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【英論抄読】成長期に対するFunctional Movement Screen-Review論文

▼ 文献情報 と 抄録和訳

Functional Movement Screenを用いた小児・青年期の機能障害性運動と非対称性の評価-Narrative Review

Vehrs PR, Uvacsek M, Johnson AW. Assessment of Dysfunctional Movements and Asymmetries in Children and Adolescents Using the Functional Movement Screen-A Narrative Review. Int J Environ Res Public Health. 2021 Nov 27;18(23):12501.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

✅ 前提知識
FMSの測定項目は以下のサイトが分かりやすいかと思います。
FMS測定簡易マニュアル

[概要]
Functional Movement Screen(FMS)は、認知、知覚、固有感覚、運動機能の相互作用を必要とする7つの検査項目において、筋力/持久力、柔軟性、移動性、協調性、バランスに関わる機能障害を特定するスクリーニングツールである。FMSの結果は、総合得点、個々の検査項目の得点、両側5つの検査項目における代償動作パターンおよび左右非対称性の同定からなる。成人におけるFMSの使用については多くの文献 があるが、子供におけるFMSの使用を示すエビデンスが増えつつある。子どもに関する研究では、20カ国以上、少なくとも 20種類のスポーツの学童と若いアスリートを対象とし、思春期 前後の子ども、標準体重、過体重、肥満の子どもの間で比較している。脂肪率や身体活動レベルの測定を含む研究や、非対称性や機能不全の運動パターンの有病率を報告する研究は、子供の文献ではあまり多くありません。本論文の目的は、現在入手可能な子どもの文献を統合し、コーチ、体育専門家、その他の健康/フィットネス専門家によるFMSの潜在的利用法、結果の適切な解釈、および子どもにおける将来の研究を提案することである。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅本文では、以下のように報告されている。

成人に対するFMSの使用に関する研究は数多くあ るが、青少年に対するFMSの使用を示す科学的証拠も増えつつある。今日までの研究は、米国、カナダ 、ハンガリーおよびドイツ、イタリア、モルドバ、英国各国、アイルランド、ポーランド、スロバキア、イラン、トルコ、日本、中国、タイ、台湾、韓国、インドネシア、クロアチア, ブラジル、 ポルトガル、 スペイン、南アフリカ、 少年少女共に、体育授業で、少なくとも20種類のスポーツで、年齢区分で、普通体重、過体重、肥満青年で実施された。

本文を是非読んで頂きたいが、他国と比較し、日本は文献数が少ないようだ。英国ではかなり研究が進んでいる印象である。

FMSの7項目を、サブカテゴリ化した研究を増えているようだ。

ムーブメントスコア:ディープスクワット、ハードルステップ、インラインランジの点数を合計して算出される、いくつかの文献で使用されているFMSのサブカテゴリーの点数。
モビリティスコア:肩の可動性テストとアクティブストレートレッグレイズテストのスコアの合計として計算される、いくつかの文献で使用されているFMSのサブカテゴリーのスコア。
スタビライゼーションスコア:体幹安定性腕立て伏せと回転安定性のスコアの合計で算出される、いくつかの文献で使用されているFMSのサブカテゴリ・スコア。

FMSは、まだまだ多くの可能性がある評価バッテリーであることが分かる。スポーツ現場で働かれる方は、是非有意義に活用して頂きたい。

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医療従事者と研究活動における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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