フィラー特許事務所|弁理士・中川真人
起業の不安を早いうちから払拭しましょう。このマガジンでは,大学生のうちに事業を始め,卒業までに軌道に乗せて就活をせずにそのままその事業の経営者になるという選択肢をより現実的なものにするための情報提供を行っています。
難化傾向を強める近年の弁理士試験で地雷を踏まず受験生として相応しい法的思考ができるようになるための情報をまとめています。
特許や商標の仕組みと使い方を誰でも活用できるように知的財産法の専門家である弁理士が専門用語を使わずに事例を交えてわかりやすく紹介しています。
語学を真面目に勉強することを揶揄する勢力がありますが、少なくとも私は100%のコンテンツを自ら書き起こし、それを語学を習得した人間に翻訳してもらっています。つまり、機械翻訳や生成AI系のサービスは使っていません。なぜなら、魂が入っていないからです。 私は情報自体には価値がないと思っていて、それをどう伝えるかに価値がのるものと捉えています。皆さんは、小中学生の頃に毛筆で半紙に「希望」とか「夢」とか、そういう字を書かされて教室の壁に掲出された経験があるとは思いますが、あれも「希
短答試験の自己採点をGoogleフォームを利用して一気出しできるシートを提供します。少しでも精神負荷を抑えられることを願います。 回答の受付は特許庁による正解の公示を待って5月22日23時ごろの開始を見込んでいます。メールアドレスの収集はありません。 https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScOz6aTXLdQEoYnk95TKOZODgYfTxUPvQK7E8w2sa_PSqCl1Q/viewform?usp=sf_link
商標登録は役所の定型フォーマットに必要事項を記載してお金を納付すれば弁理士でなくても普通に受けることが可能です。商標登録出願といっても所詮役所の手続きなのでそんなに難しいわけがありません。 では、わざわざお金を払って弁理士なる有資格者にやってもらわなくても、自分でやった方がいいかと言われれば、自分で商標登録出願をする場合のデメリットのうち最大のもの1選を簡単にお話します。 商標権を実際に使うのは弁護士と裁判所そもそも論ですが、何のために商標登録を受けようとしているのかとい
私は弁理士という国家資格者ですが、近年AIという技術が控えめにいって凄すぎて、将来弁理士の仕事はAIが代替し弁理士という資格も要らなくなるというお話がまことしやかに言われています。 弁理士に限らず、やれあれが無くなる、これが要らなくなるという遠回しに「あなたなんか必要なくなる」という風説がうごめくこの「AIが仕事を奪うと言われている時代」にどう生きるか、今回はおもむきを変えてそのお話をしようと思います。 1999年7の月、人類は滅亡するはずだったみなさんが生まれる20年ほ
無料で使えるAIのクオリティが高すぎて、将来的に〇〇という資格は要らなくなるし仕事もなくなる。 この手の風説は時代を問わず手を替え品を替え唱えられ続けていますが、もちろん弁理士も上の〇〇に入って論じられることが多々あります。 では、本当に弁理士という資格がAIに代替され仕事も無くなるのかと言えば、それはないでしょう。 元も子もない言い方をしますが、「無料の」というのが曲者で、事業化の目処がつけば一気に有料化が進み、「有料なら要らないわ」となってユーザーが一気に流出し、また
意匠とは、物品の形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合(以下、「形状等」という。)であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう(2条1項)。そして、視覚を通じて起こさせる美感に共通性がある場合、それらの意匠同士は類似することとなり、物品同一・形状等類似、物品非類似・形状等類似、物品類似・形状等類似、といった類型が考えられる。 登録意匠とそれ以外の意匠の類否判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行われる(24条)。意匠の類否は創作者等の当業者を基準に判断
短答試験では最初に思った答えを後になってやっぱりこうかもと修正し、結局最初の答えが正解だったという経験が誰でも一問や二問はあるものだと思いますが、短答試験でどうしても余計なことを考えて失点を積み重ねてしまう受験生の方のために、簡単なコツをお伝えします。 問題文をこのように読み替えて解いてみてください。 次のうち、正しいものはどれか。 ↓ 【軽傷編】次のうち、最も正しいものはどれか。 ↓ 【重症編】次のうち、〇〇先生が正しいと選びそうなものはどれか。 〇〇先生には、あなた
「特許や意匠登録制度をこのように使い、商標登録を受けたからヒット作が生まれました」というサクセスストーリーを特許庁や日本弁理士会もしているときがありますが、実際のところヒットと知的財産権の有無はほぼ無関係です。知的財産権はヒットを生むためでも支えるためでもなく、ヒットした後のトラブルを防ぐためにあるものだからです。順番が逆なのです。 特許(意匠登録を含み、日本では技術的アイデアを特許、視覚的アイデアを意匠登録として保護します。)と商標は、究極的には許諾(ライセンス)と排他(
もし自分で考えた模様のカバンを誰かに見せたりネットにあげたりした後に、その模様とそっくりのカバンや他の商品を誰かに先駆けて販売されてしまったら、どうすれば良いのでしょうか。 現実的な結論は「あきらめる」しかありません。残念ながら、日本では(といっても普通の国では)情報に所有権を認めていないので、模様やデザインといった情報が私のものだとか、返せとか、勝手に使うなといった制限をかけることはできないのです。 例外的に、そのデザインが市場で販売できる完成品として何かしら製品となっ
コンサルに就職したという言葉がありますが、日本でいうコンサルタントという職種はやや色合いが違います。ここではまだ学生の皆さんが誤解しがちな「日本でいう」コンサルタントという仕事の実態を少しだけご紹介します。 コンサルタントというのは「クライアント企業の課題を明らかにして、課題解決の方法を立案・提言し企業の成長や業績改善を支援する人」という意味合いで使われますが、もう少し詳しく説明すると、日本におけるコンサルタントとは「クライアント企業Aの課題を明らかにして、クライアント企業
何年ぶり2回目の登場となる更新登録制度の趣旨ですが、20点の配点でこの問の回答を書こうとすれば、これくらいのことが書けていれば十分でしょう。 太字部分はいわゆるお決まりのフレーズで誰でも一度は書いたことがあることだと思いますし、私が個人的に「便利な表現」と呼んでいるものです。 この問題は令和4年度の論文本試験の第1問目の小問1で、配点は20点と推測されます。そして、試験委員の先生によれば「更新登録制度の基本的な知識及び理解」の有無を確認したいということですので、基本的な知
私は事業相談に来られた方、これから事業を行おうとされている方々には、絶対に法令違反がないように気をつけるよう必ずアドバイスをしています。 「絶対」というものが不可能なのは承知の上ですが、できる限り法令違反が生じないように細心の注意を払って事業を行うことをアドバイスしています。 というのも、法令違反があると事業者ご自身が警察に捕まるとか訴えられるとか、そういうリスクを回避する必要があることももちろんなのですが、法令違反がある状態で事業を始めたり続けたりしていると、この事業者
弁理士の中川真人です。今回は、コモディティ商品を今さら開発して販売しても勝ち目はないのではないかという問いに知財戦略の視点からお答えしようと思います。 コモディティ商品とは何か?コモディティ商品というのは、技術的に飽和してしまいそれ以上開発しろ(余白)がなくなった商品のことを言い、一般には誰でも作れる、かえのきくその他大勢の商品群の中の一つといった捉え方をしています。 近年の流行では、ニッチ産業を狙い独自の立ち位置を確立することを推奨する経営戦略が注目されているため、この
しばらく商標登録制度について説明しましたが、商標登録をすることにより誰が何についてどの名称を使用しているかの所属が明確になり、それにより生じた出所混同事件(偽者の出現)は民事・刑事の両方から責任追及ができるようになることがわかりました。 では、そんな商標権の侵害事件、つまり誰かに名前を無断使用されたという事件はどのようにして起きるのでしょうか。一般的には誰だか知らない赤の他人が人気を博したあなたの名声にあやかって無断使用を試みるというパターンを想像されるかもしれませんが、実
黙々と頑張るタイプは研究職に向いていると言われることが多いですが、現に理系の研究職(開発職)をしていた身からすると、理系の研究職は決して黙々と研究に没頭する場所ではなかったと言うのが真相です。 研究職といっても「職」なのですから、必ず他人との関係は出てきますし、研究用機器も安いものではないので実験室は複数のグループの相部屋、分析装置もみんなで共用というのが現実です。 大家族のトイレの順番の如く、スケジュール調整や時間を守る守らないでいざこざが生じたり、少ししか必要ない薬品
次のうち、商標登録を受けられないものはどれか。 トレーディングカード 株券 拳銃 正解は2の株券です。理由は株券が特立して商取引の対象とならないからです。 しかし、株券を直接お金を払って交換するといった慣行もあるので独立して商取引の対象となるのではないかという疑問を持たれることもあるとは思います。 ここで、「特立して商取引の対象となる」の意味ですが、もし株券が本当に特立して商取引の対象となるのであれば、株券本来の目的である株式取引を行う機能を失っていてもなお、株券と