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【RFM】共感の齟齬を回避せよ 自分の価値観・信念に沿って行動せよ

📖 今日の教え

原文
其の身正しければ、令せずとも行わる


自分自身が正しい行いをしていれば、命令などしなくても下の者はついてくるものだ

🌱 考察

人は無自覚に”共感”を求めてしまうものです。
それは悪いことではないし、人間社会を形成していく中で時として必要であることも確かです。
ただ、その共感は、本当に”共感”でしょうか。

例を挙げましょう。
職場の後輩が、毎日遅くまで残業しています。
あなたなら、どのように声を掛けますか。

「いつも大変だね」
「無理しないでね」

私も含め、おおよそこのような声掛けを、無意識にしているのではないでしょうか。
もちろん、後輩がそうした声掛けに共感し、勇気づけられる場合もあります。

でも、ちょっと考えてみてください。
もしその後輩が、仕事が楽しく、極めて能動的に残業しているのだとしたら。

「いつも大変だね」
こうした声掛けが、相手のモチベーションを下げてしまう可能性もあります。

では何故、私たちは自然と、こうした声掛けをするのでしょうか。
相手のことを気遣って、、、。それももちろんあるでしょう。
でもそれだけじゃなくて、おそらく無自覚に、こんな心理がはたらいていると思われます。

「俺(私)は、君のことをよく分かってあげられる人だよ」

こうした、共感を求める心理が少なからずはたらいているはずです。しかしそこには、共感の齟齬が生じています。つまり、自分が求めている共感を相手が求めていない、ということです。

では、どうすれば共感の齟齬を回避することができるでしょうか。
残念ながら、100%の答えはありません。
しかしその最善策として、自分の価値観・信念に沿った判断、行動をしていくことが大切だと考えています。

共感の齟齬を回避するために何故自分の価値観・信念が大切なのか、ビジネスで使われる用語から説明してみたいと思います。
昨今ビジネスの世界ではよく、「VUCA」という言葉が聞かれます。
「VUCA」とは、「Volatility=不安定」「Uncertainty=不確実」「Complexity=複雑」「Ambiguity=曖昧」という、今日の世界の状況を表す四つの単語の頭文字を組み合わせたものです。
現代を生きる私たちからすると、この世の中が「VUCA」であるといわれれば、納得する方も多いでしょう。
では、ビジネスという文脈を超えて、この世の中で一番「VUCA」であることはなんであるか、考えてみてください。
私は、それは人とのコミュニケーション、つまり人間関係であると思います。

現在、様々な媒体でコミュニケーションスキルが大切であるといわれています。
しかし、コミュニケーションは「VUCA」であるため、そのスキルが全ての方に当てはまるなんてことは決してありません。国、文化による違いはもちろん、同じ相手であっても、その日の体調やイベントなどでベストなコミュニケーション方法が異なることは、家族生活、様々な上司との関わりを経験されていればご理解いただけるかと思います。ですから、色々なコミュニケーションスキルを学ぶことは大切ですが、それはあくまで一手段であり、万能薬ではありません。これほど「VUCA」である物事は他にあるでしょうか。
したがって、もっと大切なことは、こうした方法論を磨く前に自分の信念・価値観を磨くことだと、私は思います。

自分の価値観や信念の見つけ方に関しては、別の記事として投稿しようと思いますが、最後に私の価値観・信念を紹介しつつ、話をまとめたいと思います。

私の価値観・信念、それは、

「肩の力を抜いて、やわらかく」

です。

なんて抽象的な!と思った方もいるでしょう。
でも、抽象的であるからこそ、様々な場面で意思決定する際の指針となります。
そして、私自身がこうした価値観・信念を象徴する作品として、他者に影響を及ぼしていく、そのために必要な意思決定、ビジネス、生活をしていく、そこまで含めて私の価値観・信念であります。

アーティストのヨーゼフ・ボイスは、このような言葉を残しています。

私たちは世界という作品の制作に集合的に関わるアーティストの一人である

そうであるならば、私たち一人一人がアーティストとして、さらにはアート作品としての”自覚”をもつことが、自己の価値観・信念をみつけるヒントになるかもしれませんね。

さて、ここまでつらつらと「共感の齟齬」と「価値観・信念」に関して述べてきましたが、この2つはどのように関係するのでしょうか。
共感の齟齬が生じる原因として、共感を求めてしまうところにあることはすでに述べました。
では、価値観・信念を強くもち、且つ自身がその作品としての自覚をもっている場合、共感はどのように変化するのでしょうか。
それは、「求めるもの」から「与えるもの」に変化します。
一般的なアート作品を鑑賞している場面を想像すると分かりやすいかもしれません。
アート作品における鑑賞者視点の共感は、「求められる」ものでは決してなく、「与えられるもの」であるはずです。
これはつまり、アート作品側からすると、共感は「求めるもの」ではなく「与えるもの」となります。
そう、価値観・信念をもった人間関係やコミュニケーションは、共感を「求める⇆求められる」ではなく「与える⇆与えられる」関係として捉えることができます。これは、上司・部下の関係であれば、まさに「其の身正しければ、令せずとも行わる」を示しています。
このような人間関係やコミュニケーションが、共感の齟齬を回避する最適な方法であり、人生を豊かにしてくれるものだと、私は信じています。

いかがでしょうか。何かの参考になりますと幸いです。

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