あみ奥様ストーリー⑭
再びシャワーを2人で浴びると、気持ちも体もさっぱりとして、血が通い始めたような心地だった。
再び明るい笑顔のお姉さんになったあみさん。リラックスした様子で、色々と話してくれる。
「最近、コンビニで美味しい飲み物見つけたんですよ。いちご味とバナナ味とあって、おすすめは……」
好きな食べ物や、俺の仕事についてなんでもない会話をする。会社を継ぐかもしれない、と少し話してみると、笑顔で応援してもらえた。
「えー、それってすごいじゃないですか! 社長、頑張ってください!」
「いやいや、小さい会社だし、まあ、なあ」
「あ、もう社長っぽい!」
そんな冗談にも背中を押されるようにして、力が湧いてくるように気分が明るくなっていた。覚悟を決めたとはいっても、どこかでまだ怖気付いていたのかもしれない。
終わりを告げるタイマーがなった時は名残惜しさに気分も落ちた。が、これきりじゃないと思い直すと、むしろ楽しみになってくる。
「今日はありがとう。また頼むよ」
「ありがとうございます! 私もマサルさんと会うの、楽しみに待ってますね!」
とびきり明るい笑顔と返事がきた。
気晴らしにと思っていたが、これからの楽しみがひとつ増えていた。やりがいそっちのけで忙しくきつい日々がやってくる中で、これは本当に嬉しい。
次はとびっこコースも試してみよう。
秋晴れの空の下、足取り軽くそんなことを考えていた。
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