マガジンのカバー画像

「私」

9
歩いてきた道の話。
運営しているクリエイター

#言葉

「へん」な子の変遷

「へん」な子の変遷

梅雨とは思えない程からっとして、太陽が全力を出している朝のこと。

同級生とすれ違った。

あ、おはよう。

うん。おはよう。

ねえねえ、-1さんって変な子だよねってこないだ友だちと話してたんだよ。

?????

ん?
え、変な子?
、、私認知されていたの?
、、、ちゃんと話した記憶ないけどなぁ?
たくさんのクエスチョンマークが浮かぶ。

あまりにもさらっと言うものだから、あ、ふ〜んとしか言え

もっとみる
「なんて」で投げ出してしまう全てに。

「なんて」で投げ出してしまう全てに。

明日なんて。

過去なんて。

愛なんて。

私なんて。

未来なんて。

人間なんて。

「なんて」
なんて、便利な言葉だろうね。

※※※

5月末、50人ほどが参加するイベントを企画している。
直前になって、ドタキャンが多発した。
一緒に企画している子のひとりは怒っていた。私は?あれ、怒ってない。予算どうしよう。準備してたけど、考え直しかな。それは思う。だけど、それ以上は思わない。ああ、こん

もっとみる
逃避行の最終章。

逃避行の最終章。

大学生になってからのこの2年。
その時間をわたしは「逃避行」と名付ける。

いつか、わたしの人生を振り返ったとき、その他とは異質である意味での現実から離れた期間だった、と思うだろう。有り得ないくらいたくさんの感情で溢れていた。

逃避行の記録この2年間、私は毎日必ず日記を書いた。

いつかのわたしのために。

1日が積み重なって今があるということを忘れないために。

初めの頃は食べたものとかその日

もっとみる
n回目の東京。ここではないどこかへ、行きたかった。

n回目の東京。ここではないどこかへ、行きたかった。

「ここではないどこかへ、行きたい」

ずっと、そう思っていた。

※※※

1回目の東京。

2013年。たぶん、春。

海外に赴任していた父の帰国に合わせて、母と妹と新幹線で向かった東京。

駅で待っている父の姿をいまだに覚えている。それ以外のことはほとんど遥か彼方に葬られてしまった。
唯一記憶に残っているのは、建設されたばかりの東京スカイツリーに行ったこと。
エレベーターの中はきらきらとピンク

もっとみる