれほどの大きさをもつのだろう
もう入りきらないほどの
喜びに満ちたと思った瞬間の直後に
もっと満たされることを望む

こころという「うつわ」は
どれほど小さいものなのだろう
よく起こることが
起こったに過ぎないのに
すぐに悲しみが満ちあふれてしまう

こころの占める空間は
とれほどの広さをもつのだろう
ささいなことでも
身近で起これば
ねむれないほどの衝撃が襲う

こころの占める空間は
どれほど狭いものなのだろう
破滅的な大きな出来事でも
遠くで起これば
蚊に刺されたほども感じない

宇宙とこころは
どちらが広いのだろう
宇宙の中にこころがあるのか
こころの中に宇宙があるのか
ぼくにはなにもわからない

ぼくにわかっているのは
山の頂にいるときも
海の底にいるときも
ぼくのこころはいつも
いつも荒野にいるということだ


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