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【紫陽花と太陽】あとがき 深謝申し上げます

長編小説「紫陽花と太陽」の公開が全て終わりました…!

本当に、本当に本当〜に
長らく読んでいただきました皆さまに
心からの感謝を申し上げます…!!!!!

物語の緩急をつけるためとはいえ、とても暗い内容も盛り込んでおり、気軽に読んでくださいねとは言えない作品となりました。

後悔はしていませんが、公開する時は毎回とてつもない勇気が必要でした。

自分だけが読むのと違い、読み手がいる。
画面の向こう側にいる方々に、一体これらの言葉がどのように届いてしまうのか、いつも緊張しながら公開する日々でした。

それでもやり遂げたことは、自分にとってとても学びに繋がりました。
今回は、あとがきに変えて、本作を少し振り返りたいと思います。
よろしければお付き合いくださいませ(文字数 約3,500字)

連載小説「紫陽花と太陽」

別の記事でも書いたことがあったかと思うのですが、本小説は上、中、下の三部構成となっています。主人公の翠我すいが 遼介りょうすけが中学二年生の頃が上巻、中・下巻では高校一年から三年を書いています。

遼介と親友のつよしが過ごす学校に、転校生のあずさという少女がやって来て、とある事情でひとつ屋根の下で暮らし、恋に落ちる、という良くあるBoy Meets Girlの物語です。

タイトルにある「紫陽花」はあずさ、「太陽」は遼介をイメージしています。

はじまりは

お話ができたのは私が中学二年生の頃。同じ年齢の彼らに別の人生を生きてもらい、私が現実で言えないことを彼らにしゃべらせていました。

不登校が「悪」と言われていた時期に逃げ出すことができない自分を、どうにか学校でも過ごせるよう(強くなれるよう)鼓舞するために考えていたお話でした。

上巻は高校二年生の頃にマンガで完結させ、それからも「書く」ことはしていませんでしたが頭の中でお話は進んでいきました。小説に書こうと思ったのは一年前です。それまでは、話が頭の中にあるだけで言葉にはなっていませんでした。

頭から溢れそうになっていた映像?を小説にしてみようかな、と思って書いたらどうでしょうか。表現することがとっても楽しく、言葉の奥深さも相まって、僅かなすきま時間で書く魅力に目覚めました。体は疲れているのに書きたい気持ちが強く、あっという間に文庫本三冊分相当の文字を書いてしまったのを覚えています。自分でも驚いています。

人に見せる予定は全くなく、だからこそ気楽に書けたのかもしれません。

今まで出会ってきた人たち、書けられてきた言葉たち

初めて小説を書いて思ったこと。

今まで言われてきた言葉がそのまま反映されるんだなぁっていうことでした。出会った人、やってきたこと、読んできた話、そんなこんなが混ざって、キャラクターが何やら勝手に話し始めるのがとっても不思議。

遼介も、あずさも、剛も、勝手に自由に話します(頭の中で)。
私も日常を送りながら、彼らもどこかで日常を過ごしているようです。

過去に、どん底と思うくらいどよんとした日々もありましたが、その時感じたことがなければ本作は完成しなかったんだと思います。
だとすると、どれほどつらい出来事も大事なことなんでしょうね。
あらゆる負の感情に気付くたびに、今では自分で
『あっ!これは、必要なことなんだな!』と、思えるようになりました。

最下部の「おまけ」で、大事にしたい言葉(セリフ集)をまとめました。
縁田さんがいいシゴトしてくれていたのがよく分かります。

テーマは優しさ、でも自分が強くなりたくて書いた

「優しい」人って憧れます。

お近くにいますか? すっごく優しいな、素敵だなっていう人。

じゃあ、優しい人って、どんな人?

なんでもいいよって、言える人?

確かに、いいよ、いいよって言ってあげたいけれど、たぶんそれだけだと優しい人にはなれない。もし相手が絶対に間違っていると思ったら、それはどうなんだろうと気付かせる必要もきっとあると思うから。

自分の体を大事にしていない場合とかですね。
無理しすぎてる場合とかもです。

優しい人のイメージに「受容」があります。
条件付き(自分に何かしてくれたからとか)ではなくて、何かと比べて(他の人より優れているからとか)でもなくて、ただそこにいるだけでいい。
良いところも悪いところも含めて、まるっと受け入れる。

表現できたかどうかは難しいところですが、私は遼介に「受容」してくれる人物を当てて描いていました。

恋愛話もあるけれど、それより大事だなと思うのは、家族愛でした。

辛い過去のあるあずさが、翠我家で過ごしていくうちに自己肯定感が育まれていく話にしたかった。苦難があっても前を向けるあずさを書きたかった。

書けていたでしょうか。
いや、まだ難しい…。
ですが、書いたことで自分なりの人生の指針はちょっと見えた気がします。

失敗したなと思ったところ

「紫陽花と太陽」「心の雛」…
もう小説を書くことはないだろうと思いましたが、不思議なことに他にも物語は思いつくものなんですね。
今、新しい小説を準備しているところです。

次こそは、失敗を踏まえてちょっと書き方を変えようと思っています。

というのも、noteで小説を公開し始めてからすぐ気付きました。
「紫陽花と太陽」の各話が長過ぎるということに…。
そして内容も極めて重すぎるということに…。

物事は、やり始めたからには終わらせないといけない。
お話にも終わりがあります。
公開し始めたからには完遂しないといけない。
忙しい中、お時間を割いて読んでくださっている優しい読者様が一人でもいるのなら、公開することは迷惑かもしれないと思いながらも、最後までやり遂げようとここまで来ることができました。

自分の中での失敗と思う箇所は、次への改善点に繋げます。

残ったのは感謝の気持ち

何だか御礼しかもう思いつかないのですが…。
読んでいただいた方には感謝しかありません。
当たり前なんてないのだから、
どんな小さなことも有り難いと思えるのです。

下巻は特に、いろんな紫陽花のお写真をトップ絵に使わせていただきました。たくさんの素敵な紫陽花を撮影していただき、フォトギャラリーに登録してくださったnoterさま、ありがとうございます。

お忙しい中 読んでいただいた皆さま
スキしていただいた皆さま
コメントをいただいた皆さま

稚拙な小説にお付き合いくださりありがとうございました!
これからも作品を綴っていきたいと思います!
よろしければお気軽にお立ち寄りくださいませ!


おまけ(1) 作者はできないことが多い

実は私、「できないこと」がたくさんあります。
こんな人も小説書いちゃうんだ、という一例(?)のために、少し昔話をいたします。人と比べてどうということではなく、あくまで一個人の話です。

私は、夜に外を一人で歩けない。
私は、各駅停車の列車しか乗れない。
方向音痴、運動音痴、体力も全然ダメ。
化学物質過敏症が年々辛くなってきている。
乗り物に乗っている時に文字を読むと体調を崩す。
既製品を食べすぎると腹痛で倒れる。
おでかけする時は正露丸を飲んで外出しないと体調を崩す。
などなど…。

昔は克服しようと頑張りましたが、今は受け入れることにしています。頑張れってたくさん言われて疲れちゃったので、頑張らないことにしました。

すぐ倒れるので駅の医務室や学校の保健室はお世話になりました。
たくさんの人に助けられて、どうにか、今も生きることができています。
深い感謝を込めて、小説に活かそうとしています。

できないことが多いので、だったらそれらを変換し、じゃあどうできることに変えられるかなと思った時、当たり前だと見過ごしてしまうような小さなことすべてを、掘り下げてみようと思いました。

作中では、日常に焦点を当てている部分も多かったのではないでしょうか。

おまけ(2) 大事にしたいことば

人生でいただいた大事な言葉を作中に盛り込んでおります。
主に縁田さんと遼介に語らせていますね。
これは備忘録として書きました。
すっ飛ばしていただいても構いません。

『俺は、失敗って好きなんだよ』(縁田さん)

『俺は遼介くんの人生は遼介くんが決めていいと思ってる。遼介くんが選んだ道で、たとえそれが失敗ということになっても、他の人が決めた道を歩むよりずっとずっと素敵なことだと思う』(縁田さん)

『物事は全部成果が一つしかないわけじゃない』(遼介)

『過去をなかったことにはできない。どんなに辛いことがあっても前を向くしかないのだ。前を向いて、上を向いて、進むしかないんだ』(遼介)

『変えられないことをいつまでも引きずって、つらいことも忘れたいこともわざわざ思い出して、そうして考えても何も生まれない』(遼介)

『今日来たのは、今しかないって、思ったから』(遼介)

『そうなんだよ。不思議だよね。一人旅がなかったら、京都じゃなかったら、縁田さんに出会わなかったら、今ここに僕はいない。あずささんと一緒にもいられない』(遼介)

おまけ(3) コノミガワカレルトオモイマス

AIさんに作ってもらった遼介イメージ画です。
背景を紫陽花で指定したところ小鉢まで持ち出してきました。
どういうこと?

I thank you from the bottom of my heart.



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