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詩 | 水平線の向こう側へ


なんとなく ひとりで海に やってきた。

青い波、水平線は、果てしなく。

地平線と水平線は似ているが、
どこがどう 違っているか
知ってるかい?

地平線は揺るがないけど
水平線はいつも絶えず揺れている。

不安なとき、落ち着かないとき、
落ち込んだとき、
心は絶えず揺れるから、
同じ様にずっと揺れている水平線に
心をひかれることは当然なんだ。

固定した地平線は
揺るがない自信がある者に優しく
絶えず流動する水平線は
揺らぐ不安を抱える者に優しい。

分かりにくいかい?
こういえば
多少分かってもらえるかな?
不安な気持ちを抱えた
揺らぐ海を泳ぐ魚には、
いつも揺らがない陸は
住みにくいこと、この上ないんだ。

自信に満ちたライオンは
いつも陸を好むが、
絶えず流動する海は、
絶対的なものがないことを
知らしめる恐ろしい存在。

目的を失った者は
揺らぐ海を目指し
確固たる自信をもつ者は
揺るがない山を目指す。

けどね
目的を失って海に来たのに、
ずっと水平線を見ていると、
不思議と水平線の向こう側を
想像してしまうんだ。

どうせ 水平線の向こう側とて
ずっと揺れつづけてるだけだろうけど
揺らいで 揺らいだ先に、
もしかしたら
揺るがない水平線というものが
あるんじゃないかと
不思議と期待する気持ちが
徐々に芽生えてくるんだ。

陸上の地平線と 心の地平線とは
いつも平行線だが
水上の水平線は 心の水平線とは
いつもどこかに交点をもっている。

共感なんか求めていない。
だけど、少しだけ
僕の心の水平線と
君の心の水平線との
交点があったならば、
僕はそれだけで生きていける。

たとえそれが
絶えず揺れつづける
交点であったとしても。


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