【ほっこりあたたかな動物たち】鈴連舎 インタビュー
鈴連舎 作品展『かたわらに猫』を、2024年2月14日(水) – 2月25日(日) の期間にピカレスクギャラリーで開催いたします。
今回は、鈴連舎さんにご自身のことや制作エピソード、今回展示される作品についてインタビューしました。ぜひお楽しみください。
ー 自己紹介をお願いします。
はじめまして、鈴連舎(すずれしゃ)です。
日常の生活空間にさりげなくたたずむ動物たちをテーマに、パン屋で働きながら木彫り作品をコツコツ制作しています。
昔から手で何かをつくることが好きだったのですが、5年ほど前、木を使って動物を彫ってみたときに、とてもしっくりくるものがあり、それから木彫りの世界に夢中になりました。木の素材特有のあたたかみを活かして、気持ちがほっとするような作品をつくっていけたらと思っています。
好きな木材はクスノキです。
ー 現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。
小さい頃から猫が好きで、その動きや表情にいつも魅了されていました。猫は、まなざしひとつとっても、他の動物より印象的な気がしています。黒目の大きさや、まぶたの開き具合でも大きく表情が変わるので、その微妙なニュアンスを木で表現できればと思い、制作しています。また、縦横無尽な動きをするところも、魅力的です。いつか猫と一緒に暮らしてみたいと思っているのですが、まだその夢は叶っていません。
ー 現在使用している素材で作品をつくる理由を教えてください。
着ぐるみ製作の仕事をしていた時、発泡スチロールを削って形をつくることが多かったので、仕事の合間に余った素材で彫刻の練習をしていました。
そのうち、木を使って作品をつくってみたいと思うようになり、休日にコツコツ小さな動物を彫るようになりました。現在は主にクスノキやホオノキを使って制作しています。これからもっといろんな木を試しつつ、自分に合っている木材を見つけていきたいです。
ー 普段、何からインスピレーションを受けていますか?
以前は近所に地域猫(ハチワレ)がいて、癒されつつ観察していたのですが、転居して身近に猫がいなくなってしまいました。最近は動画や画像を見て、このポーズはかわいいな、この猫の柄はおもしろいなと参考にして、作品に落とし込んでいます。動物の写真集や、動物園にいる生き物たちからもアイデアをもらうことがあります。
ー 影響を受けたアーティストは誰ですか?
江戸時代後期、日本中を旅しながら木彫りの仏像を彫り続けた木喰上人(もくじきしょうにん)です。数年前に山梨の博物館の展示で初めて目にしました。一般的な仏像とひと味違い、見たことないくらい表情豊かなその姿に心和まされ、そういう作品をつくってみたいと思いました。90代になるまで旅をしながら彫り続けたその生涯。私も木喰上人さんのように長く木彫りを続けていきたいです。
ー これからどんな作品を作りたいですか?
表情だけでなく、体の動きから感情が読み取れるような彫刻をしていきたいです。猫だけでなく、さまざまな動物もモチーフにしてきたいと思っています。また、ブローチや帯留などの身に付けられる小物も気になっています。
以前、展示で参加したマルシェで「玄関のドアを開けて、この木彫りのねこが待っててくれたらほっとしますね」とお客さんが言ってくれたことがありました。そんな感じで、生活空間にさりげなく溶けこみ、作品と一緒に暮らす人の気持ちをほっこりと温かくさせるようなものがつくれたら思っています。
ー ご出展いただく作品のコンセプトを教えていただけますか?
「ハチワレ猫(伸び)」
動物の中でも猫が好きです。以前、ハチワレの地域猫が近所にいたので思い入れがあり、よく制作する猫の模様です。
物を持ち上げるポーズの猫をつくりたいなと思ったので、後脚としっぽの3点でしっかりと踏ん張れるようにしています。バランスの取りやすいものでしたら、多少の重さのものは手の上に乗せられます。安定感があるので、少しの間なら逆立ちもしてくれます。
抱っこを求めて立ち上がってるようにも見えるので、上から見下ろしても癒されると思います。チャームポイントは肉球です。前後の足の平に肉球を彫り込んで、ピンクに着色しています。
「しろくまとギター」
のんびり屋さんのしろくまがお気に入りのギターを弾き、ゆったりとした時間を過ごしています。初めてヒノキを使って制作した作品です。
彫りやすく、香りも良いのですが、着色後に木目が残りやすく、色ののりにムラが出て大変でした。でも、それが味わいにつながって、深い表現になったと思います。音楽を聴くときにそばに置いたりして、目と耳で楽しんでもらえたらうれしいです。
「りすの頬袋」
冬に向けて、木の実を頬袋(ほおぶくろ)にこれでもかと詰めこんでいる姿です。頑張ればもう1個入るかな、と考え中。これからの厳しい冬の寒さに備えて必死な姿が、可愛く見えます。
目やお腹、背中の模様は着色していますが、ベースの色はクスノキ本来の色を残しつつ最小限の着色で表現しています。手乗りサイズで、木の色味を活かすなら、りすが一番かなと思った作品です。
ー お客さま、ご来場予定の皆さまにメッセージをお願いします。
このたび、ピカレスクギャラリーさんにお声掛けいただき、初めての展示販売させていただくことになりました。手元にある作品たちはどれも愛着があるもので手放すのがすこし淋しいですが、気に入った方に大事にしていただければ、また新たな喜びになると思います。
今回の作品展「かたわらに猫」では、ちいさな猫をメインに30点ほど展示します。一つひとつ表情が違うので、目線を合わせて心の中で会話してみてください。ぜひご来場いただけたら嬉しいです。
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鈴連舎さん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。
皆さまはどのエピソードが心に残りましたか?
ピカレスクスタッフは、「表情だけでなく、体の動きから感情が読み取れるような彫刻をしていきたい」というお話が印象的でした。この記事でご紹介した動物さんたちも、グーっと伸びていて気持ちよさそうだな、音楽が好きなんだろうな、もぐもぐと一生懸命でくいしん坊なのかな‥?!など、それぞれの個性がうかがえる動きやシルエットが可愛らしいですよね。
鈴連舎さんの展示作品実物を一堂に鑑賞できる貴重な機会です。皆さまのお越しを、お待ちしております。
鈴連舎 作品展『かたわらに猫』
〈会期〉2024年2月14日(水) – 2月25日(日)
〈詳細〉https://picaresquejpn.com/suzuresya_exhibition_2024/
〈鈴連舎 公式SNS〉
Instagram https://www.instagram.com/suzuresha/
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【基本営業日時】
*営業 水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休 毎週月火
*会場 Picaresque Gallery
*住所 東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話 070-5273-9561
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■開催中&過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/
■開催&開催予定の展示一覧
https://picaresquejpn.com/exhibition-calendar/
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