納得できない見送り理由はなぜ?
ペルソナの金子です。
人材紹介業の仕事は好きですが、苦手なことがあります。
候補者の方にお見送りの連絡をすることです。
私自身も何度か転職活動をしているので分かるのですが、面接の見送り連絡が届くと、まるで自分という人格を否定されたような気持ちに少なからずなります。
見送り理由を見て「なぜ?」と思ったことはありませんか?
・募集要件をクリアしているのになぜ書類が通らない?
・総合的な判断とはいったいどういうこと?
・活躍できるイメージが湧かなかったとはどういうこと?
月並みな言い方になりますが、採用・転職は、ご縁とタイミングだと本当に思います。これは人材紹介業の仕事をすればするほどに実感していることです。
今回は、候補者の方にとって納得できない見送り理由について、採用企業と転職活動をする個人の間に立つエージェント視点で感じていることをお伝えしたいと思います。(いつか、採用企業にとって納得できない辞退理由についても書いてみたいと思います)
見送り理由をひも解く
複数の候補者がいて相対的に見送りの場合もあれば、絶対的な理由で見送りの場合もあります。
・話が冗長的で分かりにくい、言いたいことがよく分からなかった
・組織のバランスとマッチしない
・カルチャーが合わなさそう、メンバーと合わなさそう
・思っていたよりスキル不足だった
などなど
なかには、書類選考のときに分かったことではないのか?どうして面接したのか?と思うことがあるかもしれません。たしかに書類で読み取れることはたくさんありますが、とはいえやはり「会ってみないと分からない」ことがあります。
特に、定性的で物事が数値化できない要素についてのフィードバックは、納得しにくいことがあるかもしれません。
たとえば
組織上のバランスがマッチしないという理由の場合ですが
組織上のバランスとは、年齢、年収、役職(=裁量)です。
・上司が年下、部下となる候補者の方が年上。気にしない人・気にならない人であればよいが、実際に話をしてみると年功序列の考え方が見え隠れする、プライドが高そう、謙虚さがなさそう。
・現メンバーや上司よりも年収が高い。入社後すぐに年収に見合った成果を出してくれるのであれば希望年収を出してもよいが、話を聞いていると再現性があるように思えなかった。
・優秀過ぎて手に余りそう。想定していたポジションよりも上位の役職でのポジションメイクも考えたが、いまのタイミングではオーバースペックで力を発揮できなさそう。仮に入社したとしてもそのうち物足りなくなって早期退職しそう。
面接を受けてくれる応募者も、企業にとっては広義的なお客様です。あまりにも生々しい言葉で伝えて誤解されてしまう可能性があることから、先述のようなぼかしたようなそれっぽい言い回しになります。そもそも、明確に言語化できておらず「なんとなく合わない・ピンとこない」ということもあります。見送り理由を伝えられた側としては、ぼんやりとしていて納得感がなく「なぜ?」と思うようになります。
採用・転職は、売り手市場・買い手市場と言われるように需要と供給が合致して成り立ちます。納得感がない見送り理由の原因のひとつは、”需要”を的確に捉えられていないことにあります。
現在地を知るために事実を集める
需要をなるべく的確に捉えるにはどうしたらよいのでしょうか。
それは、事実を集めることです。
面接官からどういう質問がくるのかを想定し、理想的な回答を準備することに時間を割く方が多いですが、いつも口酸っぱくお伝えしているのが”その企業を知るための質問をする準備に時間を割くこと”です。
HP、SNS、エージェント、知人などからの情報を鵜呑みにし過ぎず、自分で質問して事実(ファクト)を集める場として、面接にのぞんでいただくことで理解を深めることにつながります。もともと知っていた以上の付随した情報を知ることもできます。
なぜならば、表に出ている情報は、公開したっきり更新されておらず最新情報ではないことが多々あるからです。たとえばHPは会社としてオフィシャルな要素が強くリアリティが弱いですし、マイナスなことは書かれていません。マーケティング部門や委託先に更新・保守を依頼するためタイムリーでもありません。そこで最近は担当者が気軽に更新できるnoteを活用するケースも増えました。
準備しなければ、面接で質問はパッと出てこないものです。
たとえば
・なぜ内部昇格ではなく外部から部長ポジションを採用することにしたのか
・欠員であれば、前任者のような人を求めているのか、それとも新たにどういう人を採用したいと思っているのか
・どんなことに困っているのか
・短期的、中期的にどんなことを期待しているのか
文字にすることには躊躇われる情報、伝えきれない情報があります。それは求人情報にもHPにもSNSにも書かれていません。面接の場で口頭だからこそ伝えらえる情報を面接でいかに引き出せるか。そのためには、何を話すかよりも、”何を訊くか”が重要です。
そして事実を集めたうえで、自分の現在地、ポジショニングマップと照らし合わせます。
たとえば
・役職にこだわらず粛々と専門的に仕事をする人
・周りを巻き込み全社横断的に立ち回れる人
・自分ですべてをやってしまうのではなく、権限移譲や育成しながら組織をつくることが得意な人
自分の得意ゾーンと、企業が求めている役割とがマッチしているかどうか。ここがズレていると”見送り”という結果になります。
納得できない見送り理由だったときは、表面上の情報と自分の現在地を照らし合わせているのかもしれません。
情報が溢れている時代、事実を知ろうとし見極める力がこれからもっと必要になると想像しています。転職活動をしている方には、私たちエージェントも含めて、いろんな選択肢をうまく活用して、納得のいく決断をしていただければと思います。
ペルソナ株式会社 金子
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