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農業によるメンタルヘルス回復支援とは

皆さん、おはようございます。
Gifted Creative、峯上良平です。

今日は農心連携事業についてお話したいと思います。

まずは自己紹介から。
私は2010年に高専を卒業した後、大手IT企業に就職しました。
しかし、1年足らずで鬱を発症し、休職、復職もすぐに躁状態となり、精神病院に入院、その後退職し、実家にひきこもっていました。

そんな私を救ったきっかけが実家の農業でした。
幼い頃から農作業の手伝いをしていた私は、それがとても嫌で、真反対の仕事をしたかったのでSEになったという経緯があります。

鬱の時は、食欲がなかったり、だるかったり、生活リズムもバラバラ、寝たきりのおじいさんのような状態でした。

始めはしぶしぶながらも手伝いを始め、だんだんとご飯が美味しく感じられたり、お風呂が気持ち良かったり、夜も眠れるようになりました。

あれだけ嫌だった農業に、私は救われました。

とはいえ過去の失敗や挫折、将来の不安は消えることはなく、農作業はできるものの、メンタルの波はまだ残っていました。

鬱の時は本が読めなくなっていたのですが、農作業で回復し、本が読めるようになったため、心理学や認知行動療法を学び、自ら試し、使えるスキルを身につけました。

そうすることでメンタルの波が収まり、今の瞬間にやるべきこと、やりたいことを行い、趣味であった腕時計の修理販売事業を立ち上げ、十分自活できるようになりました。

自己紹介が長くなりましたが、ここに農心連携事業の基礎となった理論が含まれています。

鬱などの精神疾患になった場合、それをどうやって回復させるかを知っている方は少ないのではないでしょうか?

ポイントは、
①伴走者を付けること
②スモールステップで焦らず、確実に行うこと
③自分の感情の波を起こす原因となる認知の偏りや発達特性がないか、調べること
になります。

何故伴走者をつけるのかというと、本人だけでは焦ってしまったり、自責し過ぎて視野が狭くなり、正しい判断が難しいからです。
信頼できる医者や心理カウンセラー、支援者、訪問看護師など、複数の伴走者を付けることで、回復までの階段をスモールステップで行うことが出来ます。

Giftedではこれらの連携を行っており、シェアハウスという心理的安全が確保された空間でゆっくり休み、次に日常生活が自分でできるように支援をします。
食事、運動、睡眠、服薬管理など、訪問看護を活用したり、支援者がフォローします。

それができるようになると、農作業やアクテビティで出かける訓練で体力を付け、就労に備えます。

日常生活を共に過ごしているため、当事者の方の認知の偏りや発達特性などが見えてきます。
それを改善したり、上手く付き合えるよう、グループワークやソーシャルスキルズトレーニング、カウンセリングを行います。
Giftedの良いポイントは、当事者同士で苦手なことを試したり、出来ているかの確認、それぞれ違う価値観や考えを共有することでしんどいのは自分だけじゃなかったんだという安心感、孤独の解消ができます。

だんだんと自分に自信がついてきたり、やればできるというマインドが育ってくると、いよいよ就労に入ります。

出来るだけギャップが出来ないよう、ゲストハウスの掃除や援農など短時間から始め、体調を崩さないか丁寧に確認しながら、時間を少しずつ増やします。
精神疾患になった方は非常に疲れやすいという特性があり、また期待に答えようとし過ぎてしまい、無理をする傾向があります。
それを客観的に見て、コツコツやることで最終的には、自活できる時間まで働けるようになります。

課題は出てきますが、それらは自分がダメと思う必要はなく、それをクリア出来れば人間として成長し、それらは生きやすくなる上で必要なものであると思えるようになれれば、後は向き合い、試すだけで成果が出てきます。

そうやって自立、ライスワークはできたものの、人生の大半となる仕事が嫌々やってしまえば、それはまた鬱となる原因となってしまいます。

それを防ぐために、ライフワークの模索が必要です。
趣味を充実させるも良いですし、昔やりたかった仕事に就けるように勉強や資格を取るのでも良いでしょう。
私のように好きを仕事にしてみるのも良いです。

自分らしく、日々ご機嫌に過ごすにはどうしたら良いだろうか?

そうやって日々の小さなことをより良くしていく工夫が人生を豊かなものにし、メンタルヘルスの安定に繋がっていくと私は思います。

農業で最も難しいとされる身体の基礎を整え、元気になってきたらメンタルヘルスに関わる勉強をし、スキルを身につける。

中小企業や農家と連携し、短時間就労を実現し、リワークで失敗しやすい、
①焦って働く
②精神疾患になった原因を突き止め、回避や対策できるようスキルを身につける
③自分にあった実現したい長期的なゴールを目指し、日々のコツコツと忍耐力を鍛える
を行う。

最後はキャリア支援で、仕事の継続や自身の成長を進めることで、過去や未来の不安を無くし、今、この瞬間を大切に生きられるようになる。

そうすることで誰もが心身共に健康で豊かに過ごせるようになると思いませんか?

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

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