ルパンプキン

趣味で物語書きます。基本短めです。

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最近の記事

世界大戦

「まもなく第〇次世界大戦が始まろうとしてます」  各国の記者が世界大戦の開戦をそれぞれの国に告げている。二〇XX年、地球では数年に一回世界大戦が行われるようになった。この世界大戦はたいて数日間行われ、戦うことで国の優劣を決めることができ、その数年間の地球をまとめる国が決められるのだ。各国の首脳陣はこの大戦の一年前から国の代表者を決めるべく動いている。そして、この年の開催国は日本の首都、東京である。 「おい、開催国がまだ代表を決められていないなんて前代未聞だぞ」  アメリカの大

    • 正月の訪問者

      1月2日、世間的には冬休みである。僕は家でビールを飲みながら読書をしたりゲームをしたりと怠惰な生活を送っている。正月特有のお笑い番組を見ながら漫才師のかっこよさに惹かれたり、歌番組を見て歌手に憧れたりしているが、現実そうはいかない。 僕は普段は中小企業の営業として働いていて、企業としても年末年始の休みがあるくらいだから今の言葉で言うホワイト企業だろう。 ホワイトとブラックの区別も曖昧な時代であるから必ずしもホワイトではないのかもしれない。ただ僕がそう思うからホワイトである。

      • 株式会社リストラ

        私は株式会社リストラの社員である。世間からは悪名高い会社だと言われている。 今日はC社をリストラして来いと命令された。 C社は昔上場企業であったが、ここ数年ライバル社のB社が現れ、あっという間に抜かれて落ちぶれた企業となっている。 「Cさんこんにちは、私株式会社リストラのNと申します」 「株式会社リストラ、ついに来てしまったか、だが俺はもう全てを捨てるよ」 C社長は吊るしたロープに首をかけようとしている。 「死のうとしてるのですね。勘違いしているようですが、株式会社

        • 本物

          とある河川敷に中学生くらいの少年が2人が会話をしている。 「この間よ、これ拾ったんだよね。」  Tはそう言って俺に拳銃のレプリカのようなを見せてきた。 「拳銃のレプリカ?」 「そうそう、よく見ると精巧に作られててさ重みもずっしりあるんだよね。」 「へえ。」  俺はあまり興味は惹かれていなかったからか腑抜けた返事をしてしまった。 「おいおい、もう少しリアクションしてくれよ。俺らまだ15歳なのに18禁のレプリカ手に入れたんだぜ。ここまでワクワクすることないだろ。」 「悪かったよ。

          音楽と願望

          「あのさ、この時代って本当にいいよな。」  男はスマートフォンにイヤホン繋ぎ、それを耳に当てている。 「ん?急にどうしたんだよ。」  同じ部屋にいる本を読んでいる男は何言ってるんだと言わんばかりの顔でイヤホンをつけた男を見て聞き返した。 「いやさ、こうやって好きな音楽がいつでも聴けるって素晴らしいなって思ったんだよ。ひと昔前ならありえないわけだろ?クラシック音楽が主流だった時代の話だけどさ。」 「まあ、確かにな。昔に比べたら本当便利な時代になってるよな。100年前はレコードす

          後悔

          彼は死んだ。もうこの世にいない。  会社のデスクに置かれたスマートフォンの着信音が鳴っている。デスクに座っている若い男は知らない番号だったので少し躊躇ったが、電話に出た。 「もしもし、イイダです。」 「あ、イイダ、久しぶり、俺だよ俺、オノだよ。」 「おお、オノか、久しぶりだな、オノが掛けて来るなんて珍しいな。最初知らない番号だから誰かと思ったよ。」  オノとは大学時代の友人の一人で、サークルと学科が一緒だったのがきっかけで仲良くなった。 「こないだ電話番号変えたばかりなんだ

          夢のロボット

          とある研究施設、博士とその助手が目の前にある人型のロボットを見て会話をしている。 「ようやく、完成した。夢のロボットが。」 「博士、ようやくこの時が来たのですね。」 「うむ、何十年とかかってしまったがな。このロボット一台あれば何でもできる。人間が怠惰になっていきこれからはこのロボットの時代が来る。このロボットたち中心の世界となる。早速起動させよう。」 博士はロボットの背中にあるボタンを押した。ロックンロールの起動音が鳴り、ロボットの目のような部分が青く光った。 「コンニチハ、

          夢のロボット

          サプライズ

          男と女が二人でコタツに入りながら会話をしている。 「ねえ、明日何も決めてないけど、どうするの?」 「明日?ああ、記念日ね、どうしよっか。」 「今忘れてたでしょ。」 「いや、忘れてないよ、2年と7ヶ月だろ?」 「そう、しっかり覚えてるならいいけど。」 「忘れるわけないよ、だって、、あ、えっと、、8って僕の好きな数字だから覚えやすいし。」 男は顎を触りながら少し慌てるように言った。 「何よそれ、ねぇ、何か隠してるの?」 「ん、何もないよ。記念日だなって。」 「へぇ、でもあなたが顎

          人類滅亡

          あるアパートの一室、ベランダで煙草をふかした男は上空を眺めている。テレビには、「人類滅亡」と題された言葉がどのチャンネルでも流れている。隕石が落ちてくるようだ。 男は33歳独身、職業は自称音楽家、実際は音楽の道を諦めきれずバイトをしながらここまで生活してきた。付き合っていた彼女に先日振られてしまい、挙句の果てには、バイト先が昨日つぶれてしまい人生に絶望していた。男は自ら命を捨てることを考えていたが、今日、人類が滅亡するというニュースを聞き、自ら命を捨てなくても死ぬことができる

          年の瀬

          「はぁ、はぁ、はぁ、大変だ。間に合わないかもしれない。早く帰らないと。」 男は慌てた様に都会の歩道を走っている。 腕時計を見ると、時刻は23時30分。男は今日誕生日の妻におめでとうと祝いたいのだ。 男はおとといから出張で、昨日から携帯の調子が悪く妻におめでとうの連絡もできていなかった。だから男は日付が変わる前に家に帰り妻の誕生日を祝いたいのだ。 「やばい、やばい、やばい。」 男が走っているとある少年にぶつかった。 「痛てて、おじさんちゃんと前見て走ってよ。」 「申し訳ない、怪

          戦い

          プシュー 「Cもやられちまったか。」 「もうこんなの耐えられないわ。」 「仕方ないだろ、ここに逃げ込んできたのが運の尽きだ。あいつらを倒すのは無理がある、だから俺たちは逃げるしか無いんだよ。」 「逃げるって言ってもさ、あいつらは絶対追いかけてくるんだよ。毒も出してくる、これじゃあ逃げられないよ。」 「あいつらの毒が切れるのを待つんだ、そうなれば逃げ道が見える。逃げ切れればこの戦いに勝てるかもしれない。」 AとBはビルの隙間のような狭い場所に隠れてお互いに不安な表情を浮かべてい

          Let It Be

          とあるカフェの端の席で男女が会話をしている。 「なすがままにしてれば大丈夫。」 「いつもそれじゃん。今すごく真面目な話ししてるんだよ。」 「うん、知ってるよ。君が旦那さんと別れそうって話でしょ。」 「そうだよ。それなのになんなのよ、"なすがままに"って。適当すぎない?幼馴染の仲だから言うけどその"なすがままに"ってやめた方がいいよ。あなたの相談受けた人みんなその言葉言われたって言ってたわよ。そういうこと言ってばっかだから彼女に振られるんだよ。」 「それとこれとは関係ないじゃん

          サイクルベルマン

          「お前、俺らがカンニングしてるってことバラしたろ。前々から気にいらねぇって思ってたんだよ。」 「僕は言ってないよ、僕はないもしてないよ。」 「うるせぇ、知ってんだよ、先生にバラしたってことをコイツからから聞いたんだよ。」 「僕は本当に何もしてないんだよ。」 「本当に何もしてないなら金よこせよ。」 とある小学校の通学路の脇道で少し大きな小学生Bと、その相方のCが同じクラスのD君を脅している。いわゆるイジメだ。 「お金も持ってないんだ、許してよ。」 「許すわけないだろ、こっちはな

          サイクルベルマン