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特許や商標は草むしりの道具

特許を受けると儲かりますか?

結論から言うと、特許を受けても誰かがご褒美にお金をくれるわけではありません。むしろ、特許や商標登録を受けるためには弁理士や国にかなりのお金を払う必要があります。

一般に特許権や商標権には独占権、排他権があると言いますが、簡単に言うと国の力を使ってアイデアの盗用や偽物の排除ができるようになるというのが特許や商標登録を受けるメリットです。

一つの芽から大木を育てるには周りの雑草を抜き、邪魔者がいない環境を整える必要がありますが、あなたの事業という大木を育てるために周りに生えた草、すなわち競業他社の模倣や盗用、嫌がらせといった雑草を警察や裁判所に頼んで排除してもらい安全な環境を整えるための道具が特許権や商標権といった公権(私権でもありますが)なのです。

別の記事で知的財産として価値のあるブランド構築には努力の伴うプロセスが必要という説教くさいことを書きましたが、実はこの特許権とか商標権とかいう道具は、相手が大企業であっても1000億円規模の事業規模をもつフランチャイズであっても、一介のローカル企業がその事業ごと吹き飛ばしてしまうくらいの強力な力を持っています。

自社の事業という大木を育てるために必要な草むしりの道具でもありますが、同時にあなたが他社の雑草として他社の特許権や商標権に無惨にも刈り取られることのないよう、これからは自社の事業に知財戦略を取り入れていきましょう。

ちなみに特許権や商標権は全国で効力を発揮するので、油断していると全然知らない地域の同業他社から突然「警告書」が届くことがあります。これで全国規模のパスタ屋は億の金を払い、全国規模のフランチャイズは消滅しました。

弁理士・中川真人