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リウマチと飲料の関係

▼ 文献情報 と 抄録和訳

関節リウマチにおける飲料-何を好むべきか、何を避けるべきか

Dey M, Cutolo M, Nikiphorou E. Beverages in Rheumatoid Arthritis: What to Prefer or to Avoid. Nutrients. 2020 Oct 15;12(10):3155. 4.6

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

✅ RAとコーヒーのレビューまとめ
・RAにおけるコーヒーの治療的役割は、あまり明確ではない
・RAの発症・進行におけるコーヒーの効果を考える場合、カフェインが注目される主な成分であり、免疫調整作用や抗炎症作用があることが実証されている
・コーヒーは、多発性硬化症や潰瘍性大腸炎などの特定の自己免疫疾患の発症を予防する役割を果たす一方で、血清陽性RAの発症リスクを増加させるようであるが、血清陰性RAやカフェインレスコーヒーの摂取では、このような現象は見られない
・メチルキサンチンおよびアデノシン受容体拮抗薬であるカフェインが、RAの治療において最も一般的に処方される疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)であるメトトレキサートの効果を低下させることがいくつかの研究で示されていることである

[背景]
関節リウマチ(RA)をはじめとするリウマチ性疾患の病態における栄養の役割は、近年ますます注目されている。その中でも、飲料に含まれる多様な栄養成分と、それらがRAの発症・進展に果たす役割の可能性に注目した研究が増えている。本文はこちら RAに関連する様々な飲料の役割について、現在の知識をまとめることを目的とした。飲料は、RAにおける自己免疫のモザイクの中で重要な役割を担っており、マイクロバイオームを変化させ、炎症経路に下流の影響を及ぼす可能性がある。コーヒー、紅茶、ワインなどの飲料の分子内容も同様に、免疫シグナル伝達経路を阻害することがわかっており、疾患の進行に有益なものとそうでないものがある。最後に、飲料を幅広い食事パターンとの関連で考察し、患者管理において集学的チームがこの増えつつあるエビデンスをどのように活用できるかを検討する。

[結論]
RAにおける飲料の役割に焦点を当てた研究が増えている一方で、食事やライフスタイルに関する議論を患者の管理に取り入れることはまだ少ない。RAにおける栄養は依然として議論の多いテーマであるが、今後の研究、特に飲料の役割に関する研究により、今後さらに光が当てられることになるだろう。


▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅本レビューは様々な飲料品に関して議論されているが、コーヒー愛飲家として、今回はコーヒーに関するレビューを中心に取り上げた。その他に関しては是非本文を読んでみてほしい。
リウマチ由来の疼痛の管理は本当に難しいと感じる。リハビリテーションにおいては、関節の負担を減らすなど筋骨格に対するアプローチや、認知行動療法を用いたアプローチなどが考えられるが、その他にもできることはないだろうかといつも思う。こうした知識は、あくまで補助的なサポートに過ぎないかもしれないが、疼痛管理の一助として、知っておくことは大切だろう。

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リウマチに関する基本的な知識に関しては、以下の記事が分かりやすいので紹介させて頂きます。

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医療従事者と研究活動における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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