ドイツ大学院から直接『合格可能性ゼロ』と言われ、それでも合格したボクのドイツ大学院出願戦略−前半−
約1年前のボクは絶望していました。
あるドイツの大学院から直接「オヌシに合格の可能性はない。でも出願するのはオヌシの自由やでw」と言われたのです。
昔やっていたテレビドラマ「ライフ」のセリフ "お前の席ねぇぇから!"と言われた気持ちでした。
大学院:お前の席ねぇぇぇぇぇからっ!
ボク:ひいいいいい…ぴえん。
しかも、それは1校だけではありませんでした。複数の大学院から同じように「オヌシは出願要件を満たしていない」「オヌシは他のコース、もしくは学部からやり直すことを考えた方が良い」と言われたのです。
しかし、現在ボクは第一志望のドイツ大学院に合格し、ドイツの大学院で学んでいます。
完全に「負け試合」の状況からボクの海外大学院出願はスタートしました。では、どのようにして合格を勝ち取ったのでしょうか?
この記事では海外大学院、とりわけヨーロッパ(ドイツ)の大学院に出願する際にボクが用いた戦略をご紹介いたします。
前半の今回はドイツの大学院の魅力と、出願の難しい部分をご紹介いたします。
また、この記事でご紹介するボクの経験や出願戦略は他の国の大学院や専攻分野が異なる場合でも基本的には有効と考えています。
『この記事の概要』
✅ ドイツ大学院の魅力
✅ ドイツ大学院出願の難しさ
✅ 大学院出願の戦略
『ドイツ大学院の魅力』
実際にドイツの大学院に出願!と言われても、まずドイツの大学院についてご存知ない方もいると思うので、ボクなりに紹介します。
ドイツ大学院の大きな魅力と言えるのがが「学費の安さ」「立地の良さ」「第3言語の習得」「学術レベルの高さ」の4つです。
「学費の安さ」
通常英語圏の大学院に実費で進学する場合、国や専攻にもよりますが数百万円〜一千万円近くの学費が年間でかかると思います。
ドイツの大学院であれば、年間の授業料は無料〜数十万円です。
例えば、私の進学する予定のシュトゥットガルト大学の学費は年間€3000=40万円程度です。正直、40万円はドイツの大学院ではとても高い方だと感じています。ただ、この大学院に行きたいのでグッと堪えようと思います。他に出願した大学院は学費無料でした。
「立地の良さ」
ご存知の通り、ドイツはヨーロッパに位置しています(←そんなの知っているわ、ボケ眼鏡!という声が聞こえる…)。
ヨーロッパ周辺国、アフリカなどへのアクセスが良いので旅行好きには良い立地でしょう。
「第3言語の習得」
この記事を読んでくださっている多くの方が日本育ちで、英語を義務教育含め自学してきたのではないかと思います。私は長野県のドドドドドド田舎出身(ジョジョ)です。18歳までは電車の乗り換えもしたことがない田舎っぺ丸出し眼鏡子供オジサンでした。20歳頃までは日本語しか話せませんでした。
それはさておき、年々英語を使える日本人は増えているように感じます。近い将来「英語はできて当たり前、前田大然!」という状況になってもおかしくありません。あなたが「趣味、キャリアの為に英語以外の言語も使えるようになりたい、でも今からその現地の言語を勉強する時間はないから大学院の研究は英語でやりたい」という方であればドイツはかなりおすすめです。
「学術レベルの高さ」
ボクは本格的に出願するまでの数年間、世界中のいろいろな国の大学院をググり散らかし、舐め回すように調べてきました。
ボクが感じるのは「学費の安さと学術レベルの高さのバランスにおいてドイツは最強」ということです。しかも英語で開講しているコースが数多くあります。
ドイツはいわゆる国公立の大学・大学院が多く、そのほとんどにあまり差がないと言われています。もちろん差はありますが、日本の超有名大学とFラン大学のマウントの取り合いみたいな議論すら存在しないです。知名度よりもそこであなたが何をするかに評価軸が置かれます。
『ドイツ大学院出願の難しさ』
さて、ここまでドイツの大学院について魅力を4つご紹介しました!ドイツの大学院が気になってきあなた!ここからがポイントです!
意気揚々とドイツの大学院一択で出願を進めることを決めた1年前のボク。すぐに壁にぶち当たりました。ドイツ大学院出願は思っていた以上に難しかったのです。
ボクを始め、あなたも直面する可能性が高い「ドイツ大学院出願の難しさ」は以下の2点です!
①日本とヨーロッパ(ドイツ)の学位・単位システムの違い
ボクは国際学部卒で英語科教職課程にも在籍していたので全て合算すると150単位くらい取得していました。結構たくさん単位を取っていると我ながら思いました。
留学エージェント使っていなかったので、気になる大学院数校にとりあえず
① 自分のGPA付きのTranscript of records(成績証明書)
② CV(履歴書)
を添付したメールを送ったところ1校目から以下のメールが返ってきたのです。
電車に乗っているときにこのメールを読み「4 credits out of over 150?! F@ck sake!」と思わず声に出してしまったほどです。ボクがマンボウなら確実にショック死していたと思いマンボウ。
ちなみに、その後もっと行きたい大学院が見つかったのでこの大学には出願しませんでしたが、同じような返信がその後、数日他の大学院からも続きました。
ボクは「ドイツ大学院の単位互換、バグってやがる。ノーチャンスじゃんっ!」と怒り、悲しみ、そしてすねました。
学位・単位の互換システムが日本とヨーロッパ(ドイツ)では違うことが大きな課題でした。
ヨーロッパではECTSと呼ばれる共通の単位互換システムが存在しています。これによりヨーロッパ内の人々は共通の物差しで学位や単位を互換することができます。
例えると、ヨーロッパ圏内では共通の通貨としてユーロを国境を超えても使うことができますが、日本ではユーロではなく円が使われているような感じです。
日本はECTSのシステムに沿っていません。しかし、あなたが出願する場合、あなたの学位と単位はドイツのシステムで互換、判断されます。つまり、あなたが日本で取得した単位がそっくりそのままドイツの大学院に適用されるとは限らないのです。
②専攻分野の一貫性
2つ目の難しさとして、ヨーロッパでもとりわけドイツの大学院は「専門性」「学部と大学院の専攻の一貫性」を重視することです。
アメリカを例にとると、学部時代の専攻と修士課程で志望している研究分野が全く異なる分野でもOKな場合があります。学部の4年間の中で専攻を変えることも至極普通なことです。しかし、ヨーロッパ、とりわけドイツは専攻の一貫性を重視します。
ボクはこの部分でもドイツ大学院との相性が最悪でした。
ボクの学部時代の学位は「国際学」でした。日本の偏差値50いかないくらいの私立大学で、カリキュラムはリベラルアーツっぽい感じでした。さまざまな分野(国際学、文学、カルチュラル・スタディーズ、経営論、教育学、言語学 etc.)の単位を少しずつ履修していました。
一方、大学院でやりたいことは「応用言語学」です。しかも、かなり理系寄りの研究内容です。
学部でやってきたことは「国際学」で、正直ほとんど言語学の単位は取っていない。しかし、大学院でやりたいことは「応用言語学」。
そんなボクはドイツの大学院のシステム的には「専攻に一貫性がなく、大学院に迎えるほどの基礎も、専門性もなさそうなポンコツ眼鏡おじさん」でした。
ドイツ大学院と出願者の相性をまとめると…
①日本とヨーロッパ(ドイツ)の学位・単位システムの違い
②専攻分野の一貫性
という2つのポイントドイツ大学院と相性最悪だったボク。
完全に「負け」を確信しました。
当時参加したIELTSオフ会では「負け犬感MAX」で弱音を吐いていた記憶があります。
『大学院出願の戦略』
当然、このままでは何校出願しても全て不合格だと思いました。
ボクは戦略的に出願準備をすることにしました。合格の可能性を最大化するためです。
戦略と準備がいかに大事かというと…
3校に出願しました。その内、2校の難易度と志望度が高かったので戦略と準備をMAXしました。もう1校は難易度も志望度もそこまでだったのでとりあえず出願しました。戦略も準備も最低限しかしませんでした。
結果的には、きちんと戦略と準備をMAXした大学院には受かり、戦略と準備を最低限しかしなかった大学院には落ちました。
もちろん多少の運もあります。しかし、戦略を立てて、それに沿って準備することが必要だとよく分かる結果でした。
さて、ボクはどのように戦略を立て、第一志望の大学院に合格したのでしょうか?ボクは以下2つの戦略を立てて出願の準備をしました。
具体的な戦略が気になる方は、以下より記事の後半をお読みいただけます!
この戦略はドイツはもちろんそれ以外の国の海外大学院を考えている方の役に立つと思います。
今、少しでも合格できるか不安という方には是非読んでいただきたいです。
− ぺんぎぃぃぃぃぬ −
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