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富士山に集まる観光客の数に驚愕したのです。

富士登山が無事に終了した。

人生で初めての富士登山に行ってきたことによって、いろいろと感じたこと、考えたことがあるので、これからしばらくはそれに関する話を書いていこうと思う。

今回の富士登山は、山頂でのご来光を拝むために1泊2日のスケジュールを組んで行くことになった。山小屋泊なので荷物は少なめで済むが、初日の夕方に山小屋についたら早めに就寝し、日付が変わってすぐくらいに起床して真夜中に急斜面を登った上で、太陽が昇る前に山頂に到着しなければならない。

日常的にもあまり体験したことのない昼夜逆転スケジュールに対して不安を感じながらの登山だった。

富士山頂を目指すルートにはいくつかの種類があり、初心者向けのコースから上級者向けのコースまでいろいろある。

今回我々は、初心者でも比較的登りやすいと言われる吉田ルートを選定した。

麓の駐車場から吉田ルート5合目まで連れて行ってくれたタクシーを降りると、まもなく正午という時間帯にも関わらず、風がひんやりとして涼しいのを感じる。しかし、やはり太陽が照っているから、肌に日差しが突き刺さる暑さも同時に感じる。

周辺を見回してまず驚いたことは、5合目周辺の広い空間をほとんど埋め尽くしてしまうくらいに集っている登山客の数だ。これほどの人数がこれから富士山に入山するのか、と想像すると、とてもご来光時の山頂のキャパシティを越えてしまうのではないかと思ったほどだ。

しかも、それらの多くは外国人だった。アジア系を中心に、ヨーロッパ系、ラテン系など、様々な人種が集っていて、まるで異国の地に来たかのような感覚に陥った。

そんな周辺の様子に圧倒されながらも、登山用品をレンタルしておいた店に立ち寄って荷物を受け取り、着々と登山準備を進め、記念撮影を済ませてからいよいよ登山をスタートした。

開始早々バテないようにゆっくりと一定のペースを守って歩いていくが、それでも、少し動いてみた結果、普段の活動に比較してほんの少し呼吸が苦しいように感じる。これが高所の酸素の薄さか、ここから先は一体どのような世界が待っているだろうかと、不安とワクワクが混在した気持ちになった。

しばらく進むと、前方から従者を伴って馬が歩いてきたことに驚いた。こういう登山道では、車両が入れないような場所への荷物の運搬などに馬が使われていたらしい。今はどこまで使われているかわからない。その名残かもしれない。

しかし問題はそのこと自体よりも、彼らのものと思われるフンのニオイだ。5合目を出発した直後から、どこからともなくニオイがしていたのだが、ここでやっとその正体がわかった。

高所で酸素が薄いからしっかりと呼吸したいにも関わらず、そのニオイがあるからあまり深く息を吸えないという、当初全く想像していなかった状況に陥った。

なるべくそれらを気にしないようにして比較的なだらかな道を歩き続け、早くも6合目に到着した。

あれ?1合分ってこんなにあっという間なんだ、じゃあこの先もそんなに大変じゃないかも?

この先、そんな考えを持っていたことをすっかり忘れてしまうほどの道中になることを、このときの私は知る由も無かった。

(続く)

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