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春、それはこれからを考える季節

こんにちは。
ペルソナ株式会社 シニアコンサルタントの金子です。

「もうすぐ春ですね」と言いたいところですが、この記事を書いている日はとても寒く、指をかじかみながらキーボードを打っています。

さて、4月はいろんな人にとっての「新しい」が溢れています。

新社会人の方にとっては期待と不安を抱えながらの入社。

すでに社会人の方にとっては、会社によっては異動だったり、もしくは次のアサインが決まり始めていたりする、そんな時期です。

今回は、「新しい」ことに立ち向かう方々へのエールになれば、という思いを込めて、私自身の「仕事でのやりがい」についてお伝えします。

記事を読んで、自分も似たようなことあったな、こういうこともあるんだな、と風のように通り過ぎる7分間になれば幸いです。

新卒入社の会社から垣間見えるもの


キャリアコンサルタントとして、日々いろんな方とお会いし、履歴書、職務経歴書を見ています。

見るポイントはいくつかあるのですが、
そのなかでも「新卒入社した会社を選んだ理由と根拠」について、想像を膨らませ、ご本人にお聞きしています。

ほとんどの方が、学生やアルバイトでの経験、それまで得た知識や受けた影響により、応募先を決め、就職先を決めているのではないでしょうか。

地域や職種限定での就職もありますが、日本では総合職として入社するケースが少なくありません。

どの職種なのかは入社しないと分からなかったり、入社後も異動により変化します。

でも、どの「業種」を選んだのか、またその理由は何なのかは、その方の価値観のようなものが垣間見えます。

社会人として生きていくなかで、その価値観が変わることも大いにあるでしょう。価値観を変えるような人との出会いもあるでしょう。

ですから、私が転職エージェントとして転職希望者の方と面談をする時点で、必ずしも新卒で入社した会社の判断基準、価値観がいまも継続しているとは限りません。

ただ、そこにはその人なりの「ストーリー」がきっとあるはずです。

私は、学生時代にアルバイトをしていたファーストフード店で、お客様から「美味しかったね」「気持ちがいい接客だね」と言われると、仕事を頑張ろうと元気をいただいていました。

そして何よりも、笑顔で「ありがとう、またくるね」と言われたときが何よりもうれしかった。

そこで、新卒では飲食店を運営する会社に入社しました。

今はやり方は変わりましたが、企業の採用担当の方や、転職希望者の方から「ありがとう」と感謝の言葉をいただくと、心が浮き立ち、胸が震えるほどうれしくなります。

叱られるよりもつらいとき


私は数回転職をしています。
20代半ばで入社したのは、企業課題に応じた教育研修・調査を行う会社でした。

とあるデパ地下の店舗を覆面調査員が実際に接客を受け調査し、項目ごとに点数を付け、どういう対応だったのかをフィードバックする。

顧客満足度調査を行い、その結果に基づき、どういう研修がよいのかを企画し実施する、という仕事をしていました。

年4回行われる覆面調査のランキングは百貨店からの店舗撤退の判断軸にもなるというものです。

あるとき、調査報告書にミスがあり、ランキングが変動することが発覚。

冷や汗が止まりませんでした。

数ある店舗をまとめている委員長は、老舗和菓子の会社社長。

すぐにお詫びをさせていただきたいと連絡をしました。

雷を落とされるのではないか、怒鳴られるのではないかと、胃をキリキリさせながら訪問したことを覚えています。

結局のところ、社長は怒鳴ることもなく、淡々とこれからどうしていくのか、各店舗への説明はどうするのか、という未来の話をされました。

叱られるよりも、責められるよりも、つらかった。


拍子抜け、ではありますが、その器の大きさに深く感謝したのと同時に、この方に恥をかかせられない、と気を引き締めました。


そして、その会社から転職して数年後、老舗和菓子の会社が倒産したことをニュースで知りました。

社長の顔が思い浮かびました。

せめてもと思い、店舗に行き和菓子を購入し店員の方に「応援しています」と伝えました。

いまはとある企業の傘下に入り、数は減りましたが店舗運営し菓子の販売を継続しています。


社長からいただいた和紙で作られた名刺は、いまも大切に持っています。


私は何者なのか


そして、転職エージェントとしてキャリアをスタートしたのは9年前。

これまで毎月20名ぐらいの方にお会いしてきたので、ざっと2000名強ほどでしょうか。

それぞれの方にストーリーがあります。

この仕事がすごいなと思うのが、初対面の人から、時には苦しみ、悩み、不本意な異動のこと、人間関係の悩み、ご家族の悩みなどをお聞きする、ということです。

身近な知人や友人、家族には話さないようなことを、初対面の人に赤裸々に話してくださるのです。

初対面でも、キャリアコンサルタントとして、プロとして期待をして、転職希望者の方は時間を取り、話をしてくださいます。

企業の採用においてもそうです。

社内の方も知らないような情報を伺い、今後を担う方をご推薦します。


だからこそ、誠実に真摯に向き合わないといけないといけないと思っています。


いまでも、転職希望者の方との面談のときも、クライアントとの打ち合わせのときも緊張します。

実は話しているとき、心臓がバクバクしています。

終わった後はぐったり、でも元気になるのが不思議です。

私は何者でもない


転職エージェントの仕事とは、採用する企業と転職希望者との出会いの創出です。

仕事を始めたばかりのとき、こんなことがありました。


とある企業にて内定が出たものの転職希望者の方が辞退。

私は、転職希望者の方の志向、希望からすると辞退もやむなし、と思っていました。

しかし、その企業の役員の方から「どっちの味方なんだ」とお叱りを受け、「担当変えてもらう」と言われたことがあります。

内定が出たということは、その企業からすると是非入社してほしい人材。

その企業の担当として、私は内定を受けるよう転職希望者の方を後押しするべきなのでしょうか。


でも、転職希望者の方にとっては他の企業のほうが魅力的だった。


私は、最初はどちらにバランスを取ったらよいのか悩みました。


転職エージェントは、企業側(リクルーティングアドバイザー)と転職希望者側(キャリアアドバイザー)のどちらか、もしくは両方を担当するのですが、私は両方を担当していました。

ご紹介して入社した方の年収の何割かをフィー(報酬)として、企業からいただき、転職希望者の方からは金銭はいただいていません。

報酬をいただく、という切り口で見ると、企業側に比重を置くのが正解なのかもしれません。


私なりに考えた結果、「どちらでもない」という結論に至りました。


というのも、企業が内定を出している方が入社したとしてもその後活躍するかわからない。

一方、転職希望者にとって現時点では他企業のほうが魅力的だったとしても、そうとも限らない。

世の中に絶対はない。

私が、自分が決めたと思うのは、エゴだ。

だから、それぞれが「納得のできる決断」ができるよう、できうる限りの情報提供をする。

そういう結論に至りました。

そう思ったらスッキリして、目の前のことに、目の前の人に最善を尽くそう、と行動がシンプルになりました。


ちなみに、お叱りを受けた企業ですが、即アポイントを取り、「担当を続けさせてほしい」とお願いをしました。

結局のところ担当は変わらず、その後にその企業の採用支援数はトップクラスになりました。


人が介在する意味とは


転職エージェントの仕事が、これからAIに取って代わられるのか、というと分かりません。

効率化・効果的になる一面もあると思いますが、AIが判断するための材料は人が集めますし、なくなることはないのではないか、と私は考えています。

求人サイトでは、レコメンドといわれる推薦機能により、あなたにおすすめの求人、あなたが見ていた類似求人が表示されるようになっています。

これまで蓄積されてきたデータをもとに、マッチ度、内定確度、書類選考確度は◯%と表示されたりもするでしょう。


世の中には情報が溢れています。


採用HP、口コミサイト、SNSなど情報が多すぎて、選別できないのではないでしょうか。

本当なのか、嘘なのか。判別できません。

マッチ度100%と出た求人があったとして、100%信じられますか?

私は「本当かなぁ」と思ってしまいます。


データには反映されない情報もあります。反映できない情報もあります。

やっぱり、人が介在する意味があるのではないだろうか、と思うのです。

春、それはこれからを考える季節。

桜が咲くと、携帯を見ていた目線は上になり、いつもは足早に歩く道をゆっくりと進む。

だからでしょうか、上を向いて歩くと、気持ちも上に向くような。

なんだか、うれしさと切なさが交差するような気もします。


私は何者でもありませんが、誰かに話すことで整理できることもあると思います。

キャリアに悩んだときは、お気軽にご連絡ください。


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